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「日本産淡水魚」×「暗渠」×「人文」 【#魚に出会える本屋さん】店主の自己紹介 その2 #暗渠


北沢川緑道

自宅がずっと、「北沢川緑道」のそばにあります。
母から、そこに「川が流れていた」ことは小さい頃から聞いていました。私たち親戚は、そこを「桜並木」と呼んでいました。

「桜並木で〇〇さんに会った」
「桜並木にセミを捕りに行く」
「桜並木に芸能人の××がいた」
「桜並木のアジサイが綺麗だ」
「桜並木でヒキガエルが死んでた」

北沢川緑道に小川を流す工事が始まったのはいつでしょうか。
「蓋をした川の上に人工の川を流す」という不思議な工事でした。

昔の北沢川緑道の写真、ネットで検索しても出てきませんね。高校生の時撮っていた写真があったのですが、デジカメだったのでパソコンの代替わりで棄ててしまいました。

小川が流れる前の、ちょうどうえの地図のあたり(しゃれた自転車屋さんがある近くです)、昔は池と噴水がありましたよね。覚えていますか?


北沢川緑道+烏山川緑道=目黒川緑道

その工事の時に、人工の川が何処まで流れているのかを見に池尻大橋の方まで行ったのが、暗渠散歩の初めだった気がします。

淡水魚への関心から、自分の住むこの街にかつてありえた自然を想像するために、暗渠を巡り始めました。


玉川上水

暗渠を巡り始めたのは中3~高1の頃のことだったと思います。
「世田谷の川探検隊」というHPを参考にしながら、北沢川・烏山川・蛇崩川・宇田川・玉川上水…と暗渠を辿りました。
暗渠を辿るのは、冒険でした。

「あ、川の痕跡がある!!」
「下り坂だからこの先に暗渠がある?」


北沢川支流跡

暗渠を歩くのは不思議なことでした。
街並みが背を向けている。でも、街の人々の生活に溶け込んでいる。
そして、この川にはかつてどんな魚がいたのだろう??

楽しくて仕方がなかったのを覚えています。

暗渠を巡って、その写真を撮って(自分で言うのも気が引けますが、当時撮っていた写真は、とても味わいがあった。安っぽいデジカメのおかげだと思います。もうあんな写真は撮れないし、その写真も見られなくなってしまいました)、自分で作ったホームページにのっけていました。
そのとき書いていたことを、保存してくださっていた方がいて、それを本田創さんがさらに保存してくださっていたのか、最近、高校生の時に書いていた自分の文章に再開するという不思議な経験をしました。


呑川

暗渠を歩く楽しみのもう一つは、開渠、つまり川に出合うことです。
北沢川緑道を下り、目黒川に出合う。
呑川でもいいです。
実は呑川は最近辿りました。緊急事態宣言前の3月、自宅での仕事を終えて駒沢公園までサイクリングに行ったついでに、あ、暗渠だと思って。東横線を横切り、あ東工大がここにあるのかと思って大井町線・目黒線を横切ったら、川がありました。あ、この感覚忘れていたなと思いました。そのまま一気に、海まで行って、羽田を見ました。川はどんどん大きくなり、深くなりました。

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緑道が突如、開けて川の姿を見せる。あの気持ちよさは一度味わったら止められません。



暗渠にご興味を持った方はこちらをどうぞ。


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