木村花さんの訃報を受けて感じたこと
人と人とが関わり合うということ、すなわち人間関係とは非常に難しい。
木村花さんの訃報を知り、改めて感じたことである。
僕もこれまでの人生のなかで、いろんな人と関わってきたが何かトラブルが起きた時はいつも、
「誰が悪いのか」を粗探しするのではなく、「どうしたら、同じ悲劇が繰り返されなくなるか」
を考えるようにしている。そこで、自分なりに「どうしたら、今回のような悲劇が繰り返されなくなるか」を考えてみた。
結論をだせるかわからないが、結論を出すにあたりまず、「そもそも、なぜ木村さんが誹謗中傷されたのか」を考えてみた。
テラスハウスを一度も見たことがないが、以下のようなエピソードがあったようだ。
① 同じテラスハウスのメンバーの男性が木村さんのユニフォームを普通の衣類と一緒に洗濯して乾燥させてしまい、ユニフォームが着れる状態でなくなってしまう。
↓
② このこと(=①)に木村さんが怒ってしまい、男性に対して暴言とも受け取れるような発言をしてしまう。
↓
③ このような経緯があり、男性がテラスハウスを去ってしまう。
要するに、「男性の不注意に対し怒ってしまう木村さんの様子(A)に対して、視聴者(B)が誹謗中傷を行った」ということである。
より抽象化すると、「ある行動をしてしまった人と、バッシングや誹謗中傷をする人」という関係になる。
ここで、1つ共通する関係性が思い浮かんだ。
木村花さんの訃報を受けて、「木村さんに誹謗中傷したアカウント」を晒しあげたり、誹謗中傷に対してリプを送ったりする人がいる。
「木村さん(A)と木村さんを誹謗中傷する人(B)」
と
「誹謗中傷した人(A")と誹謗中傷した人を非難する人(B")」
この2つは同じ関係性なのではないだろうか?
そのため、「木村さんを誹謗中傷した人(B)=誹謗中傷した人を非難する人(B")」というようにも考えることができる。
ここで分かることが1つある。それは、
「初めから悪人という人はいない」ということだ。
「木村さんを誹謗中傷した人(B)はなぜテラスハウスでの木村さんの様子を見て、誹謗中傷しようと思ったのか。」について想像してみたい。
仮定の話をする。
もしかしたら、木村さんを誹謗中傷した人(B)はテラスハウスを去ってしまった男性のように、過去に誰かから酷い暴言を言われたり、それに準ずるような他人の行為を受けて辛い思いをした経験があったのかもしれない。
そんな経験のある人から見たテラスハウスの中での木村さんの様子は、自分の過去の嫌な思い出を想起させるものだった可能性がある。こんな経緯があれば、感情に任せて誹謗中傷してしまうかもしれないのだ。
要するに、「人は誰しも、ある条件が重なったら他人を傷つけるような発言や行為をしてしまうかもしれない」のであり、この事実をまず受け入れなければいけないと思う。
だが、間違いなく、誹謗中傷はしてはいけないものだ。
「昔自分がいじめられたから、誰かをいじめ返してもいい。」そんなことはない。
よって、「自分がされて嫌なことは人にしない」これが大事だと思う、非常に単純だが。
また、もう一つ。
世の中で「悪とされているもの」や「誰かの行いによって犠牲になったもの」に対して盲目になってしまってはいけない。
「誰かの正義が誰かを傷つける」このような訃報があった時によく言われる言葉。これはなんでだろうか?
「自分にとっての正義」に対して、疑いやその理由や由来、根拠を考えず、盲目になるからだ。
誹謗中傷した人を非難する人(B")の中には、今回の訃報に対し「木村さんを誹謗中傷した人(B)が悪い」ということに盲目的になっている人が多いのではないか。
もちろん、木村さんを誹謗中傷した人(B)がいなければ、今回のようなことが起こらなかった。その点で(B)には責任があると思う。
しかし、誹謗中傷した人を非難する人(B")の人に対して1つだけ心に留めて欲しいことがある。
「あなた (=B")も、木村さんを誹謗中傷した人(B)になりかねない」
ということだ。
相手の事情を想像せず、思うままに誰かのことをバッシングすることがあってはならない。
大して考えもせず発言した誰かへの悪口も、相手をすり減らす言葉になってしまう。
ましてや、SNS。相手との心理的な距離の遠さから軽はずみな悪口が生まれてしまいがちである。
でも、そんな軽はずみな発言もたくさんの人から言われたら、非常に強力なものになるのだ。
「相手の事情を想像する」「ただ流されるだけじゃなく、ちゃんと考えて発言する」「人にはいい面も悪い面もある」
これらのことをちょっと意識するだけで、少しでも優しい世界になるのではないだろうか。
木村さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
ps,ロジカルに書いているように見えて、全然ロジカルじゃない部分があるかもしれないですが、あくまで一意見ですのでご了承ください。
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