プロスピを振り返る野球シーズン2022②ー投手
四度目を迎えたゲームの振り返り。投手編を並べていく。
➀では鶴井秀人を単体でまとめた。完全試合を達成したので単体でまとめたが、一年通しては不完全燃焼に終わっている。
チームの戦力となったのは鶴井というよりは、もっと新しい選手達であったのは言うまでもない。
2022福浦ロッテ・投手シーズンデータ
先発投手
石川 歩(34)
23試合 4.16 9勝11敗 160回 171奪三振 1.39(WHIP)
岩佐 幸博(21)
22試合 4.40 10勝6敗 131回 133奪三振 1.50
野村 祐輔(33)
12試合 4.36 3勝4敗 74.1回 74奪三振 1.36
大瀬良 大地(31)
7試合 5.15 2勝3敗 43.2回 31奪三振 1.47
野元 政隆(29)
25試合 2.87 10勝7敗 166回 134奪三振 1.40
大谷 智久(37)
10試合 1.65 7勝1敗 71回 51奪三振 1.07
田口 麗斗(27)
5試合 2.22 3勝1敗1HP1S 28.1回 29奪三振 1.02
鶴井 秀人(31)
9試合 6.44 2勝5敗 50.1回 32奪三振 1.61
羽鳥 英俊(26)
15試合 3.13 10勝4敗1HP0S 100.2回 102奪三振 1.17
小原 龍司(18)
12試合 5.07 2勝6敗 65.2回 35奪三振 1.64
板垣 憲人(21)
1試合 10.80 0勝1敗 5回 3奪三振 2.40
藤澤 敏浩(20)
1試合 0.00 0勝0敗1回 1奪三振 0.00
リリーフ
公文 克彦(30)
32試合 2.25 1勝1敗10HP1S 20回 9奪三振 1.35
石川 直也(26)
37試合 4.13 2勝0敗11HP0S 32.2回 34奪三振 1.41
今野 龍太(27)
6試合 23.40 0勝0敗1HP0S 5回 2奪三振 3.60
戸谷 茂幸(26)
13試合 6.43 0勝0敗0HP0S 21回 15奪三振 1.90
中崎 翔太(30)
17試合 3.48 1勝1敗2HP0S 20.2回 20奪三振 1.31
西野 勇士(31)
56試合 2.17 1勝3敗37HP0S 49.2回 69奪三振 0.95
益田 直也(33)
54試合 1.86 5勝2敗10HP35S 53.1回 49奪三振 1.16
藤岡 貴裕(33)
35試合 3.04 2勝1敗10HP1S 50.1回 46奪三振 1.45
南 昌輝(33)
54試合 1.64 3勝0敗23HP1S 44回 54奪三振 1.25
中後 悠平(33)
26試合 6.55 0勝2敗3HP1S 22回 17奪三振 1.59
竹島 亮平(26)
28試合 6.39 0勝2敗10HP0S 25.1回 18奪三振 1.66
小野 郁(26)
3試合 5.40 0勝0敗0HP0S 3.1回 2奪三振 2.10
内 竜也(37)
37試合 3.49 1勝1敗12HP0S 28.1回 30奪三振 1.52
根岸 達郎(18)
9試合 5.59 2勝0敗4HP1S 9.2回 6奪三振 1.86
一軍未出場
田中英祐(30)、土田瑞起(32)、山中浩史(37)
内山憲人(20)、沢成樹(32)
先発投手編
先発ローテーションについて
今シーズンは12名が先発登板。一年間チームを回しながら四枠程は通して固定できている。
GMは今シーズンに入るにあたり「意図的に先発陣に穴を作る」とコメントしている通り、シーズン13勝154.1イニングを投げた江少慶をメジャーに送り出し(妄想)、FAとなっていた13勝173イニングを投げた藤浪晋太郎にも、クオリファイング・オファー程度の金額しか提示しない形で引き留めなかった。すべてはドラフトで集めてきたプロスペクトのためである。
開幕投手を務めた石川歩に、昨シーズン後半戦で一定の投球をした野元を連ね、後は野村祐輔や大瀬良といった中堅が開幕ローテ入り。若手を使うチーム方針から外れたような出だしではあるが、高卒三年目の岩佐が開幕カードで起用されたのに加え、ドラ1ルーキーの小原も、春先裏ローテに名前を連ねた。
小原は夏場、投球のキレが落ちたためファームで調整したが、高卒一年目で12試合に先発は素晴らしい活躍だった。
躍進を見せたのは岩佐である。
毎年大きな期待を受けていた球団内3位のプロスペクト。落ちる球の精度が向上し、ストレートも上々。高校時代からあったスタミナもプロでしっかり通用した。
着実にステップアップした末の新人王。エースの階段を登り始めた。若手起用のチーム方針と合致し、今年の象徴ともいえよう。2015から数えてチームから投手の新人王が出たのは初めて。来季、規定投球回はノルマである。
若手先発陣
岩佐幸博が一皮むけたと先述したが、勿論岩佐だけではない。田口麗斗、羽鳥英俊の二名も今年がターニングポイントとなるべき選手である。
絶対に出てこなければいけなかった投手と昨シーズンGMから言われた田口は、出番こそ消化試合中ではあったものの安定感を見せ、ポストシーズンでは戦力に。苦しむ中堅の穴を埋め、来シーズンへ期待感を持たせた。
オフに高濱卓也とのトレードで巨人から移籍した剛腕投手。これだけのスペックがありながらなぜか一軍登板が無いままだった。横の小さい変化と縦の大きな変化という、千葉ロッテ投手陣では模範が沢山いるタイプで、先輩を参考にローテ入り。途中離脱はありつつもポストシーズンまで一年を完走し、来季は開幕投手さえも狙える位置につけた。
