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教育、言語、働き方から見るフィンランドとドイツの違い

ドイツに暮らし始めて半年、フィンランドとの暮らしの違いが見えてきました。
言語による限界はありますが、私はどの国に住むにもその国の文化・歴史を知り、現地の人を観察してなるべく溶け込むようにしています。
そんな中で、欧米のドイツと北欧のフィンランドと分けられるように少し生活の様子が異なっているなと思いました。
そこで、ここでは私が感じたフィンランドとドイツの違いを教育、言語、働き方別にまとめてみました。

教育:自立性のフィンランド、専門性のドイツ

フィンランド人とEU国籍の人にはフィンランドは大学院まで国公立の教育費用が無償。
加えて、年齢や収入にもよりますが、大学生には家賃(最大家賃の80%をカバー)生活費の補助(EUR 90.85 - 204.42/月)が出ます。
手厚い保障がありますが大学の数が少ないため、大学入学の競争が激しいと聞きました。何年も受け続けている人も。
自立性を重んじるため、自分の教育カリキュラムを小学生から先生、親と話し合って、子供が自ら決めていきます。だからか、勝手な感覚ですが、聞き分けがいいというか大人びた自律した子供が多いように思いました。

ドイツも大学院まで国公立の教育費用は無償です。大きく異なるのは10歳で職業訓練校に行くか、大学に行くかを決めなければいけません。大学に行く選択をした場合はギムナジウム(Gymnasium)という、日本では中高にあたる大学進学のための資格をとる学校に行きます。
もちろん途中で進路変更できたりもするそうですが、日本の教育に慣れた私からするととても酷な選択だなと思います。日本では大学受験や就職でやり直せるチャンスがあるのがありがたいと思えるほどです。様々な意見がありますが、専門性を磨いていくことを重視しているのが見えてきます。就活をしながら採用担当の人の経歴をLinkedinで見ていても、職種が一貫している人が多かったです。
また自分の考えをしっかりもつことを多く教えられてくるそうで、はっきりと意見を言う人がフィンランドに比べて多いように思います。お世辞や忖度がない雰囲気です。日本人とドイツ人が似ていると言われますが、第二次世界大戦までの話なのかなと思うほど、なんだか自分持っていて強いな!というイメージです。

言語:ヨーロッパの大国ドイツ、小国のフィンランド

フィンランドのサウナ、ムーミン、マリメッコ、教育が日本では広く知れ渡っていて、フィンランドは北欧の中でも身近な存在かもしれません。しかし、フランスやドイツから見たフィンランドは寒く雪の降る国、冬にロバニエミに旅行に行くといったイメージで、日本におけるフィンランドほど注目されていません。フィンランド人も人口550万人小国であることは自覚しているからか、まず英語が通じます。北欧諸国に共通することですが、英語だけで日常生活困ることがありません。一番助かるのは行政の手続きが全て英語でできること。現地の言葉を知らない移住したばかりの外国人とっては、ビザや税金の手続きなどとてもありがたいです。もちろん、公式書類は公用語のフィンランド語とスウェーデン語ですが、窓口の人やサイト、必要申請書類は英語対応が可能です。
私が今住んでいるドイツのベルリンは比較的英語が通じるので生活に困ることはほとんどありません。ベルリンはドイツの中でもとても国際的な都市で、170カ国から来た約83万人の外国人、ベルリンの人口比にして22%が暮らしています。フランクフルト(74万人)、ミュンヘン(約40万人)も多いですが。(ちなみに東京に住む外国人は約51万人、人口比4.1%)。そのため、生活面においてはお店に行っても大抵は英語が通じるので助かっています。ただし、行政関係の書類や窓口のほとんどがドイツ語です。ドイツの人口は8320万人、フィンランド550万人の約15倍、人口と経済規模も含めてドイツがヨーロッパの大国であることを感じました。フィンランドでは嬉しがってはくれるもののフィンランド語を勉強してもそんなに役に立たないよー笑って言われることが多かったですが、ドイツではドイツに住むならドイツ語話さないと!という感じで言われることが多く、自国にプライドを持っていることを感じました。こういった大国に囲まれてきた日本とフィンランドが似ているところかもしれません。

