Sì と No の使い方
こんにちは Minori です。
まだ暑い日が続いておりますが,風は確実に秋めいてまいりました。夏の終わりを感じている今日このごろです。さて,本日とりあげるのはこちらの動画。
私にはお馴染み Raff さんの動画。大学でイタリア語を教えている方のようです。
この動画では,Sì と No の使い方について解説しています。Sì はい と No いいえ だって❓️こんなの使い方も何もないでしょう,何を今更と。分かります,分かります。ですが,この動画では,知らなかった Sì と No の使い方について解説してくれています。新たな気づきがありますよ。基本的に動画のイタリア語をそのまま訳しておりますが,いくつか私の補足を入れています。その部分には 👧 のマークがついています。それでは早速始めましょう。
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Sì はい と No いいえ。
この2つの言葉ほどシンプルなものがあるでしょうか❓️
そう,たったこれだけ。
これ以上言うことはありません。
でも,もしかしたらそう簡単ではないのかもしれません。la Grande grammatica italiana di consultazione ,こちらは第3版ですが,この2つの言葉の解説に,1,2ページではなく,なんと45ページも割いているんです。この動画では、イタリア語を学んでいる方にとって, 最も一般的で役立つと思われる Sì と No の使い方を選んで解説します。皆さんに何かしらのお役に立てることを願っています。
1.動詞の後の Sì と No
最初に取り上げたいのは,Sì と No が,動詞に従属する場合です。例えば,dire 言う や,rispondere 答える といった,他の人の言葉を伝えるために使う動詞や,credere 信じる,pensare 思う,sembrare 〜のように見える といった,意見を表明するときに使う動詞です。Sì や No が,このような動詞に従属する場合,前置詞 DI が用いられます。まずは dire の例から見ていきましょう。
例えば,あなたが私にこう問いかけるとします。
Che cosa ha detto Luca, viene anche lui?
ルカはなんて?彼も来るって?
私はこう答えるでしょう。
Ha detto di sì.
彼は「はい」と言ったよ。
↓
彼も来るって。
このように dire を使って答える際には, 前置詞の di が必要です。
したがって,以下のような返答は間違いです。
❌️ Ha detto sì.
❌️ Ha detto che sì.
また,100%確信が持てない場合,credere, sembrare, pensare といった動詞を用いて答えることになります。例えば。
È già chiuso il supermercato?
スーパーはもう閉まってるかな?
と尋ねられた場合の返答で,100%確信がない場合,次のように答えるでしょう。
Penso di sì.
Credo di sì.
Mi sembra di sì.
(まだ開いている)と思うよ。
このように,pensare, credere, sembrare を使って答える際にも,前置詞 DI が必要です。否定的な答えの場合も同様です。
Penso di no.
Credo di no.
Mi sembra di no.
そう(まだ開いている)じゃないと思うよ。
また,次のように言うことも可能です。
Non penso.
Non credo.
Non mi sembra.
意味は全く同じです。
2.Sì と No を使った構文
構文を見ていきましょう。
Sì che …
Non che non …
あなたが私にこう言ったとしましょう。
Ma come, non ti piace Celentano?
なんだって?君はチェレンターノが好きじゃないの?