五月ごろの投手運用がもう少しうまくいけば規定投球回も狙えたので、そこは編成は反省しているが羽鳥のプロデビューは順調に来ている。
中堅どころが割を食う2022
毎年割を食うと私が言い続けている中堅。今回も如実である。開幕ローテ入りした野村と大瀬良の登板試合数はまたも伸びず。大瀬良に至っては後半戦一度も出番は回ってこなかった。
登板が一試合もなかった田中英祐も先発組である。
Max155を数える速球を活かすべく、中継ぎも経験したが来期はどう勝負すればよいか。なかなか難しい立場となった。
QS率
毎度おなじみQS率での分析。
大谷智久の指標は昨年よりも更に良化。野元も大きく数字を上げた。この数字を見ればわかるが、石川歩の投球内容も決して悪かったわけではない。大瀬良や野村も試合は作っていた。ゲームメイクの能力がとりあえず野村を12試合投げさせた要因にはなるのだが、最大で6つしかない枠の取り合いは激化しているということだろう。
BABIPちょっと計算したが野元のBABIPは.403だった。被打率が三割を超えるゲームの下手さなので仕方ないか。与四球率の異常な低さがWHIPをぼちぼちに見せている。
中継ぎ投手編
勝ちパターンについて
勝ちパターンは例年通りの選手が務めた。益田、西野の二名が抑えとセットアップを務めている。
昨シーズンのnoteでは内山憲人を新戦力の一人に数えられていたが今シーズンは登板0。若手枠は少なめのリリーフ陣となっていた。
そんな中七回の男として南昌輝が帰ってきた。
チーム状況で登板機会が減っていたリリーバーが帰ってきた。キャリアハイとも言える内容で、進化も感じられる。被打率は.294を数えるも得点圏での被打率が.205とハイレバレッジなシチュエーションで結果を出した。やはりリリーフはこれが大事だろう。
西野も全体の被打率は.218とチームの中でも良かったのだが、得点圏被打率は平時を大きく上回る.167とした。ちなみに益田も得点圏被打率は.179。勝ちパターンはそれぞれが価値ある投球を続けていた。
南の奪三振率は11.05、西野の奪三振率も12.50。間違いを起こさない投球でチームの勝利に貢献。やはり守備力に影響されない、バットにかすらせないピッチングが素晴らしかった。
中堅どころはどうだったのか
30代が勝ちパターンを務めるチームの中で一軍にしがみつく中継ぎは少ないかもしれない。30代のリリーバーとしては、公文、中崎、藤岡、中後、内といる。左打者相手を主戦場とする左投手は別の項で記すので、中崎、藤岡、内の三名をここでは見ていく。
移籍二年目の中崎翔太はかなりの期待を受けていた。シーズン中盤から出番が増えていたが、怪我等で数字を残せず。スペックは評価されておりポストシーズンでも登板したが、本人はまだやれたという気持ちだろう。
毎年安定感を見せる大ベテラン。来期も戦力として考えたい選手である。
2016年から見て40試合を越える登板は無いが、今年の12HPは2019以来の二桁HP。衰えない奪三振率はキレのあるストレートと縦のスライダーが生んでいたが流石に年齢もあって能力は落ちてきた。37試合あった登板数は減る事が予想されるし、減っていくのが自然なのかもしれない。
次に登板数を大幅に増やした中堅、藤岡貴裕。
オープナー、先発、中継ぎと全てで仕事をし、勝利に貢献。こういった力がありながらロングを投げられ投手は貴重で、運用が楽になる。
ブルペンの若手
10代20代前半の若手はリリーバーには少ない。なので今シーズン26歳を迎えている油の乗った選手たちについて見ていきたい。彼らはここ数年勝ちパターンに組み込まれて欲しいと思われてきた選手である。
石川直也、今野、戸谷の三投手は開幕を一軍で迎えたリリーバー。石川直也は37試合に登板し11HPをマークするも今野と戸谷は寂しい数字。特に今野はぶっ壊れたかのようだ。
投げるボールが悉く痛打される様が痛々しかった。スピードは出ているので、変化球とのコンビネーションなどを再構築する必要がある。
ブルペンでは高卒一年目の根岸達郎が消化試合の時期から一軍登録。連投などは避けつつ9試合に登板。野手の緩慢なプレーなどがあってこの防御率だが、数字以上に抑えていた印象がある。スカウト時は球速をかなり意識したが、それも想像以上に投げ込めた。プレーオフの戦力にもなった、来季楽しみな選手。
ブルペンの左右比率
次に、ブルペンの左右比率について。左右は特段注目しなくていい所だが、左打者を抑える事を生業とする選手がいるのもまた事実。
公文、中後、竹島の三投手はそういった変則タイプである。
相手打者のレベルが上がっているのは確かだが、苦しい登板も多かった左の中継ぎ陣。彼らは来期が勝負となる。
ピッチングプラン
ここでは配球について画像を並べていく。それぞれの投手やプレイヤーである私の癖がわかるというもの。
1.野元政隆・投球割合
2.石川歩・投球割合
3.大谷智久・投球割合
4.岩佐幸博・投球割合
5.小原龍司・投球割合
6.羽鳥英俊・投球割合
7.田口麗斗・投球割合
投手陣総括
若手起用の方針を打ち出した今期は、先発陣で一定の成果を得た。中継ぎ陣は専門職なので若手をすぐに起用できるポジションではないが、少しずつ策を講じていく必要がある。
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