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2023WBC結果予想開幕直前版(プールB)

いよいよ勝負の時が近づく。


 各チームのメンバーも出揃ってきた時期だ。2022年8月に既に予想しているが少し修正して書き直してみようと思う。
 以下のリンクが8月に書いた記事。予選の前だったのでブラジルと仮定しているが実際はチェコが勝ち上がり国としてグループ入りしている。

 それではまず、日程の方を見ていこう。プールBはこのようになっている。

日本戦全部ナイターやんけ!

 日本は集客やスポンサーの関係からか全試合19時からのスタートで相当有利な日程。ナイター→デーゲームという日が無いのは唯一日本だけ。

 日程の妙は今更言ったって仕方がないので一試合ずつ見ていきたい。

中国戦(3月9日19:00~)

 中国は情報が無い。知識として国内リーグが整備され始めていること、MLBに渡る選手も数名出てきていることなど知っているが、情報が少ない。
 KBOでプレーする中国系韓国人の朱権が、前回大会に引き続きロースター入りするとの報道もあったが、知らないのが正直なところだ。
 相手を知らないくせにこう言ってはなんだが、日本が負けるイメージはない。WBCでは過去四大会全て一次リーグで顔を合わせ、結果4勝。中には接戦となった試合もあるので、手を抜くわけにはいかないだろうが負けないと思われる。願わくば圧倒して勝って欲しい。日本の初戦なので大会に慣れる試合にできれば。

韓国戦(3月10日19:00~)

 日本にとって山場となるのがこの韓国戦。日韓戦は毎度激戦となる。
 第二回WBCでは決勝で当たり、あのイチローのタイムリーが生まれた。プレミア12でも当たり、東京オリンピックでも対戦した。負けられない戦いになるのはなんとなく思う。
 ただ、片や韓国の立場はというと第三回、第四回のWBCを一次ラウンドで敗退。2017WBCにおいて自国開催でありながら敗退したのは衝撃で韓国メディアの落胆も大きいものだった。自国の野球人気のためにも負けられない戦い。KBOのレベルが低くない事の証明、韓国野球の真価が問われる。

 ということで、韓国は今大会ベストメンバーを組んできた。ロースターは以下の記事にある通り。粒ぞろいとなった。

 エースになる事が予想された柳賢振や、メジャー経験もある朴孝俊などは入っていないが考え得るメンツの中では十分のロースターが組めただろう。詳しい選手の紹介は知識もないし、それは出来る人がやればいいので大まかに注目選手の名前を挙げながら展望を述べていきたい。

先発は誰になるか。


 投手陣では金廣鉉梁玹種などの名前が。長年韓国先発陣を支えたベテランが今回もエントリーした。韓国チームの課題はここ数年投手陣にあった。KBOが打高だったことからも、想像がつくのではないだろうか。世代交代の進まない投手陣をどう整備するかが焦点だった。
 しかしながら、日本戦に登板予定の選手はこの二人ではないとされている。2022年NCダイノスで11勝をあげた具昌模が有力視されているというのだ。綺麗なフォームからキレのいい球を投げるサウスポーで、タイプとしては金廣鉉に近い。まだ年齢も若くこれからの韓国野球を背負う選手だろう。
 他にも中継ぎ陣には高佑錫をはじめオリンピックメンバーでもあった若手が多く入っており、世代交代が徐々に進んでいることを窺わせる。前回のWBCから六年。オリンピックから一年経ち、韓国も立ち直ってきたか。

魅力あるバッター達

 何より韓国野球で魅力なのは打力。スピードとパワーを兼ね備えたタレントが多く、世界的にも認められている。私個人の意見としては打高リーグゆえに、良い打者が育ったのではないかと思う。ストライクゾーンに来たボールをマン振りする事は練習していなければ出来ない。ある程度数字が出る中で韓国人打者達は成長したのではないか。KBOからMLBに渡る打者が一時期多かった(契約が取れた)理由だと考えている。

