話を聞くときの共感力を高める方法
今回は、会話のキャッチボールにおいて「共感力」を高める方法について書いてみたいと思います。
聞き手に求めてる多くは「共感」
会話において、相手の「言葉の裏にある目的」を理解することが非常に重要である、という話をこれまでにもしてきました。このnoteの【会話分析】シリーズで会話のトラブルを分析していますが、「相手の言葉の裏にある目的」で最も多いのは、共感だと思います。そのため、会話を楽しむには、共感力を高めることが不可欠だと考えます。
会話がうまくいかない人は「共感力が足りない」
裏を返せば、何か話してて嫌な気持ちになる人、会話が上手くいかない人は「共感力が足りない」と言えるのではないでしょうか。共感力を磨いていないというのは、テストで頻出問題の対策をしていないようなものだと思います。
ゲームを思いついた
このように考えていくうちに、共感力を高めるための「ゲーム」を思いつきました。これは実績に基づいたものではなく、私の妄想に過ぎませんが、もし興味があればぜひチェックしてみてください。
共感力を高めるためのゲーム
まず、参加者を「話し手」と「聞き手」の2つのグループに分けます。
話し手の役割
話し手は、あらかじめ用意されたテーマに基づいて話をします。テーマは以下のように、喜怒哀楽に関するものです。
話し手が話す際、どのテーマについて話しているかは聞き手には伝えません。
聞き手の役割
聞き手は、話し手の話の内容に対して喜怒哀楽を表現する言葉を使って共感を示します。例えば、以下のようなフレーズを使用します。あまり、棒読みすぎると不自然なので、言い方を工夫するのはありです。
評価ポイント
聞き手は以下の3つの点で評価されます。
自分の意見や感想を言わないこと
共感力のトレーニングとして、聞き手は自分の意見を控え、あくまで話し手の感情にフォーカスすることが求められます。話し手のテーマを当てられるかどうか
聞き手は、話し手がどの感情を抱いているのかを言葉から読み取り、それに適した共感を示すことが試されます。例えば、楽しい出来事を話しているのなら、「とっても楽しかったんだね」など。話し手の感情を適切な言葉で表現できるかどうか
「それは辛かったね」などのフレーズを使い、話し手の感情に共感し寄り添うことが重要です。アドバイスなど余計な言葉は入れず、相手の感情を表す言葉で共感を示すのがポイントです。
なぜこのチェックポイントが重要なのか?
このゲームでは、話し手が抱いている感情を正確に理解し、それに対して適切に共感することが求められます。たとえ話し手の体験が自分には楽しいものに見えたとしても、話し手が「辛かった」と話しているならば、「それは辛かったね」と返すことが大切です。重要なのは、相手の感情を的確に読み取り、それに応じた共感をする力を養うことです。
また、聞き手が自分の意見や解決策をすぐに提示しないように、「意見や感想を一切述べない」というルールを設けています。これにより、相手の話に集中し、真摯に耳を傾けることができるようになります。
最後に、「それは、辛いね。」など、話し手の喜怒哀楽を言葉で表現することで、相手の「言葉の裏にある目的」を正確に理解していることを示します。多くの場合、共感を求める相手の言葉の裏には感情が隠れています。その感情を言葉で表現できるということは、相手の言葉の裏にある目的を読取る力がある、ということだと思います。
これはあくまで私の妄想ですが、ゲーム感覚で楽しく共感力を身につけられたら面白いかなと思い、書き起こしてみました。
共感に必要なもの
重複しますが、話してて嫌な気持ちになる人、会話が上手くいかない人は「共感力が足りない」と感じます。共感力を高めることは、楽しい会話を生み出すために非常に大切です。何らかの形でこの力を身に付ける方法を模索していければ、より良いコミュニケーションが築けるのではないでしょうか。
共感と同調は区別する
ここまで共感について書いてきましたが、共感と同調を区別しておくことが重要です。たとえば、友達が悲しんでいるとき、「悲しい気持ちはよくわかるよ。つらいね。」と言うのは共感です。一方、「それはひどいね。私もあなたの言う通りだと思う。」と相手に同意して話に合わせるのが同調です。このように、共感は感情の共有に焦点を当てており、同調は意見や態度の一致に焦点を当てています。
相手の話を聞いて共感するというのは、自分の意見を相手に合わせることではなく、相手の気持ちを理解し受け止めることです。この点を誤解すると、苦しくなってしまいます。そのため、共感と同調の違いをしっかり理解しておくことが大切です。