【Astrea: Six-Sided Oracles】レビュー・感想
私は、「Slay The Spire」を何百時間とプレイしています。
今回はそのライク作品として気になっていたゲームをプレイしてみました。
総合評価は……【6】です。(10段階中)
以下に理由を綴ります。
■良かった点
〇グラフィックやアニメーションのクオリティが高い
このゲームには敵も含めてそれなりの数のキャラクターがいますが、
それら全てが質の高いグラフィックとアニメーションで動いています。
単純に見栄えが良いです。
〇新規性のあるバトルシステム
プレイヤーは「浄化」によって自身の回復や敵への攻撃を行うことができるが、同時に「堕落」によって自身へのダメージや敵の回復を行わなければならない…というもの。
この「浄化」と「堕落」をうまく使いこなして戦闘を有利に進めていくバトルシステムは、複雑ですが新鮮でした。
■悪かった点
〇翻訳の精度が低い
デッキ構築型ゲームにおいて、カードやレリック(このゲームではダイスと祝福)の正確な解説は重要です。テキストに少しの誤りがあるだけで解釈が異なってしまうためです。
このゲームは翻訳の精度が微妙なため、実際の効果とテキストに相違があったり、そもそもテキストが日本語の文章として成立しておらず、挙動が分からないため、そもそもそのダイス・祝福を使おうと思えない。といった状況も多くありました。
「たくさんのビルドを試したい」という欲求はリプレイに繋がる重要な要素ですが、低品質な翻訳によってそれが阻害されています。
〇システムやUIがごちゃついている
HPが一定以下になることで発動可能になる「徳義」や敵が堕落を受けるたびに進行する「絶対堕落ゲージ」などはこのゲームの重要なシステムですが、(翻訳精度が悪いこともあり)説明が不十分なため理解するのに時間がかかりました。
ダイスの効果も視覚的に分かり辛いです。敵や自分のダイスやバフ効果などをいちいちマウスオーバーで確認する作業はさすがに手間ですし、ダイスデッキはスクロールできず2・3ページをクリックでページ送りする仕様も手間だと感じました。
センチネル強化画面も分かりにくい…
今表示されているのは強化前なのか、強化後なのか?
〇起伏の少ないゲーム体験
全体的にリプレイしたいと思えないゲーム体験だと感じました。
理由としては以下の通りです。
【ボスやダイスの種類が少ない】
各ステージにボスは2種類しか存在しません。
何度も繰り返すことになるローグライクにおいて、コンテンツの豊富さは
重要です。種類が乏しければ変わり映えのしないプレイ体験に繋がります。
【マップのマスの役割が重複しており、配置も画一的】
マスの役割が重複しているため、下位互換のマスに移動する価値が
薄れています。マスの配置もほぼ固定されており、プレイヤーの選択の
自由度が制限されているように感じます。
【デッキ完成までが早すぎる】
ダイスを入手する機会が多く、ショップで手軽にダイスの削除も行えるため、1、2ステージ目でデッキが完成することはよくあります。
あまり早い段階で勝ち確状態になってしまうと、その後のプレイが消化試合になってしまうので、退屈なプレイだと感じやすいです。
こうなるとダイスを拾う必要性が薄いので、お金が拾えるマスばかりに
移動することになります。ランダム性のない"お金マス"に移動し続ける
プレイには、広がりを感じません。
■総評
「つまらないわけではないが、特別な面白さは無い凡ゲー」
といった印象。
プレイ感の確認のために3キャラで1回ずつクリアしましたが、
これより圧倒的に面白いSlayライクゲームは他にもあるので、
わざわざこのゲームに時間を溶かす必要はないよなぁというのが
率直な感想です。
■その他 細かい所感
・最初の世界観説明パートの横文字ラッシュでたいぶ辟易した。
・ダイスゲーなので運要素が強いのかな?と思っていたが、
セーフダイスを多く絡めながら安全に使える状況でのみリスキーダイスを取得する、といったプレイが基本な、割と堅実なゲームなようにも思える。
・徳義を使うために自分のHPをギリギリまで削るプレイを想定されている
ように感じるが「ごちゃついた画面の中に隠れていた敵の特性やレリックに
よってダメージを余分に受けてゲームオーバー」ということはたまにある。
これはまぁ私が悪いんだけど…納得感は無い。
・主人公サメのアッパーカートみたいなダイスは明らかに調整ミス。
「3程度のダメージを与えて、条件を満たせば2ドローする」
というものだが、あまりにも簡単にループができてしまう
・勝ち確状態になるのが簡単すぎて、未だにラスボスが何してくるのか
分かっていない。