ゲームで見る野球シーズン2020④ートレードー
チームを強化する方法の中で、大きな三本柱がある。
FA補強や外国人補強(市場に出ている選手を獲得する)
ドラフトからなる若手の育成
他球団とのトレード
それが以上の3つ。今回はこのうち3つめのトレードについて書いていく。2019オフから2020TDLまでの期間で、GMとして行った動きからそのトレードが成功だったのかを分析したい。
これはオフの動きをまとめた記事。三人のトレードを敢行。
こちらではグリエルJRをTDLで獲得したという記事。
2020シーズンはオフから6件のトレードを成立させている。シーズンに入ると打診してから成立まで一週間以上時間を有するので、積極的に動くにしても物理的に時間の問題もある。
以下4件目のトレードは6月16日。5件目は6月30日、6件目は7月14日。7月30日の期限までに成立させようと早めに動いている。
リーグが異なるチームの方が良いと思われ、加えてBクラスのチームがトレードの形だと思っていた。結果阪神と横浜共に二件成立と、少し偏りが出てしまった。
一件目のトレードから見ていきたい。
一件目
トレードの意図
継続して活躍できる先発は希少な事から、相手打線を支配できる投手を探していた。リベロの状態が上がらなかったので、トレードのタイミングとしても申し分ない。リベロ自身の復活は当然考えられるのでトレードしなくてもいい、わけだがロッテには西野益田といったセットアッパーもいるので、総合的な戦力は大きくマイナスしないだろうと考えていた。
トレードの結果
両選手とも期待通りの活躍を見せた。セットアッパーを補強した阪神は惜しくも三位に終わったが、セリーグで一番継投起用を試みた阪神において、ブルペンを支える一人になった。
二件目
トレードの意図
球速を有する中継ぎを求めてトレードを画策。戦力外から拾ったものの、出番を作りにくかった久古と、余剰戦力だった清田をトレード対象とした。
画像では球威がEとなっているがオフを超えて今期はDだった。
トレードの結果
酷いトレードになった。土田に出番はなく久古にも出番はない。思ったより清田が長打を放っていたが、巨人軍にとって足しになるレベルでも無い気がする。そもそも外野手はどこも溢れているような状態であった。
三件目
トレードの意図
松永を売っている身でアレなのだが、左の中継ぎは欲しかった。売りに出した三人はロッテでは機会が少なかった選手。これだけ出さないとタナケンが取れないのか・・・と思った記憶はあるが足元を見られたかね。
トレードの結果
井上は若手の積極起用など厳しいチーム事情の中で最低限の数字を残した。今期の横浜は岩本や井上といった長打力のある中堅がうまく機能していた印象。Aクラスには入れなかったが今後に期待が持てるチームを作れたのも、こういった中堅の仕事が大きい。
タナケンは次第点の成績、途中打ち込まれて防御率は悪化したがある程度の成績にはなっただろう。whipはバグっている。
四件目
トレードの意図
シーズンが開幕してから、レギュラー予定の2選手が不調とチームの計画が崩れてしまっていた。そのため、外野を守れる選手を探した。
6月16日という早い段階ではあったが、動くなら早い方がいい。
当初荒波を獲得するつもりだったが、横浜側が出放さなかったため梶谷で妥協。対左では全く期待が出来ないが、走力も武器になるので獲得を目指した。中島は横浜の弱点を埋める存在になりうると共に、飽和気味の内野手を整理できるという意味もあった。
トレードの結果
横浜時代を差し引けば梶谷の打撃成績はそこまで悪くない。移籍後一軍の機会は来たが、ロッテの外野も激戦区で継続した起用は出来なかった。平均クラスにライトが守れる点と走力はロッテでも貴重で、来年度またレギュラー奪取戦線に加われそう。
中島の方は課題の打力が足を引っ張った。右投手については対応できる能力は持ち合わせてはいるものの、少し寂しい数字だった。
五件目
トレードの意図
トレード成立は6月30日で、その時点で一軍の試合に出ていなかった選手の放出。三木や脇本は別として、松永にはチームも救ってもらっていたので決断のトレード。藤岡の本格的な中継ぎ転向もこのトレードには影響。
松永ーグリエルのトレードにパッケージとして加えた形。少々高くついたと当時感じていたものの、グリエルは終盤良い活躍をした。当時は三木を放出する事に不安もあったが、シーズンが終わってみれば耐えている。
トレードの結果
先に貼った記事で、このトレードについてこう書いた。
結果はまだ出ていない。松永は大活躍をしたので、ソフトバンク側もアリだったか。
六件目
トレードの意図
中日ドラゴンズが阿部を放出したタイミングに私もこのトレードを行った。いや、まあおふざけというわけではない。
涌井秀章という選手は先発志向の強い選手だ。ロッテでは中継ぎに回るケースも多く。スウィングマンやセットアップなど多様な中継ぎ戦略の中に組み込まれている期間も長い。ここ数年、若手投手の育成に励んでいるロッテでは出番が減る一方であった。
竹島は12球団プロスペクトランキング16位、球団内プロスペクトランキング1位の二年目左腕。一軍での初先発も済ませていたタイミング。
トッププロスペクトには申し訳ないが、キレるスライダーに私は目を付け新しい中継ぎ左腕のエースになる素材ではないかと獲得を目指した。
内野のバックアップ要員にもなる北條を、これはまあ私くらいの年齢にとってはスターだからでもあるが獲得。ゲーム内では好き勝手出来る。
トレードの結果
竹島はロッテでは登板無し。代わりにスライダーの球威を上げていった。
北條は2試合のみ。ただ出た試合では良い働きをみせ、いわゆるロッテで勃発していくサード争いに入っていく存在になるだろう。
涌井は可もなく不可もなく。プレーオフ圏外の阪神タイガースではなかなかギアも入らなかったか。ロッテ時代と比べ成績を上げることはできていない。
総括
なんといっても藤浪晋太郎の活躍だ。石川歩に続く先発の柱が出来たことでチームは安定した。
そしてもう一つの目玉はグリエルJR。シーズンでは本来彼の力が発揮できる程機会が多かったとは思っていないが、ポストシーズンにかけては充分な働きを見せている。
クライマックスシリーズでは膠着した試合展開を動かすホームランがあり、日本シリーズでも安定した成績でチームに貢献。
これだけの活躍ならば、元は取れたというべきだろう。
涌井や松永という計算できるベテランを放出した痛みがわかるのは後数年たたなければわからないかもしれない。ただ、なるべく若手を獲得したり、使える大物を獲得するトレードは、チームを活性化させた。
この姿勢を崩さず、これからもやっていきたい。