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部下を成長させる隊長になるための2つの方法

こんにちわ。消防士歴25年のファジーと申します。わたしは全国の消防職員のために職場環境改善のヒントになることを学び、発信します。


ページの一番下に、発信した内容をA3資料にまとめた【まとめA3資料】のPDFデータを貼り付けてあります。消防の職場で共有してください。


「どうしてお前はそんなに遅いんだよ!」

ある日の救急訓練。特定行為である静脈路確保のルート作成に手間取る隊員に隊長の厳しい声。

命がかかる現場では厳しい訓練も必要。
でも、そんなにキツく言わなくてもいいのに…とわたしは思ってしまいます。

自分の若いときは、もっと厳しかったものだという隊長や、なかには怒っていることが、隊長らしいと思い違いしてる隊長もいます。そんなキツめの隊長さんに言いたいのは…

本当にきつく言わなければ隊員は成長しないのでしょうか?
成長できないのは隊員個人の問題のなのでしょうか?

人にやさしく結果に厳しく。部下をやる気にさせ、成長させる隊長。
わたしは、そんな人こそが”できる隊長”だと思っています。

今回は部下を成長させる隊長になるための2つの方法をご紹介します。たった2つのことで、部下を成長させる隊長に一歩近づけます。

今回は部下を成長に導くための手法として、カウンセリング技法の一つであるNLPをご紹介します。
 

1 職場使えるカウンセリングNLPとは

職場で使えるカウンセリング技法にNLP(神経言語プログラミング)があります。NLPは「神経」、「言語」、「プログラミング」の相互作用を解き明かすものです。
訓練中に「早くやれ」と言われたとき、目の前に隊長がいるのが見える(視覚)、言葉を耳にする(聴覚)これが「神経」です。そしてこの体験を、「また怒られた…」と思い「すみません…」と言葉にする。これが「言語」。
 この時に「私は何をやってもダメ…」という思考パターンがあります。これが「プログラミング」です。
神経と言語を変えることはできませんがプログラミングは変えられます。

2 役に立たない地図

「早くやれ」と言われたとき
「隊長から評価されていない…。もう駄目だ」と受け止める部下と
「隊長に指導されている。成長の機会だ!」と受け取る部下がいます。
前者の部下のプログラミングは役に立たない地図をこころに描いてしまっています。
 
隊長の言葉をポジティブに受け止めるか、ネガティブに受け止めるかは、部下がこころの中の地図をどう描くかによって異なります。

ネガティブに受け取る部下はこころの中の地図が歪曲されていることに気づくことが必要ですが、それを気づかせてやるのが隊長の役目です。

3 部下のこころを開いて成長させる2つの方法


役に立たない地図を描く部下のプログラミングを変えるために、はじめに行うことは部下と信頼関係の構築です。
相手が自分に対してこころを開いてなければ信頼関係の構築は不可能です。部下を成長させる隊長になるための方法”その1”として、信頼関係の構築方法「バックトラック」をご紹介します。

その1 バックトラック

相手の言葉をオウム返しすることをバックトラックと言います。

例えばこんな会話。

部下「この活動報告書ですが、この部分の言い回しが気になるのですが…」

隊長「もう決裁済みだから、そのままでいいだろう」

部下「はぁ・・・そうですか・・」

これでは部下は「隊長は私の話を聞いてくれない人」と認識します。
人は自分の気持ちと違うことを言われるとこころを閉ざしてしまいます。
 これでは部下との信頼関係は築けません。

では次のように言い換えてみたらどうでしょうか。

部下「この活動報告書ですが、この部分の言い回しが気になるのですが…」

隊長「先週の報告書のことか。どこの言い回しが気になるの?」

部下「ここなのですが・・・」

このように部下の言葉をオウム返しで言い変えると、部下は自分の言いたいことを聞いてくれる隊長だと認識し、自分の意見を述べることができます。

人は話を聞くよりも、話を聞いてほしいと思っています。
自分の意見を述べるより、部下の話を聞く姿勢を示して、信頼関係を構築しましょう。


次に、部下を成長させる隊長になるための”その2”として、こころに「役に立たない地図」を描く隊員に”気づき”をうながす方法をご紹介します。

その2 メタモデル

NLPでは気づきをうながすために質問をします。これを「メタモデル」といいます。
 
例えば、遅いと言われ落ち込む隊員に
隊長「どうした?」と声掛けをします。

隊員「見られていると思うと、いつも緊張して遅れてしまいます。」

隊長「いつもなのか?」

隊員「いや・・・いつもではありません。失敗してはいけないと思うほど遅くなります。」
→質問によって遅くなるのはいつもではないと気づきます。

隊長「遅いとどうなる?」

隊員「遅いと隊活動に影響することはわかっています。このままではいけないとわかっていますが…」

隊長「それで?」

隊員「訓練前の資機材点検が不十分だったかもしれません。事前準備がしっかりできれば、早くできるかもしれません。」
→質問を重ねると更なる気づきが得られます。
 
メタモデルの質問によって問題を解決するのですが、一つ注意点があります。それはメタモデルに「なぜ?」はないということ。 
人は「なぜ?」と聞かれると、自分が責められているように感じてしまいます。
「なぜ早くできない?」という質問は隊員を追い詰めるだけで、生産的ではありません。 

4 最後に


隊長は隊員によって描く地図に違いがあり、役に立たない地図を描いていることもあることを知ってください。
その役に立たない地図を描く隊員に、自分の価値観を無理に押し付けようとしないでください。まずは信頼関係を築いて、隊員に気づきをうながしてください。
隊長が接し方を少し変えてみると、隊員も変わります。そして部下は成長し、何より隊員を思って行動を変えるあなた自身が成長できます。



下手な文章にもかかわらず最後までお読みいただきありがとうございました。



「人命救助」は消防士の共通理念です。良い人間関係の中で、共通理念を実現させましょう。

今回の記事をA3資料にまとめました。訓練の空き時間などに、研修資料としてご活用ください。

【まとめA3資料】

記事を作成するために参考にした書籍は、前田忠志著「脳と言葉を上手に使うNLPの教科書」実務教育出版です。 


 


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