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イタリア語 代名動詞 sentirsela の全活用

こんにちは Minori です。

今回は先日の記事で取り上げた
アリーチェの台詞の表現にあった
代名動詞 sentirsela について
特にその 活用 にこだわって
深堀りしていきたいと思います。

sentirsela

イタリア語の動詞には

  • sela で終わる動詞
    cavarsela, ridersela など。

  • cela で終わる動詞
    vercela, mettercela, farcela など。

  • sene で終わる動詞
    andarsene, fregarsene など。
    があります。

これらは Verbi Pronominali
代名動詞 と呼ばれるもので、
動詞に 代名詞 ci, la, ne のどれかと、
再帰動詞の mi, ti si, ci vi, si
組み合わさって成句になっている動詞です。

イタリア語にはこういうタイプの動詞が
たくさんあって、日常、頻繁に使うらしく
よく耳にするんですが、いかんせん、
活用形がよく分かんない!

are, - ere, - ire で終わる普通の動詞の活用形は、
辞書でも見れるし、教科書や参考書にものっている。

しかし、sela 型, cela 型, sene 型 動詞の
活用形をのせている参考書は、
はっきりいってない❗
辞書にももちろん載ってない。

困ったこと、ありませんか?
だって、私が愛用している、これ。

イタリア語動詞活用表 単行本 – 1982/9/1 西本 晃二 (著), 斎藤 憲 (著)

これにだってのってないんですよぉ ❗

というわけで、今回は sentirsela を使って
〇〇sela 型動詞の活用形の完全マスターを
目指したいと思います。
それでは早速行ってみよう❗


sentirsela ってどんな動詞?

この動詞は sentire + 再帰代名詞 si + la
の組み合わせで作られています。

sentirsela 型動詞にはこの他に
prendersela
cavarsela
godersela
scamparsela
spassarsela

などなど挙げればキリがありません。
どれも 動詞+再帰代名詞+la
の組み合わせで作られています。
再帰動詞 sentirsi +la と考えても
いいかもしれませんが。

このような代名動詞。
主となる動詞と同じような意味を表すもの
もあれば、全く違う意味を表すものもあります。

ちなみに sentirsela の主動詞は
sentire [他] 感じる、聞く です。
しかし sentirsela の形になると、
…する気がある、…する勇気がある

という意味になりますから、
違う意味を表すパターンですね。

sentirselasentire + si + la
という組み合わせて作られている
と言いましたが、再帰代名詞 si
はいいとして、最後の la ,
これは一体何なんでしょうか、
ヴァレンティーノぉ!教えてっ❗

👨:Ciao a tutti
 こんにちは、ヴァレンティーノですぅ。
 この la は、会話の文脈の中で
 「それ」と分かる 何らかの事柄を
 指しているんだ。
   quella cosa 『そのこと』ってことです。

👧:ふぅ〜ん。 なるほど。

そして何と言っても,この手の動詞で
厄介なのは、その 活用 です。

ただでさえ複雑なイタリア語の
動詞の活用に代名詞が2つも
合体されちゃってるんだからぁ。
何をどうすればいいやら。

というわけで、早速
一つ一つ見ていきたいと思います。
今回の記事、いつにもまして
長くなりますが、よかったら
最後までお付き合いいただけたら
幸いでございます。

sela 型動詞:活用の考え方

まずポイントを
いくつか抑えておきましょう。

sentirsela は sentire + si + la
という組み合わせて作られている
と言いました。

この3つの要素のうち
活用させる(変化させる)のは
動詞 sentire再帰代名詞 si
2つだけ です。la は無変化。 la のまんま。

そして、これ系の動詞を活用させる場合
再帰動詞の活用と同じように
代名詞は動詞の前に置かれます。
なので、このような順序にが入れ替わります。

① 再帰代名詞 ② la ③ 動詞 の順番です。

ここまで大丈夫でしょうか。
次にそれぞれをどのように
活用させるのか、ざっと説明していきます。

まず①の再帰代名詞ですが、
la のない普通の再帰動詞、
例えば 再帰動詞 alzarsi なら…。

io → mi alzo
tu → ti alzi
lui / lei → si alza
noi → ci alziamo
voi → vi alzate
loro → si alzano

