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【農林水産省・水産庁】第3回資源管理方針に関する検討会(ステークホルダー会合)(マサバ太平洋系群・ゴマサバ太平洋系群) 概要

【農林水産省・水産庁】第3回資源管理方針に関する検討会(ステークホルダー会合)(マサバ太平洋系群・ゴマサバ太平洋系群) 概要(本文1,932文字)
 
 
農林水産省・水産庁は、令和6年8月1日に第3回資源管理方針に関する検討会(ステークホルダー会合)(マサバ太平洋系群・ゴマサバ太平洋系群)を開催し、水産資源としてのマサバならびにゴマサバについて管理方針、状況他について検討を行いました。
 
<議事>
1. 現行の資源管理方針について
2. 資源の状況について
3. 今後SH(ステークホルダー)会合で検討すべき事項について
4. 今後のスケジュールについて
5. まとめ
 
<用語の解説>
ステークホルダー向けの本検討会の議事内で使用されている用語のうち、特に重要なものを登場順にピックアップします。
■資源管理の目標: 令和元年度資源評価結果を踏まえて目標管理基準値等の資源管理目標を設定
■MSY: 最大維持可能漁獲量または最大持続生産量、生物資源を減らすことなく得られる最大限の漁獲量、Maximum Sustainable Yield
■TRP: 目標管理基準値、MSYを達成するために維持・回復させるべき目標となる親魚量、Target Reference Point
■LRP: 限界管理基準値、下回ってはいけない資源水準の値、MSYの60%の漁獲量から得られる親魚量、Limit Reference Point
■禁漁水準値: MSYの10%の漁獲量から得られる親魚量
■漁獲シナリオ: 資源水準の値に応じた漁獲圧力(Fmsy)を決定する
 ア. 親魚量が限界管理基準値以上にある場合には、MSYを達成する水準に係数βを乗じた漁獲圧力とする
 イ. 親魚量が限界管理基準値を下回るが、禁漁水準以上ある場合には、親魚量の値に応じて更に削減した漁獲圧力とする
 ウ. 親魚量が禁漁水準を下回る場合には、漁獲圧力をゼロとする(実際の管理においては、目的採捕の禁止)
■β: 資源回復のために用いられる係数、資源が低水準(乱獲状態)ほど値の小さいβを適用する
■ABC: TACを決定するために用いられる生物学的許容漁獲量、Allowable Biological Catch
■TAC: 漁獲可能量、Total Allowable Catch
■EEZ: 排他的経済水域、Exclusive Economic Zone
■NPFC: 北太平洋漁業委員会、North Pacific Fisheries Commission
■SBmsy: 期待される漁獲量がMSYとなる親魚量
 
<概要>
1. 現行の資源管理方針について
1-1. マサバ太平洋系群
1-1-1. 資源管理の目標
・ MSY: 37.2万トン、TRP: 1,545千トン、LRP: 562千トン、禁漁水準値: 67千トン
1-1-2. 漁獲シナリオ
・ 親魚量が10年後(2030年)に目標管理基準値を50%以上の確率で上回る漁獲シナリオのうち、将来の漁獲量が最大となるβ=0.9を選択
・ 2030年漁期に親魚量がTRPを上回る確率は52%になると算出
1-2. ゴマサバ太平洋系群
1-2-1. 資源管理の目標
・ MSY: 10.5万トン、TRP: 158千トン、LRP: 50千トン、禁漁水準値: 6千トン
1-2-1. 漁獲シナリオ
・ 親魚量が10年後(2030年)に目標管理基準値を50%以上の確率で上回る漁獲シナリオのうち、将来の漁獲量が最大となるβ=0.9を選択
・ 2030年漁期に親魚量がTRPを上回る確率は54%になると算出
1-3. マサバ・ゴマサバの一体管理等
・ マサバとゴマサバは同時に大量に漁獲されることから、一括管理する
・ 資源評価は個々に実施し、ABCの合計値を日本EEZ内のTACとして設定する
1-4. IQ管理の導入
・ 平成26年度の「資源管理のあり方検討会」のとりまとめを受け、令和3管理年度から改正漁業法に基づくIQ管理に移行
・ IQ管理区分では、大中型まき網漁業に対し11月1日から翌年3月末までの漁獲可能期間を設定し、留保枠の事後配分は行わず計画的な操業を促進、未利用分は留保枠に繰り入れまたは追加配分する
1-5. 沖合底びき網漁業区分の新設
・ 近年のTAC報告データに基づく適切なTAC管理を実施するため、令和6管理年度から、沖合底びき網漁業に新たな大臣管理区分を設定、配分数量を明示して管理する
1-6. その他(NPFCにおける資源管理の状況)
・ NPFCでは、マサバ・ゴマサバ太平洋系群の資源管理を強化し、2024・2025年漁期のマサバ漁獲量を10万トンに制限する
・ 7月の技術作業部会で資源評価を実施し、12月の科学委員会で報告の予定
2. 資源の状況について
マサバ太平洋系群ならびにゴマサバ太平洋系群の資源の状況は下表のとおり;
 
表: マサバ太平洋系群ならびにゴマサバ太平洋系群の資源の状況(検討会配布資料をもとに筆者が作成)

3. 今後ステークホルダー会合で検討すべき事項について
「資源管理の目標について」ならびに「漁獲シナリオについて」の2点、および関連するその他の事項
4. 今後のスケジュールについて
令和6年12月17日から開催予定のNPFC科学委員会第9回年次会合の結果報告を受け、令和7年1月に第4回SH会合を開催し、令和6年度資源評価結果について、資源管理の目標(案)および漁獲シナリオ(案)の提示を含む説明、資源管理目標、および漁獲シナリオ等を検討する予定
 
<配布資料>
資料1:議事次第
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/attach/pdf/231027_3-52.pdf
資料2:出席者リスト
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/attach/pdf/231027_3-64.pdf
資料3:現行の資源管理方針について
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/attach/pdf/231027_3-58.pdf
資料4-1:資源の状況について(マサバ太平洋系群)
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/attach/pdf/231027_3-59.pdf
資料4-2:資源の状況について(ゴマサバ太平洋系群)
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/attach/pdf/231027_3-60.pdf
資料5:今後SH会合で検討すべき事項について
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/attach/pdf/231027_3-61.pdf
資料6:今後のスケジュールについて
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/attach/pdf/231027_3-62.pdf
※議事録は後日公表予定
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/231027_3.html
 
 

 <一次情報>
第3回資源管理方針に関する検討会(ステークホルダー会合)(マサバ太平洋系群・ゴマサバ太平洋系群)
https://www.maff.go.jp/j/pr/event/kaigi.release.html#0801
 
<参考情報>
【国立研究開発法人水産研究・教育機構】
資源評価・資源管理の用語
http://abchan.fra.go.jp/yougo/yougo.html
用語集
https://www.fra.affrc.go.jp/shigen_hyoka/SCmeeting/2019-1/glossary20190610.pdf
【一般社団法人漁業情報サービスセンター】資源評価票ダイジェスト版 用語集
https://www.jafic.or.jp/tac/abc/pub104-2t.pdf
 
<関連情報>
【水産庁】資源管理の部屋
(5)資源管理方針に関する検討会(ステークホルダー会合)

1. サバ類
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/231027_3.html
2. マアジ・マイワシ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/231027_10.html
3. スケトウダラ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/231027.html
4. ズワイガニ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/231027_9.html
5. スルメイカ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/231027_8.html
6. カタクチイワシ・ウルメイワシ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/231027_7.html
7. マダラ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/231027_6.html
8. マダイ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/231027_5.html
9. ブリ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/231027_4.html
 

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