プロスピを振り返る野球シーズン2022⑩ー球団内プロスペクト
2021でも書いたのと同様、球団内プロスペクトランキングを。
プロスペクトの候補
投手(7名)
芥川秀昭(24),根岸達郎(19),小原龍司(19),藤澤敏浩(21)
内山憲人(21),板垣憲人(22),堀口雅規(21)
野手(捕手4名,内野5名,外野5名)
奥脇克己(25),工藤順(24),西垣俊之(18),浅井康司(26)
河野剛裕(22),鎌田智規(25),巽博文(19),竹下純三(21)
白川浩也(22),梶原敦志(20),喜多友也(22),恭介(西浦恭介)(23)
柴田勇(19),朝倉祐貴(26)
昨年度のプロスペクト達
昨年度のプロスペクトランキングから大きな活躍をしたのは三名。
球団内No.3の岩佐幸博とNo.7の高木貴幸、No.10の丸山和史である。
投手トップ評価だった岩佐幸博は開幕ローテに入り、大きな離脱無く一年間投げ切った。131イニングを投げ防御率4.40で10勝6敗、新人王に輝いた。防御率はこの数字でもERA+99と合格点でFIP3.88も悪くない。奪三振率9.14のピッチングスタイルも、近年の流行に乗っ取った素晴らしいものだった。
捕手として大成するならとNo.7に付けた高木貴幸は一塁手や指名打者で試合に出場しながら76試合に出場。wRC+123を記録するOPS.826を叩き出して、バッティングで通用することを証明した。捕手としては残れなさそうだが、打撃で価値を生めそうだ。
No.10の丸山和史は開幕こそベンチスタートもキャリアハイの試合数。63試合に出場し、新人王資格も失った。打率.235、OPS.531とトッププロスペクトだった選手としては物足りないが、14盗塁を記録し守備面での評価も上々。wRC+41にBB%.020、K%.235と改善が必要なアプローチ面はありつつ、キャリアハイだったことに変わりはない。
他に、プロスペクトから外れたのは戸谷、竹島の両投手だが、二人は思うような成績を残すことは出来なかった。2023シーズンに巻き返したい。
それではそして21名もいるプロスペクトのランキングを考えていく。
(オリオールズかよって)
球団内プロスペクトランキング
No.1河野剛裕
昨年のプロスペクトランキングでも球団内一位に位置付けられた逸材。身体も全体的に大きくなり、攻守ともに確実性はアップ。いよいよデビューが待ち遠しい。昨シーズンは11試合に一軍出場し、37打数で1本塁打。2021シーズンと比べ出場機会を増やすことは出来なかったが、その要因はやはり守備。本職はセカンドだがサードでの起用も視野に入れて鍛えたい。
No.2芥川秀昭
2022秋ドラフト二巡目指名。ランキングに即ランクイン。社会人で鍛えた力のあるストレートとスライダーのコンビネーションで先発ローテを狙う。同じようなタイプとしては藤岡貴裕が挙げられ、参考にしながら成長したい。
No.3小原龍司
プロ二年目を迎えるドラフト一位。2022は高卒新人ながら12試合に先発した。65.2回を投げ防御率は5.07で35奪三振。春先は好投が続くも夏場に状態を崩した。勿論一年目では投げられたことで十分であり初勝利もあげたのは出色と言う他ない。2023シーズンにも期待したい。
No.4喜多友也
トレードで2022シーズンに加入した外野手。安定した守備面は勿論、ロッテ加入後は打席でも見せた。17打数4安打もライトへ流してのホームランを見せ、一気にトッププロスペクトに。ライトのレギュラーは淺間や長内などまだ若い実力派が占めるが、そこに割って入るだけの能力がある。
No.5竹下純三
一年前球団内No.8だった竹下はNo.5の位置づけに。2022シーズンは出番こそなかったが、打撃面は間違いなくステップアップしている。特に持ち前の長打力は開花している。木製バットも克服し、計画よりも早く一軍に定着するかもしれない。
No.6白川浩也
一方で白川は一年前は球団内二位だっただけに足踏みが続いている。
大きな期待が寄せられた三年目。川崎宗則の座を脅かす存在として取り上げられていたものの、打撃が振るわず。守備走塁だけでなく打てるところを見せた二年目だっただけに、三年目は惜しいシーズンとなった。
地方球場で初本塁打を放つと、本拠地でも二本目を放ちパワーもファンに見せつけた。四年目はすべてを結実させる。
No.7巽博文
根元スカウトが惚れ込んだ素材。高校生としてはという但し書きは付くが未来に期待が持てる。川崎の後継を求めるロッテフロントは彼に一位指名のチケットを使った。スケール大きく育てたい。
No.8根岸達郎
2021ドラフト二位の高卒投手。シーズン後半から一軍を経験し、初セーブも記録。その球速と決め球のスライダーに秘めた可能性を見せてくれた。
圧巻だったのはポストシーズンで、7試合に登板(連投は0)すると6イニングを投げて防御率は1.50。whipも1.17と抑え込みセ・リーグ優勝チームやパ・リーグの上位チームに対しても通用した。
2023シーズンは開幕から一軍に入る予定で、試合を締める役割を担う。
No.9恭介(西浦恭介)
2022ドラフト五巡目指名(全体41位)。この巡目まで残っていたのはサプライズだとGMがコメントした通り、非凡なものを見せている。パワーある打撃は大学野球で培ってきたものをそのままに、一年目からプロで通用する可能性がある。シーズンでは優先度高くコールアップされる予定となっており、二軍でイメージを掴みつつ是非一軍での姿を見たい。