 さて、その中でも金河成は別格だろう。今期サンディエゴパドレスで正ショートを務めたのは大きな自信となったか。今大会韓国チームではセカンドにトミー・エドマン(STL)が入る事が予想され、パワー・スピード・守備の三拍子揃った二遊間が形成される。このレベルが組む二遊間は世界でもそう多くはない。
 二遊間を含むセンターラインは不動だ。キャッチャーの梁義智は大ベテランだが精神的にもチームに欠かせない。そしてセンターには李政厚が入る。2017年プロ一年目からレギュラーで出場し新人王に輝いた。近年はパワーもつき2022年には首位打者と打点王のタイトルを獲得するまでになった。本塁打23本に加えて二塁打36本三塁打10本と全てを兼ね備えた韓国球界のスターである。今期終了後のポスティングが既に容認済みである李政厚には多くのスカウトが注目しているし、彼を中心に韓国ナショナルチームは動いていく。
 スター達の脇を固めるのはMLB通算61本の崔志萬(PIT)や、KBO本塁打王の朴炳鎬(KTウィズ)、そして長距離砲候補の姜白虎(KT)になるだろうか。不足がちだった三塁手には崔廷(SSG)がWBCでは一大会ぶりに代表復帰した。
 外野手ではオリオールズでもプレーしたヒットメーカー金賢洙(LGツインズ)がキャプテンとしてロースター入りし、スピードと広い守備範囲が魅力の朴海旻(LG)も楽しみな存在となる。
 李大浩と金泰均が主軸に入っていた前回とは大きくチームは変わり、よりアグレッシブな攻撃も繰り出せるようになった韓国打線に隙は無い。多少の粗さを感じることはあっても、それを補って余りある程のパワーが彼らにはある。
 日本の投手陣のレベルはかなり高いが、それでも慎重な配球と継投策が求められるだろう。ダルビッシュ、大谷、山本、佐々木の四択なのだがもはや誰が投げてもいいのでこの試合に賭ける日本の先発を楽しみにしたい。
 試合の入りはとても重要になるが何とか先制点を取れるように動いていきたい。勝利を願っている

チェコ戦(3月11日19:00~)

 チェコは世界ランキングで15位の国だ。世界ランクの捉え方は難しいが、しっかりWBCを目指せる位置にいると言って差し支えないか。プレミア12参加を目標にしているようで、その目標にも近づいてきている。2023WBCの予選では、敗者復活組に回りながら通過候補のドイツやスペインに勝って本戦出場を決めた。
 スペインに最初負けた時はどうなることかと思ったが、フランス、ドイツ、スペインと力のある国々を敗者復活で退けての通過でダークホースになり得る。
 チェコはメンバーの大半が自国リーグ出身の選手でチームの結束は固い。軟投派の多かった予選Aリーグにおいて、しっかり打撃陣が振れていたのは印象的。
 投手では予選でも大車輪の活躍を見せたマレク・ミナリク、野手では正捕手をつとめたマーティン・セルヴェンカの二人がアメリカマイナーリーグの経験があり主力となる。予選で大活躍した外野手メンシクを始め、日本人の私が知らない選手も多いわけだが、東京でどんなプレーを見せるのか非常に楽しみである。

 正直、スペインナショナルチームのベルトレ、マルテという1・2番が激アツだったので東京で見たかったのだが結果は結果なのでチェコの戦いを楽しみにしつつ、日本ナショナルチームには危なげなく勝ち切ってもらいたい。

オーストラリア戦(3月12日19:00~)

 しばしば日本と練習試合をさせられるオーストラリアさん。
 今大会においても2022年11月に相手をさせられていた。9日と10日に札幌ドームを見納めるような形で練習試合を行った(札幌ドームは無くならないけれども)。
 第一戦を1-8,第二戦を0-9と大敗したオーストラリア。シーズン前であることを加味しても決していい結果とは言えない。ただ、日本代表の栗山監督も警戒していたが「オーストラリアが完膚なきまでに」というようには見えなかった。

 オーストラリア的には、ソーポルドアサートンの両エースが撃ち込まれた流れではあるが、日本打線を抑え込んだ投手もいる。
 9日の第一戦に登板した若手二人は日本打線を寄せ付けなかった。ニューンボーンドーランの二人は常時ストレートが150キロ前後を計測し、テンポの良い投球は新星の誕生を感じさせた。ニューンボーンは2021-22シーズンのオーストラリア新人王だが納得の投球だった。
 軟投派のベテランと速球派の若手をうまいコンビネーションで起用すれば、たとえ日本打線といえども簡単ではない。
 WBCはオーストラリア的にはシーズン後の開催となるがうまく疲労を回復させながら照準を合わせていけば、練習試合以上の状態で来日する可能性があり、非常に厄介な相手となる。

 打線の方は練習試合で上位打線を務めた選手が主軸で、これは変わらないと思われる。前回大会ヤクルトのデニングが四番を打っていたことが思い出されるが、練習試合を見る限り恐らく前回大会よりもレベルアップされているように思う。最少失点に抑えながら日本には勝ってほしい

 WBCの日程でいくと一次リーグ最終戦。オーストラリアは予選抜けをかけた戦いになるだろう。日本だって初戦の韓国戦で負けていれば賭した戦いになってしまう。展開によっては、オーストラリア戦は最大の山場になるかもしれない。