働き口:英語だけで働くこともできるベルリン、フィンランド語ができた方が良いフィンランド

人口が少なく日本と同様に高齢化社会が進んでいるフィンランドは、ビジネスチャンスや、労働人口の確保のためにも英語が必要になってきていると言われています。1年以上前ですがヘルシンキ市の市長はヘルシンキ市を英語の都市にする政策を掲げています。が、職種にもよりますが、英語で行える働き口が少ないです。そのため私も含めてですが、36%以上の外国人留学生は留学後フィンランドを離れます。多くの国に共通していることだと思いますが、エンジニアなどは英語さえできれば雇ってもらえる可能性はとても高いですが、やはり多くの職にフィンランド語を求められます。フィンランドでは無職の場合、職業訓練学校でフィンランド語を無料で学べ、生活補助を受けることもできますが、まずは英語での働き口を探してそこから現地の言葉を覚えていきたいという声も外国人の友人から聞きました。

今回ドイツと括らなかったのは、ベルリンはドイツの他の都市と比較しても移民や外国人が多く、都市人口の約23%を占めます。そのためヘルシンキと比較しても英語だけでも大丈夫な企業が圧倒的に多いように感じました(デュッセルドルフなど日本企業が多いところは別かもですが、他の都市はドイツ語が必要だと聞きました)。言語の欄にGerman is huge plusと記載された求人がほとんどですが、特にベルリンのベンチャー企業ではドイツ語を話せなくても差し障りなく働き、昇進もというのを耳にします。
私の夫もドイツ語を話せず英語をメインにベルリンで働いています。ただやはり思うのは、ドイツにおいてヨーロッパの他の言語を話せることも大きいなと思います。夫はフランス人なので、フランス語を話せ、顧客や同僚とフランス語で話しているのを耳にします。ですが、やっぱりドイツ語ができるに越したことはありません。
また、フィンランドと同じようにドイツも無職の場合、世帯収入によって無料でドイツ語教室に通うことができます。

ただ、そんな中でも2国に共通しているのは、仕事は生活のためのもので人生の最優先事項ではないことです。なので、帰宅時間は17時前後。特にドイツではキリスト教の影響もあり、日曜日はスーパーを含めて多くのお店が閉まっていて、街が静かです。最初は不便に感じましたが、不思議とそれに合わせて生活していくようになるので今ではそこまで不便に感じなくなりました。また祝日もキリスト教関係のものがほとんど。また信者は所得税の8-10%を教会税として支払う必要があります。フィンランドにも同様の制度がありますがドイツの方が生活に色濃くキリスト教が入っているのを感じます。
また所得税(約40%)、保険料も高いですが、教育、必要な医療、手術、出産など全て無料です。

郷にいれば郷に従え、ではないですがもちろん現地の言葉が話せるに越したことはありません。ただ、言語を話せないとしても文化・歴史を知ったり、考えを知るのはとても大切なことだと思いました。特にベルリンは街中にベルリンの壁の跡があったり、占領されていた国(USSR、アメリカ、イギリス、フランス)各地域に違いがあって、知っていることで街探索も興味深いものになります。
4カ国に住み思うのは完璧な国はないなと思います。その中でも現地に自分を適応させていくことで、現地の人にも受け入れられ、仕事のチャンスが舞い込み、コミュニティーが広げられ暮らしやすくなっていくことはどの国にも共通することだと思います。

余談ですが、ベルリンでは環境、動物保護の観点から蜂を殺してはいけないことになっています。殺した場合は罰金5万ユーロ(700万円ほど)!テラスでケーキを食べていても蜂が寄ってきます。現地の人は慣れているので、平然のはねるかそのままにしています笑

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