No.10朝倉祐貴
昨春は5位につけていたが少しトーンダウン。そうはいっても守備走塁はより磨きがかかりいつでもコールアップしてくれという印象。2022シーズンは僅か3試合に2打席とあまりにもアピールの場が少なかったか。
同じタイプの岡田幸文や俊介が退団したことは出場機会の面ではプラスで、守備走塁のスペシャリストとしてはまごうことなき一番手となった。
当然打撃でもアピールしたい。
No.11奥脇克己
プロ一年目は2試合に出場し初安打もマーク。ただ二年目は一軍に上がる事はなかった。12位につけられていた昨春とランキングは同じくらいだが、違うのはチーム状況。正捕手争いをしていた田村がFAで退団し、江村もトレードで移籍。高木がバッティングで存在感を見せたが、守備面では課題があり一塁手メインとなりそう。これは奥脇にかけられている期待の大きさの表れであろう。
間違いなく小湊晋一が正捕手となる。だが、奥脇にも十分チャンスがあるという事だ。打席は左右で違うことも違いを生むアピールとなるだろう。
No.12内山憲人
首脳陣から期待を掛けられている三年目左腕。昨年のランキングでも9位に入っていた。一年目に一軍マウンドを経験すると二年目は地力を固め、勝負の三年目としたい。期待値と言う意味では下方修正がなされているが、Max152㌔の直球と鋭く変化するカット気味のスライダーは魅力で、2023シーズンはクローザーとも目されている。
No.13藤澤敏浩
プロ三年目、シーズン最終戦に一軍登板を果たし1イニングを0に抑えた。なかなかドラフト一位としては難しいシーズンを送っているが少しずつ成長も見せている。一軍に本格的にコールアップするのはまだ先は遠そうだが気長に待ちたいか。
No.14工藤順
大嶺祐太とのトレードで獲得した捕手プロスぺクト。捕手としての能力は一軍レベルで且つ両打という事で相手投手に縛られない存在。デビュー間近のプロスペクトだった。2023では優先的にコールアップされる予定で、その実力を一軍でも見られそうだ。
No.15柴田勇
全体28巡目指名の高卒外野手。スカウトが揃って評価した守備力は一定の評価をプロでも受けている。右打ちの外野手を求めるチームの中ではファームでかなり出番をもらえそうで、期待を持てそう。打撃面は全体的にレベルアップを必要とするが4年後に出てくることを一つの目標としたい。
No.16鎌田智規
8試合14試合と出場試合数は伸ばしている内野手。打撃がネックとなっていることから今期からは左打ちにも挑戦している。リーグトップレベルの守備力も、出場することが叶わなければ日の目を見ない。
このままでは一塁や外野の練習もしないといけなくなりそうなので、早い所一軍の居場所を何処か見つけたいが。
No.17梶原敦志
GMお気に入りの身体能力に優れた外野手。二年目は一軍にも出場したが10打数無安打、守備面でも課題を残し壁の高さを思い知らされた。
粗さの中に魅力を見るタイプは、長い目で見る必要があると共にモノになる可能性も低い。売りをどこに持っていくか、球団全体で考える必要も出てくるだろう。
No.18西垣俊之
全体40位でドラフト四位指名を受けた高校生捕手。持って生まれたポテンシャルには光るものをのぞかせる。捕手のプロスペクトを手厚く抱え込んだチームの中で一軍デビューはまだ先となりそうだが、来たる日に向けて準備は進めていきたい。実力ある先輩に続くべくファームシステムを駆け抜ける。
No.19板垣憲人
毎年1試合出番が来たと思ったら炎上している左腕プロスペクト。それはブルペンと実戦でパフォーマンスに乖離があるのが一番の要因。
綺麗なストレートを投げ込む姿にはオーラがあるものの、力強さや変化球には課題を残している。軟投派の少ないロースターでは参考に出来る投手も少なく、その点は苦労をしているかもしれない。
No.20堀口雅規
田村龍弘の人的補償としてヤクルトから移籍した中継ぎ右腕。まだ高卒四年目ということでプロスペクト。珍しい軟投派タイプで、ロースターでは新鮮な存在。次代の中継ぎが不足しているチームでは、フロントがヤクルトからリストをもらってすぐ決めたという。
久保裕也コーチの指導でどれくらい大きな存在になれるか。
No.21浅井康司
苦労をしている二年目捕手。彼が加入した時と比べ、ロースターは一年で大きく変化。捕手能力のある選手が多く存在し、優先順位は厳しいものに。
それでも捕手は難しいポジションであり、替えが効かない。ある程度のパフォーマンスを発揮できれば出番は必ず回ってくる。
2023シーズンにおけるプロスペクト
21名のプロスペクトをポジション別に分けてみる。
バランスよくプロスペクトが揃っている。右打者に拘った結果その点は少しアンバランスだが、ロースター全体で考えると均等になっている。
年度内でのコールアップは
今シーズン中にコールアップする可能性が高い選手はいるか。
先発投手では、昨年一軍を経験した小原と新人の芥川、リリーフでは内山と根岸に大きな期待がかけられている。
捕手では奥脇、工藤の両名は開幕ロースター入りを狙えそう。
野手は10名いるが、主に守備要員で呼ばれそうな鎌田と朝倉を除けば、河野、喜多、西浦恭介の三名がスターティングメンバ―候補で呼ばれるだろう。
このランキングのうち半分はコールアップされる予定で、フレッシュなチームへと生まれ変わる過渡期を編成本部として楽しんでいきたい。