 (リアム・ヘンドリクス(CWS)のニュースは衝撃だった。元気に戻ってきて欲しいと切に思う。)

WBC2023で日本に課せられた責任

日本がベスト4までいかなければいけない理由①

 日本はベスト4までいかなければならない。なぜなら日本野球の現在地を知る必要があるからだ。「負けたら終わりの極限状態」とか「代表戦の重み」とか言い訳はたくさんあるが、一次リーグの相手は格下ばかりだ。
 日本が正真正銘の世界一になりたいのなら、アメリカやドミニカは当然として、ベネズエラやプエルトリコ、カナダやメキシコ、そしてコロンビアと中米の強豪チームを倒す必要がある。にもかかわらず、日本は彼らと練習試合をしていない。
 仮想敵を用意して強化試合をするのが普通なのに日本は全くというほど試合を出来ていないのだ。これでは日本がどの位置なのかわからない。
 動くボール対策をしないまま二大会連続ベスト4で負け、気付いたらMLBのトレンドはフォーシームになっているではないか!!!

 徐々にアジア側のラウンドにもオランダやイタリアといった中堅国も参加してくれるようになり、グループリーグのレベルは上がってきたがまだまだ物足りない。そもそも日本はオランダを倒して「強い強い!」と言っている立場か????

 WBCでは優勝二回にベスト4二回。正真正銘の強豪国だ。いつまで中国と試合をしているのだろうか。アメリカ大陸側のラウンドを勝ち上がるチームに対して、日本がどれだけやれるかが凄く大事なのである。
 日本はNPBというレベルの高い自国リーグを持ち、市場規模も決して小さくない。それゆえみんながみんなメジャーへ挑戦する環境ではない
 であれば、国際試合をもって自分たちのレベルを図りたい。強豪国とやれるなら、結果だけでなく内容を精査する事が出来る。第三回でプエルトリコ、第四回でアメリカに辛酸をなめたのならば、その壁を超えるように動かねばいつまで経っても日本はWBCで勝てない。
 イチローが2006年に記者会見で語った「向こう30年勝てないと思わせるくらいに勝ちたい」の言葉。2023年の今、実践できていますか???

 8月に書いた記事の中で私は「もはやWBCは勝つための大会ではなくなった。日本野球が再起をかけるために、必要な材料を集めるための大会にしてほしい。」と書いた。そのくらいベスト4で敗退した際の試合は苦しかったのだ。
 小雨の中行われたアメリカ戦。ロアークの動く球に日本打線は撫でるようなスイングを繰り返し、僅か散発4安打で負けた。大事なのは菊池が打球を弾いた事でも松田が落とした事でもないのではないか。
 4年に1度の機会かもしれないが、野球界にとって大切にしてほしい試合だ。

日本がベスト4までいかなければいけない理由②

 日本はベスト4、トーナメントの最後に名前を連ねなければいけない。
 ローンデポ・パークで行われる決勝ラウンドでトーナメント上、アメリカ大陸の強豪と肩を並べたいのだ。それはなぜか。
 WBC2023は【トラウトの大会だから】である。もっと言えば【トラウトVS大谷の大会】なのだ。トラウトの辞退も可能性はあるので予断は許さないが、アメリカナショナルチームのキャプテンを務め、選手のリクルートも買って出たトラウトは今大会のまさしく主人公だ。
 世界最高と言われるマイク・トラウトがシーズン中対戦できない選手が大谷翔平であり、その対戦を見られるかもしれないのがこのWBCなのである。
 日本には大谷翔平をアメリカに連れていく義務がある。アメリカ大陸側のグループに対して、ベスト4まで来て大谷と戦えと、そうしなければこの大会に借りを作る。
 「アジアの国もベスト4にいるぞ」「大谷を擁してここまで来たぞ」その証明が今大会是が非でも欲しい。トーナメント表に名を残したい。残して欲しい
 前回大会はイスラエルがかき回したり、プエルトリコが活躍したりアメリカ優勝の中、色々な国が爪痕を残した。私はプエルトリコが主人公だったとさえ思っている。モリーナのキャプテンC、バエズのタッチ、コレアのファインプレー、ディアスVSバレンティン。熱かった。

 大きな盛り上がりを見せるWBC2023で二刀流のユニコーンが戦う姿を全世界の野球ファンが楽しみにしている。日本は勿論、チーム一丸となりこのトーナメントの主人公になって欲しい。

プールB結果予想

 八月に予想したのと大きく変わらない。
一位抜け・日本
二位抜け・韓国
三位オーストラリア、四位チェコ共和国、五位中国


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