セキセイインコの健康診断について

今日、生後3ヶ月、家族になって2ヶ月のセキセイインコの健康診断に行きました。この件に関して感じたことを書き残したいと思います。
私自身のセキセイインコの飼育経験は、約30年ほど前に1度だけ。その当時はペットという存在に対するあらゆる事柄が今とは全く違う時代だったでしょうし、そもそも自分自身が子供だったため、飼育に関してはほぼ無知でした。ただ、可愛いという記憶と、ゲージに入れて餌を入れて、たまに掃除して、たまに放鳥して、という、今の時代からするとかなりズボラな飼育でした。動物病院に行ったのは迎え入れてすぐ誤って怪我をさせてしまったときだけでしたし、餌の栄養がどうだとか、飼育温度がどうだとか、あまり考えていなかったと思います。
その子は結局ありがちな飼育事故によって最後まで育ててあげることができず、ただただものすごく可愛かった思い出と、悲しいお別れとなった記憶として、いつかまたセキセイインコと暮らしたいという人生のひとつのささやかな目標とともに私の中にありつづけました。
そして2024年、家族の理解とタイミングを得、ついに念願のセキセイインコを家族に迎えました。
ずっとずっと願っていたセキセイインコの飼育。「男の子を迎えてたくさんおしゃべりして欲しい」「綺麗な色で模様が無い子がいい」そんな理想を描いていましたが、この時代は犬と猫のニ強で、そもそもセキセイインコを取り扱っているお店がほとんどありません。ただでさえ数少ないセキセイインコ取り扱いの店舗で、来店してもヒナがいるとは限らない環境。
この夏出会った今の子は、正直理想とは違う子でした。理想とは違う黒味の模様が多い子でしたし、店員さんもおそらくメスです、とのこと。正直すごく悩みました。ずっとずっと欲しかったセキセイインコ。理想の色や模様を、性別を、言葉を選ばず言うのであれば「妥協」できるのか?と。
でも、その子は扉をあけたときから元気に鳴いていました。ありがちですが、呼ばれている気がしました。
この子がいいと連れて帰ったその日から、我が子と同じく、かけがえのない、大切な大切な存在になりました。
2週間ほどで挿し餌から独り立ちし、飛ぶ練習をしたり手乗りの訓練をしたり、毎日たくさんの愛情を注いだつもりですし、家族みんなに懐いてくれたと思います。子供達も夫も、あまり乗り気ではなかったセキセイインコでしたが、私よりも可愛がり、愛情を持って接してくれています。大切なこの子に少しでも長く生きて欲しいと思うのは当然の流れで、情報が溢れる時代。検索すると真偽不明な情報が山のようにでてきます。私自身の知識も30年前からアップデートできておらず、前述のとおりペットショップの店員さんも基本的に小鳥に詳しくありません。このままなりゆきまかせで飼育するのは良くないな、何かあったら‥‥そう思い、生後3ヶ月で健康診断を受けることにしました。前置きが長いですが、ここからが本題です。

特に気になることはないけれど、ドクターから的確な栄養アドバイスをいただけたら、そんな気持ちで出向いた動物病院。
診察が始まって早々、想像以上に本格的な検査の説明がありました。なんといっても私の知識は30年前で止まっており、正直セキセイインコの健康診断を「受診するほど熱心な飼い主も少ないだろうな」と自惚れていました。そのため早々に便検査とそのう検査をすると聞いた時点で内心びっくりしてしまいました。加えて少し高価なオプション検査扱いで複数検査の説明。耳で聞いている時点では恐らくそこまでは不要かな‥‥なんて悠長に構えていたのも束の間、「この羽の黒い点々も少し気になります。」と我が子の羽の一部を見せられました。そこには確かに黒い点々。先生いわく、これが鳥のエイズとも言われるPBFDの兆候かもしれないと。え?今先生何と言われましたか??

