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ノロゲンゲ

ここでは、私がこれまでに見つけた動物を気まぐれで紹介していきます。今回は購入した魚の紹介です。

和名:ノロゲンゲ
学名:Bothrocara hollandi
分類:硬骨魚綱 スズキ目 ゲンゲ科
生息:北海道から山口までの日本海側, 北海道から宮城までの太平洋側
解説:水深200〜1800mに生息するいわゆる深海魚です。淡褐色でゼラチン質に覆われています。個人的な感想を言いますと、葛餅のような感触でした。ベトベトではなく、プルプルでした。歯が結構鋭く、解剖してみたところ胃や腸から複数種の甲殻類やホタルイカ?がたくさん出てきました。時期もあるのかもしれませんが、胃や腸は甲殻類やホタルイカでいっぱいでした。

ゲンゲの寄生虫は?

この魚は、2022年のゴールデンウィークに鳥取まで魚の買い付けにでかけた際に、道の駅で見つけました。時期的なこともあり、この時の調査ではノロゲンゲハタハタしか地元の魚はありませんでした。今月末には、トビウオなどが入るのではないかと思うのでもう一度行ってみたいです。私が住んでいる兵庫県南部では見かけない魚ですが、カニ漁のときに混獲される魚のようで、日本海側ではよく食べられるようです。

私の目的はエラに寄生する単生類なのですが、この魚にはいませんでした。そこで、腸管も調べてみたのですが、吸虫, 条虫, 線虫がたくさんいました。(線虫はホタルイカを食べている個体からでてきたので、旋尾線虫かもしれません。)採集した寄生虫は全て生きていたので、この魚はとても新鮮なことがわかりました。

寄生虫がいても安全です!

購入した魚の寄生虫の話をするのは、風評被害の原因となってしまうのではないかと、いつも気を使います。そこで、寄生虫の話と同時に安全に調理して食べればよいのではないかと思いつきました。なにより、今回の魚は表面のゼラチン質をどう調理するかを試行錯誤したかったので、協力者にも調理してもらい、写真を送ってもらいました。

この魚ですが、先述したように内臓に寄生虫がたくさんいたので、内臓を全て抜き出すことを推奨します。筋肉中にはいなかったので、カツオ糸状吸虫のような心配はないと思います。
調理法その1アヒージョ
やめておいた方がいいです。ゼラチン質にオリーブオイルが加わった状態になります。身はさっぱりして美味しかったです。

調理法その2てんぷら
体表のゼラチン質は揚げ出し豆腐の分厚い版になっているそうです。プルプル感は少なく、白身のおいしい魚の天ぷらだそうです。

調理法その3なべ
これが至高の食べ方だと思います。体表のゼラチンはスープにとけ出し、魚からはとても良い出汁がでるそうです。最高のコラーゲン鍋となります。

下記の参考文献のサイトにもありますが、なべゲンゲ汁)が最高の食べ方のようです。他にも、唐揚げ干物など体表のゼラチン質を飛ばすのが調理の原則のようです。個人的には、鮮度が落ちるととたんに不味くなるというのが気になります。協力者からは寄生虫よりも見た目が不気味という者もおりましたが、魚の特性を踏まえた地元の伝統に従えば、美味しく安全に食べられるのではないかと思います。

【参考文献】

https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%82%B2


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