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第2回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会 概要

第2回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会 概要(本文2,684文字)
 
 
内閣府消費者庁は、令和6年12月2日に「第2回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会」を開催しました。
 
 
<趣旨>
現在、コーデックス委員会で「技術革新を利用した食品情報提供ガイドライン」の策定が進行中である。我が国も積極的に対応する必要があり、政府は国際基準を考慮しつつ食品表示制度を議論している。令和5年度懇談会では中長期的方向性を、令和6年度では個別品目の表示ルールとデジタルツール活用を議論予定である。
 
 
<議題>
1. 第48回コーデックス食品表示部会(CCFL48)の報告
2. GS1標準とデータキャリアについてのヒアリング
3. 食品流通における商品マスターデータベースについてのヒアリング
4. 食品製造における食品データシステムについてのヒアリング
5. その他
 
 
<議事内容>
1. 第48回コーデックス食品表示部会(CCFL48)の報告
1-1. 結果概要
・議題の採択: 会議の正式な議題が決定された。
・コーデックス総会及びその他の部会からの付託事項: これらの機関からの指示事項について議論された。
・FAO/WHOから提起された関心事項: これらの国際機関から提起された重要な事項について議論された。
・コーデックス規格案における表示事項の検討: 表示事項に関する規格案が承認された。
・アレルゲン表示
①包装食品の表示に関するコーデックス一般規格の改訂案がステップ7からステップ8へ進んだ。
②予防的アレルゲン表示ガイドライン原案がステップ4からステップ5へ進んだ。
・ e-コマース: オンラインで提供される包装食品の食品情報の提供についてのガイドライン案がステップ7からステップ8へ進んだ。
・テクノロジーの使用: 食品表示における食品情報の提供のためのテクノロジーの使用に関するガイドライン案がステップ7からステップ8へ進んだ。
 
1-2. 議論された主な論点と検討の概要
1-2-1. 容器包装上に必要な情報をその代わりにテクノロジーで提供してよいかを決定する際の考慮事項について(そのテクノロジーへの広範、適切かつ「容易な」アクセス)(セクション5.1b)
消費者が包装食品に関する情報にアクセスするためのテクノロジーの使用について、以下の点が考慮された。
・広範なアクセス: 高齢者など特定の人口集団も含め、全ての消費者がテクノロジーにアクセスできる必要がある。
・適切なアクセス: 技術的インフラが十分に整備されていることが求められる。
・容易なアクセス: 消費者が日常的な環境で合理的にテクノロジーを利用できることが重要である。
1-2-2. テクノロジーの使用のみによって提供されるべきではない情報について(セクション5.2)
以下の情報は、消費者が販売時点で必要とするため、容器包装上に表示されるべきであり、テクノロジーの使用のみによって提供されるべきではないとされた。
①食品の名称、②健康及び安全に関する情報、③栄養に関する情報、④管轄当局が決定するその他の義務的食品情報
1-2-3. テクノロジーを用いて情報提供する場合の提供方法・情報が利用可能な期間について(セクション7.3及び7.5)
・提供方法: 義務的食品情報がテクノロジーの使用によって提供される場合、ラベルや表示上の参照は直接リンクし、情報は容易に識別可能でグループ化されるべきである。
・利用可能な期間: 義務的食品情報は、流通、保管、小売及び使用の意図された条件下で、食品が安全で消費可能な期間中利用可能でなければならない。特に消費期限が表示されている食品については、その日付まで利用可能である必要がある。
1-2-4. 消費者の情報保護に関する規定について(セクション7.6)
・情報保護: テクノロジーを使用して提供される食品情報は、個人を特定するために使用される可能性のある情報を提供または開示することなく、容易にアクセスできる必要がある。
・広範な規制: データ保護に関する規制は国や地域によって異なるため、より広いルールに言及する文言が求められた。
1-2-5. その他の変更点
・セクション7.7: ラベルや表示がテクノロジーを使用してアクセスされる食品情報への参照を行う際、消費者がその情報が当該包装食品に関するものであると確認できる方法で掲示されるべきである。
・セクション7.10: テクノロジーを使用して提供される食品情報は、明確で目立ち、読みやすく、場合によっては聞きやすいものでなければならない。
・セクション7.12: 食品情報が技術を使用して提供される場合、消費者への情報アクセスに追加的な負担がかからないようにする必要がある。
 
2. GS1標準とデータキャリアについて(GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)
GS1標準は、流通システムの効率化と合理化を推進するためのビジネス共通言語である。識別コード(JANコード/GTIN)、データキャリア(バーコード/RFタグ)、情報の交換・共有の3層から成る。JANコードは商品を一意に識別し、GS1アプリケーション識別子はデータの一貫性を保つ。GS1 Digital LinkはGTINを基に関連情報にアクセスするURIを提供し、食品表示やトレーサビリティに利用される。GS1 Web Vocabularyは機械可読な構造化データを標準化し、検索エンジンやアプリケーションでの利用を可能にする。
 
3. 食品流通における商品マスターデータベースについて(株式会社ジャパン・インフォレックス)
ジャパン・インフォレックス(JII)は、食品流通業界向けの商品マスターデータベースサービスを提供している。JIIの商品情報データベース(DB)は、約7,500社のメーカーが加盟し、加工食品、チルド食品、冷凍食品、酒類など多岐にわたる商品情報を保有している。商品情報は、JANコードを基に登録され、品質情報や画像情報も含まれる。JIIは、PITS標準項目に準拠した品質情報管理システム「Q-PITS」を提供し、業界全体の効率化と業務省力化を目指している。Q-PITSは、商品規格書の標準化とデータ連携を推進し、品質情報の正確性と利用の利便性を高めている。
 
4. 食品製造における食品データシステムについて(JFEシステムズ株式会社
JFEシステムズのMerQurius(メルクリウス)は、食品メーカー向けの統合データベースシステムである。商品企画、試作、配合設計、表示作成、規格・仕様・パッケージ作成、顧客向け商品カルテ作成などの業務を支援し、正確かつ最新の原料・包材・商品の規格情報を一元管理する。MerQuriusは、食品法規に対応し、原料規格書の収集、原材料表示の自動作成、商品開発の効率化を実現する。また、食品メーカー間での情報共有を促進し、品質保証や営業活動を支援する。
 
 
<配布資料>
【議事次第】第2回食品表示へのデジタルツール活用検討分科会
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241202_01.pdf
【資料1】CCFL48での議論の報告
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241202_02.pdf
【資料2】GS1 Japan提出資料
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241202_03.pdf
【資料3】ジャパン・インフォレックス提出資料(配布用)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241202_04.pdf
【資料4】JFEシステムズ提出資料
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241202_05.pdf
 
 
 
<一次情報>
第2回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会(2024年12月2日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_014/040114.html
第2回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会の開催について
https://www.caa.go.jp/notice/entry/040112/
https://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms201_241126_01.pdf
 
<関連情報>
第1回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_014/039420.html
 

 







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