PCR:話題になってたけど、どうやるか知ってる?
「寄生虫ってどんな生き物なの?」というテーマで、寄生虫を種類別に紹介する動画を昨年から始めたのですが、今回はPCR法についての動画をあげました。案の定、再生回数はひどいものです。
PCRが話題になったのは、5年前の新型コロナウイルスのパンデミックでしょうか?PCR検査の有効性など議論されていましたが、一部の過激な方々の発言を聞いていると、「そもそもPCRを知らないのでは?」と感じました。そこで、流行遅れかもしれませんが、私がPCRをやっている様子を見てもらって、身近に感じてもらおうと思ったしだいです。
PCRは、簡単に言うとDNAを増幅させる実験手法です。PCRで何かがわかるわけではありません。DNAは生物の設計図(IDというべき?)なので、DNAの塩基配列を調べることで生物の種類や個人の特定をすることができます。ただし、細胞中に含まれるDNAの量はとても少ないので、DNAを調べるために採集したDNAの量を増やす必要があります。この時にPCRという手法を使います。
PCRがどのような方法で行うのかは、動画で確認してください(設定で倍速視聴が可能です)。この方法が一般的になってから、生物学の研究が一気に進みました。そのおかげで、高校生物の内容がすごいことになっています(難しい!)。かつては、大学や研究機関でしか購入できなかったサーマルサイクラー(PCRを行う機械)も、個人で購入できるくらいになってきています。
以前、知り合いの研究者が「100年前は顕微鏡は大学にしかない研究機材だったが、今は学校に当たり前にある。サーマルサイクラーも同じになる。」と言っていました。実際、学会の高校生発表では多くの学校がPCRを使った研究発表をしており、彼の予言が実現してきたと感じています。にも関わらず、高校レベルの科学の知識のない大人(議員やコメンテーター)が幅を利かせているのは残念な状況です。高校生に負けたくない!と思った方はぜひ見ていってください!
基本的には、寄生虫の紹介動画をあげています。他の動画も観て、興味を持っていただけましたら、チャンネル登録もよろしくいたします。