と、主語の人称に応じて
mi, ti, si, ci, vi, si
という形に変化させますが、
ですが 〇〇sela 型動詞は
再帰代名詞 sila
と組み合わせるので…。

io → me la
tu → te la
lui / lei → se la
noi → ce la
voi → ve la
loro → se la

このように再帰代名詞は
me, te, se, ce, ve, se
という形になります。

再帰代名詞は主語の人称によって
のみ変化します。
時制や法では変化しません。

次に ②の la
前述の通り、これは 無変化。
人称が変わっても、時制が変わっても
法がかわっても、la のまんま です。

で、③ の動詞 sentire
人称・時制・法によって
それぞれ対応した形に変化させなきゃ
いけないのがこの動詞の部分。

単純時制の活用でも
複合時制の活用でも考え方は同じです。

ではまず、単純時制の活用から
見ていきましょう。

sentirsela 単純時制の活用

■ 直接法単純時制

直接法の単純時制は?
直接法現在
直接法半過去
直接法遠過去
直接法単純未来 の4つです。

まず直接法現在の活用から
見ていきましょう。
活用させる部分はどれか。
それがどのように活用しているか。
形が変わらない部分はどれか。
順序はどうなっているかを
確認してください。

sentirsela 直接法現在形の活用

io → me la sento
tu → te la senti
lui / lei → se la sente ...。

いかがでしょうか。一度
声に出して読んでみるといいと思います。

一見複雑そうに思える
〇〇sela 動詞の活用ですが、
活用させる部分(変化させる部分)は、
実は、表の赤い ▢ で囲んだ部分だけ。

単純時制でも複合時制でも
時制や法によって活用させる部分
(変化させる部分) は ▢ で囲んだ
動詞の部分だけなんです。

ちなみに…。
再帰代名詞と la と 動詞の活用形の
間はくっつけませんよ。
スペース空けてください。

⭕ me la sento
❌ melasento

では、直接法の単純時制、
直接法半過去、直接法遠過去
直接法単純未来の活用を
だだだっと並べていきます。

sentirsela 直接法半過去の活用
sentirsela 直接法遠過去の活用
sentirsela 直接法単純未来の活用

いかがでしょうか。
先頭の me la, te la, se la ...ってのは
どの時制にも共通しているのが
ご確認いただけたでしょうか。

時制によって変わるのは、
動詞の活用 だけです。

■ 接続法単純時制

次に接続法の活用を見ていきます。
接続法の単純時制は、接続法現在と
接続半過去の2つです。

sentirsela 接続法現在の活用
sentirsela 接続法半過去の活用

いかがでしょうか。
な〜んだ、簡単じゃんっ❗
って思ってきましたね。
そうそう、その調子です。

■ 条件法単純時制

次は条件法現在の活用です。
条件法には条件法現在と条件法過去
の2つの時制がありますが、
単純時制は条件法現在です。

sentirsela 条件法現在の活用

■ 命令法現在

単純時制の最後は命令法の
活用形のご紹介ですが、
命令法の活用ってのは、
are, - ere, - ire で終わる
普通の動詞でも厄介ですよねえ。
sela 型動詞ではどう活用するのでしょう。

😲 sentirsela って
 命令法で使うかぁ❓

ってのはとりあえず脇に
置いていただいて。
形がどうなるのかだけ、
確認していきましょう。

活用の仕方は再帰動詞の命令法と
同じです。ただ la が追加されるだけ、
ただそれだけなんですけどねぇ…。
だけど、分かんなくなっちゃうんだ。

そもそも、再帰動詞の命令法で
分からなくなっちゃうのが、
再帰代名詞の位置 ですよ。

再帰動詞 alzarsi
おさらいしましょう。

tu 2人称単数
noi 1人称複数
voi 2人称複数
に対しての形では再帰代名詞は
動詞の活用の後ろに合体させる。

tu → alzati
noi → alziamoci
voi → alzatevi

lui / lei / Lei 3人称単数
loro 3人称複数
に対しての形では再帰代名詞は
動詞の活用の前に置く

lui / lei → si alzi
loro → si alzino

思い出しました?

では、肝心の sentirsela
命令法の活用形でございますが、
la は一体どこに入れるんでしょ。
一緒に確認していきましょう。

sentirsela 命令法現在の活用

tu, noi, voi に対しての形は
動詞の活用の後ろに 合体
させるんですからスペースなしです。

sentitela       ❌ senti te la
sentiamocela ❌ sentiamo ce la
sentitevela         senti ve la

一方、lui, lei, Lei , loro
に対しての形は
動詞の前に置くのでスペースあり。

se la senta   ❌ selasenta
se la sentano    ❌ selasentano

さぁてと、問題は 複合時制 ですよぉ。
言っときますが途中で
ぎやぁー!   😱
ってなりますから覚悟してください。

sentirsela 複合時制の活用

まず sela 型動詞の複合時制の活用で、
めちゃめちゃ大事なことが『2つ』あります。
すっごい大事です。

① 複合時制の助動詞にはessere を用いる。

sentirsela の主となる動詞は sentire
sentire は他動詞ですから、
複合時制の助動詞にはavere を使うんでした。

ho sentito
hai sentito
ha sentito …

だからって、sentirsela の助動詞も
avere だと思っちゃぁいけません。
sentirsela の複合時制の助動詞は
essere でございます❗

大事なんでもう一度言います!

sela 型動詞の複合時制の
助動詞は essere でございますっ❗

2つ目に行きます。

② 過去分詞の語尾は - a のみ。

複合時制の助動詞に essere
用いる動詞の場合、
過去分詞の語尾って、
主語の性・数に一致させて
o , - a, - i, - e
に変化させるじゃあないですか。

例えば、andare 。
andare は自動詞ですから、
複合時制を作るときの助動詞に
essere を使うんでした。
したがって過去分詞の語尾は
主語の性・数に合わせて、
変化させないといけない。

こんな風に、複合時制の助動詞に essere 
を使う動詞の場合、essere の活用と
組み合わせる過去分詞の語尾 
主語の性・数に一致させるって、
散々習いましたよねえ。

でも、sela 型の動詞は、
過去分詞の語尾は
la と一致 させるんですよぉ。

😵‍💫 ど、どういうこと?