この問いに私はこう答えるでしょう。
あるいは…。
この構文は,答えを強調するために使われます。また,ある意味では,質問者の考えに反論するのにも使われます。つまり,こういうことです。あなたは私がチェレンターノ(イタリアの歌手)が好きではないと思っているとします。
Non che non … を使った例を見ていきましょう。例えば,私が誰かに悪い知らせを伝えなければならないとします。そこで,あなたは私にこう言いました。
そこで,私はこう答えます。
そして,この構文は,特に肯定的な Sì che … は,別の用法でも使うことができます。例えば,私は本屋にいるとしましょう。いくつかの本を手に取りながら「これには興味がないなあ…。」「これも違うなあ…。」「これにも興味がそそられないし…。」と,なかなかお目当ての本が見つけられません。そして,ようやく面白い本を見つけた時の一言。
あるいは,ある朝,メールのチェックをしたところ,長い間連絡を取っていなかった友人からのメールを見つけた時の一言。
これ以外のメールが,どうでもいいという意味ではありません。特にこのメールをもらったことが,嬉しかったという気持ちを表しています。
この2つの例文では questo と questa を使いましたが,ここに人名や代名詞を使うこともできます。例えば,ジュリアについて,別の友人と話をしています。
あるいは,直接彼女に向かって言うなら。
このように言うことができます。この表現には Non come qualcun altro (他の人とは違って) というニュアンスが含まれています。また,都市や国について言及する場合には,次のように言えるでしょう。
👧 イタリアの病院は,ダメダメなんで,こういう例文が出てくるのでしょう。
この表現には,他の都市や国では,病院はそれほどうまく機能していない,他の都市や国には,実際あまりいい病院がないという含みがあります。この表現を使うことで,他の場所と比較して,ここでは本当に病院がしっかり機能していることを強調しています。
3.Sì と No を他の要素と組み合わせる
次に SÌ と NO が他の要素と組み合わせて使われるケースを見ていきます。
また,両親が二人の子供に対して,一人には外出を許可しましたが,もう一人には外出を許可しないと言ったとします。外に出ることを許されなかった子は,両親にこう言うでしょう。
もちろん,どの代名詞を使うかには注意しなければいけません。例文の Lei sì, lui no と Ma perché lui sì e io no? では,どちらも 主語人称代名詞 ( io, tu, lui, lei … ) を使っています。なぜなら,ここの SÌ と NO は,文全体を置き換えているからです。
次のケースでは,補語人称代名詞を使うことになります。例えば,先ほどの両親が,二人の子供に対して,また差をつけます。一人にはチョコレートをひとつ渡し,もう一人には一つも渡さなかったとします。チョコレートがもらえなかった子供は,両親にこう言うでしょう。
ここでは,主語人称代名詞 (io, tu, lui, lei …) ではなく,前置詞 a + 補語人称代名詞 ( a me, a te, a lui, a lei …) を使うことになります。
次は,別の前置詞 + 人の名前 の例を見てみましょう。
また,名詞や代名詞の他にも,SÌ と NO を副詞の後に続けて使う表現も一般的です。
これらすべての文は,たとえ短い文であっても,その順序がとても重要です。例えば, Lui sì. や Oggi no. のように,まず,他の要素 ( 固有名詞や名詞,代名詞,副詞) を前に置き,それから SÌ と NO を続けます。
4.E INVECE NO!
E invece no! や E invece sì! といった表現も一般的です。E invece no! は,特によく使われます。E invece sì!は,少し珍しいかもしれませんが。
エドアルド・ベンナーㇳの曲が思い出されます。確か,これはアメリカの楽曲のリメイクだったと思いますが。(間違っていたらすみません)。重要なのは,イタリア語の歌詞に Come sarebbe bello se … ( もし … だったら,どんなに素晴らしいだろう ) という一節があり,それに続けていくつかことが列挙されています。接続法が使われていますので,接続法の復習にも役に立つ曲です。
そしてこの曲のサビはこうなります。
Come sarebbe bello se … (もし … だったら,どんなに素晴らしいだろう ) というフレーズを使って,理想的な状況を想像し,その後に E invece no! ( 残念だけど,実際はそうじゃない) で,現実との対比をしています。
5.Perché no!
次は,Perché no! という表現をご紹介しましょう。
この表現も,とても一般的に使われます。特に2つの用法が思います。まずは,次のような使い方です。
この表現 Perché no! は,どうしてその提案を断れるだろうか?というニュアンスを含み,相手からの提案やアイディアがいいものであれば,それをそのまま受け入れることの表明になります。
2つ目の用法を,エンツォ・ジャンナッチの昔の曲でご紹介しましょう。
Perché no!
これは,なぜダメなのか,その理由の説明を避けたいときや,特に理由がない場合によく使われます。
6.文末の SÌ と NO
SÌ と NO は,質問の回答だけではなく,文中でも使われます。次の例を見てください。
この NO は,前に述べたことを真逆のことを意味します。
同じ用法で SÌ を使うこともできます。( 👧 前に述べたことの真逆のことを意味するので,この場合は ) もちろん,前の文は否定文である必要があります。
Di giorno non si può uscire, na la sera sì.
昼間は外に出られないけど,夜は出られるよ。
7.Ma anche no.
この表現は,何かを拒否する際に使われます。特に,提案や招待に対しです。
Usciamo stasera?
