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umbrella

傘の群れが流れていく。

何百もの傘のパレード。

それはさながら、クラゲの大群のようだ。

僕は水族館にあるクラゲの水槽を思い出す。

クラゲは意外と見ていて飽きない。幻想的で美しい。まるでアートだ。

しとしと雨降る朝8時。スターバックスの角の席から、窓越しに僕は交差点をぼんやりと眺めていた。

信号が青に変わると一斉に何百という傘の大群が移動する。なかなか壮観だ。

一体、みんなどこへ行くのだろう?(もちろん、仕事だ。)

圧倒的にビニール傘が多い。あとは黒、紺。

もうちょっとカラフルだと楽しいんだけどなあ、と僕は思う。

黄色の傘は圧倒的に少ないし(小学生を想起させる)、赤やオレンジなどもほとんど見ない。たまにピンクを見る。暖色系が少ないのだ。

もっとカラフルな傘が増えたら、世の中も明るくなるのにな、とも思った。

ちなみに英語で傘はumbrella(アンブレラ)と言うが、その語源をご存知だろうか?

語源はラテン語で「陰」を意味するumbra(アンブラ)という単語。

傘が元々、日傘として使われていたことに由来しており、古代エジプトでは、国王を日差しから守る道具として使用され、「富と権力の象徴」となっていたそうである。

きっとクレオパトラが日傘の下で優雅に寝転びながら、奴隷たちがピラミッドを建設するのを見ていたのかもしれない、と僕は妄想してしまった。

余談だが雨傘が普及したのは18世紀後半。意外と近年なのだ。

僕はあまり傘を持って外出しない。

僕が出かけるのは大阪市内の中心地が多いので、アーケードや地下街が多く、傘が無くても全然困らない。梅田もなんばも大半は傘なしで移動できる。さらに自宅から最寄りの地下鉄の入り口まで走ればすぐだ。

おまけに僕は忘れっぽいので、よく傘を置き忘れてしまう(これ以上妻を怒らす材料を増やしたくはない)。これが大きな理由だ。お気に入りの傘を無くしたショックはとても大きい。

でも、傘を持つことも悪くないのかもしれない。

今朝、傘のパレードを見ながらそう思った。

ただなんと無く実用的に使うのでは無く、雨の日が待ち遠しくなるような傘なら持ってみてもいい。

和風っぽく、蛇目傘がいいのではないだろうか(高そうだけど)?

結局は、モノと僕の関わり方の問題なのだ。

僕の経験上、モノを大切にする人は、万事において丁寧な関わりをする人が多かった。

僕はもっと丁寧な関わりが必要なのだろう。

モノにも、人にも、自分にも。

あなたは、どんな傘をお使いですか?

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