👨:la に一致させるってことは、
   つまり、主語の性・数に
         関係なく過去分詞の
      語尾はいつも - a ってこと。

  まず、今回は sentirsela だから、
  おおもとの動詞 sentire の過去分詞を
  使うことになる。
  sentire の過去分詞 は sentito ですね。

  で、sentito の語尾を la に一致させる
  んだから、過去分詞の語尾は sentita
  となります。

  で、この過去分詞 sentita を主語の
  性・数に関係なく使うってこと。
  複合時制の過去分詞は常に sentita
  無変化です。

😱 まんまみぃ〜や

ま、主語の性・数を
気にしなくていいんだから、
助かるっちゃ、助かりますけどね。

① 複合時制の助動詞は essere 。
② 過去分詞の語尾は、la と一致し、
 主語の性・数に関係なく常に - a。

この2つのポイント、大事です。

👨:で、言っときますけどぉ...。
   これは sela 型 の動詞の
        活用ですからね。

  cela 型動詞sene 型動詞
  はまた違った活用の仕方しますよ。

😵 ぎやぁー

だから、ぎやぁーっ❗てなるって
言ったじゃないですかぁ。

もう、ふざけんなよって思ったら、
一旦ここでお休みしてください。

♪♪♫ ……‥ 休憩中 😪 ……… ♫ ♪ ♬

はい、大丈夫でしょうか。
怒りは収まりましたでしょうか。

複合時制の活用を見る前に、
複合時制活用の語順を確認しましょう。

そして、活用させる(変化させる)部分は、
次の赤い部分です。

la は基本的に変化しないんだけど…。
のところ、気になりますよね。
後で分かります 😁✌️

■ 直接法複合時制の活用

それでは直接法近過去の
活用から見ていきましょう。

sentirsela 直接法近過去の活用

いかがでしょうか。
3人称単数形 に注目してください。

3人称単数形だけ
la が l’ になってます。

これは essere
3人称単数形の活用が母音の è なんで、
la の語尾の母音 aè が重複しないように
laa が省略されるためです。
a の代わりに省略記号の
アポストロフォをつけてくっつけます。

la è → l’e

になるって話。
これが先程の基本的には
変化しないんだけど…の
意味でした。

😲:3人称単数形のときだけ
    気をつければいいって
         ことでしょ?

いやいや、これがねえ。
essere の活用形によるんですよ。
時制や法で変わってくるんです。

じゃ、一つずつ見ていきませう。

直接法大過去 を見ていきます。
直接法大過去の活用は、
essere の直接法半過去の活用
+ 過去分詞
でした。

essere の直接法半過去は、
ero, eri, era ….
全部 e から始まります。
なので、la はすべて l'
しないといけません。

sentirsela 直接法大過去の活用

表では l'essere の活用が
離れていうように見えますが、
両者はくっつけてください。

ちょっと読んでみてくださいよぉ。
こんなの言えるかいって感じです。

io :me l'ero sentita
     メレロセンティータ
tu: te l'eri sentita
         テレリセンティータ
lui / lei :se l'era sentita
             セレラセンティータ
noi :ce l'eravamo sentita
        チェレヴァーモセンティータ
voi : ve l'eravate sentita
        ヴェレラヴァーテセンティータ
loro :se l'erano sentita
          セレーラノセンティータ

もう、めまいがします 😵‍💫
続いて、直接法前過去
直接法前未来 の活用を
だだだだっと並べます

sentirsela 直接法前過去の活用
sentirsela 直接法前未来の活用

ふぅ〜💨

■ 接続法複合時制の活用

では、接続法の複合時制
接続法過去、接続法大過去 の活用です。

sentirsela 接続法過去の活用
sentirsela 接続法大過去の活用

■ 条件法複合時制の活用

条件法の複合時制 条件法過去の活用です。

sentirsela 条件法過去の活用

いやいやいや、お疲れ様でした 💦
sela 型の動詞 の活用
お分かりいただけましたでしょうか。
といっても、目で見ただけでは
なかなか記憶に残りませんから、
ぜひ他の sela 型動詞
prendersela
cavarsela
godersela
scamparsela
spassarsela

で、活用の練習をおすすめします!
この度もお付き合いいただき
ありがとうございました❗
また次回のブログでお会いしましょう❗
お役にたてましたら、ぜひとも
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