今晩出かけない?
Ma anche no.
やめとくよ。
理論的には,これは少し控えめな拒否を表現で,礼儀正しいことわあり方としてよく用いられます。例えば Potresti anche dirmelo. (それを私に ) 言ってくれてもよかったのに のように,条件法を使う表現とよくにています。しかし,Ma anche no. は,実際は少し皮肉を込めて使われることが多く,その意味は Assolutamente no. 絶対にNOだ です。似たような表現で Ma anche basta. という表現も使われます。この表現は,何かに本当にうんざりしているときに使います。
この2つの表現、Ma anche no. と Ma anche basta. は、私にはかなり新しい表現ように感じます。100%確信はありません。誰かは「50年前から存在していた」と言うかもしれません。はっきり言えませんが、私が若かった頃には使われていなかった表現で、最近,よく耳にするようになったものだと思います。
8.Sì e no
Sì e no という表現には2つの意味が思い浮かびます。 最初の意味はまさに文字通りのものです。例えば、大学で試験を受けて,あなたは25点を取ったとします。イタリアの大学のシステムをよく知らない人のために説明すると、25点は中間の成績です。試験に合格するための最低点は18点、最高点は30点です。だから、25点は平均的な成績です。そこで私があなたに成績についてこう訪ねます。
そして、あなたがこう答えたとします。
このようにと答えたのは、苦手な科目の試験であるにも関わらず,(ある程度の点が取れたので)ある意味で満足しているか,高得点を取れなかったので満足していないかが考えられます。
2つ目の意味は,più o meno , all'incirca だいたい,おおよそ です。例えば,なにかのイベントがあってこう聞かれたとします。
そのときに,こう答えることができます。
ただ,私の考えでは、この場合の sì o no にはもう一つの意味が含まれていると思います。例えば、Ci saranno state sì o no 50 persone. と言うと、それは少人数だったことを示唆しているのではないでしょうか。もしそのイベントにたくさんの人が集まっていたとしたら、例えば10万人くらいいた場合、私は Ci saranno state sì e no 100.000 persone. とはおそらく言わないと思います。その代わりに、Ci saranno state circa 100.000 persone. や Ci saranno state più o meno 100.000 persone. と言うでしょう。なので,この場合の sì o no には,期待していたより少ない数であった という示唆が含まれていると思います。
9.SÌ + NO = NÌ
ここまで SÌ と NO のいろいろな使い方を見てきましたが,当然のことならがら,SÌ と NO を常に分けて考えてきました。なぜなら,互いに対立しているものだからです。でも,この動画の最後の表現として,この2つを組み合わせて,新しい言葉を作りたいと思います。
NÌ は言葉で、冗談めいた表現です。完全に「いいえ」ではないけれど、「はい」でもない…つまり、その中間の意味を持っています。ちなみに、多くの人が知っているかもしれませんが、Mymovies.it というとても素晴らしい映画のサイトがあります。このサイトでは、各映画について、その映画がおすすめかどうかが表示されています。いくつかの例をお見せします。実は,すでにいくつかの映画を検索しておきました。例えば La banda degli onesti という映画を検索してみましょう。TotòとPeppino De Filippoの映画です。ここには ASSOLUTAMENTE SÌ (絶対におすすめ) という評価が表示されています。他の映画も検索してみましょう。I tartasati という,こちらも Totò と Peppino De Filippo の映画ですが,ここには CONSIGLIATO SÌ (おすすめ) と書かれています。もう一つ見てみましょう。La fidanzata di papà という映画で,私はまだ見ていませんが。評価を見てみると CONSIGLIATO NO (おすすめしない) となっています。それから … Le motorizzate という映画の評価は … 60年代の映画ですが … 評価はこうなっています。CONSIGLIATO NÌ (どちらとも言えない) 。つまり,いいえ と はい の中間だという意味です。この NÌ が,存在しているだけでなく,実際に使用されていることがわかります。
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はい,お疲れ様でした。
本日はここまでです。
Raffさんのチャンネル,文法オタクの私にはたまらない内容です。ぜひ,ご覧ください。
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レッスンをしています。
イタリア語講師歴30年。
日本語が話せるので,
これからイタリア語を始める
という方でも大丈夫。日本語で解説します。
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