ここで改めてPBFDの説明を受けました。免疫不全で、人間でいうところのエイズのような病気であると。まず頭に浮かんだのは「治るんですか?」。
治療した場合、治る確率は7割とのことでした。呆然としている間、まずは便とそのう検査の結果を調べてくると退出される先生の後ろ姿を見ながら、頭の中では少しのパニックと、まぁまぁ、、そんなはずは。という楽観視した考えの狭間にいました。
数分で戻った先生は、タブレットをだし、「便の中にメガバクテリアが見つかりました」と顕微鏡の拡大図を見せてくださいました。丸い菌、四角い菌など腸内細菌についての説明のあと、これらよりだいぶ大きなこの菌がメガバクテリアですと。胃に刺さるように存在するカビで、やっかいですと説明を受けました。
「軽い」気持ちで健康診断にきた私には怒涛の展開で、まさか本当に何かの病気を患っていたなんて、、、とショックと衝撃で気持ちが追いつきません。これからすぐに注射をします、そのあと2週間ごとに合計3度の注射と45日間の投薬治療に入ります、との説明を立て続けに受け、この菌を保管していたこともあり、なおのことPBFDの検査を強く勧めますと話しを続けられました。もちろんお願いしますと即答したのは言うまでもありません。
ここに書けないほどの専門的なことも含めて初めて耳にする言葉、病気、症状について教えていただきました。予後について、もし治らなければもちろん長く生きられませんとのことでした。
今まで恐らく女の子だと思っていた我が子も、先生により女の子と確定され、そうなるとそもそも圧倒的にオスより寿命は短い、「圧倒的に早く逝きます」と言われた時には、涙が止まりませんでした。まだPBFDと確定されたわけではありませんが、ただ女の子というだけで寿命がそんなに短いなんて、情けないですが知らなかったのです。
ネットで見るような発情についての質問にもきちんと説明してくださいましたが、いずれも寿命に関わることであり、この時点で私の頭の中では「女の子」✖️「メガバクテリア」✖️「PBFD」→もう長く生きられないという構図ができてしまい、冷静を装うにも涙が出てしまい、なかなか大人の対応をとることが辛かったです。
とにもかくにも注射を終え、投薬の説明をうかがい、栄養面の相談にも乗っていただき、おおよそ40分ほどで健康診断は終了となりました。
次回は14日後です。
今日、どうしても書いておきたかったこと。それはペットショップにおける小鳥の扱いです。
帰宅後に自分なりに調べる中で、小鳥が生まれた段階から、PBFDはその気になれば検査ができる病気だと理解しました。もし陽性であれば、少しでも早く治療をしてあげなければいけないこと。
実際にはペットショップは売るだけで、病気の有無なんてもちろん調べていませんし、小鳥には犬猫のように血統などもありません(ある子もいるのかもしれませんが一般的ではないかと)。
現実的な話ですが、おそらく我が子はこれから治療にさまざまお金が必要です。最悪の場合はウン十万は必要かと思います。命はお金では買えませんし、大切な家族ですから治してあげられるならば、1日でも長生きできるならば最善の方法をとります。
ただ、世の中で飼育されている全てのセキセイインコがそのような環境にいるわけではないでしょう。
きっと多くはその病気の種を見過ごされているか、わかった時には手遅れなのではないでしょうか。
今回知ったPBFDは、非常に感染力の強い病気のようです。飼育環境に左右される部分は非常に大きく、もし多数飼育される現場できちんと検査がなされていれば、隔離や親からの吐き戻しの餌を与えないなど、きちんと管理ができていれば、本来病気を持っていなかった子たちは感染することなく成長できるはずです。
我が子がどういう理由でリスクを抱えているのかは分かりません(まだ確定診断ではありません)が、今回我が子は全国区のホームセンターで購入しました。
それでも、「大手だから大丈夫だろう」なんていうのはただの思い込み、願望でしかなく、何も安心できることではなかったのだなと、、痛感しました。
どこかで、言葉を選ばずに書きますが適当に繁殖させたセキセイインコを適当に、ただただ横流しで販売しているだけなんだなと。売るだけ。なんだなと。
あと何倍の値段でも良いから、生まれてすぐに病気の検査をし、長く一緒にいられる可能性を高めてあげてほしい。そんな夢物語を強く強く願ってしまいました。私自身も、もっと早く、迎え入れてすぐに病院にきていれば、この先の結果も変わっていたかもしれません。そう考えると、誰のことも責められませんし、責めるつもりもないのですが、それでもこの憤りをどうしても消化できません。
私の大切なセキセイインコが、1日でも1秒でも長く生きられるように、できることを何でもやっていきます。その記録を残していきたいと思います。


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