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フィンランド人の幸せ基準は自分起点

フィンランドが幸福度ランキング2020で世界1位に選ばれました。4年連続1位です。ちなみに日本は62位です。
このランキングはGallup world Pollに基づいて165カ国で調査が実施されたものです。
評価基準はとてもシンプルで、自分の人生を0 最悪の人生 10最高の人生と10段階で評価をするというものです。コロナ禍であっても1位になったことで、世界の多くのニュースメディアが取り上げていました。
なぜ、フィンランドが幸福度ランキングでいつも高い位置にいるのか、フィンランド大使館がフィンランド人の幸せについての動画を公開しているので、ぜひご覧ください。https://youtube.com/playlist...

そこで、私はフィンランド人は幸せの国となっていることについてどう思っているのか数人に聞いてみました。結構悲観的な人が多く、幸せそうな顔の人がどこにいる??アルコール中毒者やうつ病の人も多くいるし、と。
ただ、幸せと感じる基準が他の国よりも違うのかもしれないと言われて、その基準が違う理由を考えてみました。私がコロナ禍でこちらに住んで感じたことを基準に紹介します。

■教育と自立した精神
フィンランドの小学校では自分で学習計画をたて、それを先生と話していき、学期末に先生や両親と面談をして見直します。とても子供に任せられています。
学校のカリキュラム自体もそれぞれの先生に任せられています。また自分で自分のことを評価します。テストもほぼなく、学校のレベルがどうということもないので、偏差値という概念がないのかもしれません。つまりは他人からの評価を受けることが少ないといえます。
学生や無職の人への社会保障がしっかりしているため、高校を卒業すると親元を離れ、基本的には皆一人暮らしをします。友達の話を聞いていると、親も子供が幸せであればいいと干渉をしない人が多いように思います。
多くの人が自立した精神を持って、自分を起点に生活しているのが分かります。

■自分の人生を自分でハンドリングしている感覚
幸せを図る際の指標にも使われることですが、自分の人生をハンドリングできる自由があることが幸せにつながっていると思います。
それには社会保障や男女平等の社会があることが大きく働いているとは思いますが、一点目にあげた教育や精神性も大きく影響していると思います。

■公共サービスがスムーズ
バス、電車、地下鉄など公共交通機関はほぼ時間通りに来ます。また遅延もとても少ないです。また、行政サービスがとてもスムーズです。フィンランド語を話せなくてもほとんどの人が英語を話せるので困ったことがありません。行政手続きの質問をしても返信は大抵1日以内に来ます。社会保障費や教育費用の違いはあれど、外国人であってもフィンランドはとても暮らしやすいと感じます。

■SISUのマインド
レジリエンスに近い言葉だと思いますが、フィンランド人の中にはSISUというマインドがあると言われています。冬の寒さ、厳しい自然と共存していく必要のあるフィンランドならではのマインドだと思います。
*ちなみにAalto Universityの勉強計画を立てるシステムもSISUです。SISUのマインドを持って勉強しなさいということでしょうか。SISUについて詳しくは『フィンランドの幸せメソッドSISU』を読んでいただければと思います。

■自然との共存
フィンランドは日本と似ていて、国土の約70%が森です。さらに115,000個の湖があると言われていて水がとても豊かで、水道水を飲めます。
そして全ての森に誰でもアクセスができ、夏はブルーベリー、リンゴンベリー狩りやキャンプ、秋はきのこ狩りやピクニック、冬はクロスカントリーや凍った湖でスケートや釣り、など四季折々森で楽しめます。先日は凍った湖の上でスノーカイトをやっている人をみました。サウナを含めて、人工物に頼らない楽しみ方を知っているのは、コロナ禍の今、生活をどう楽しくできるかに大きく関わってきます。

毎朝散歩をしている近所の森です↓

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全体的に、自分の幸せどころがわかっていて、高望みをせず、それを満たすために、もしくはそれを壊さないためのラインを弁えているという印象を受けました。そのため、無理をしているな、取り繕っているなという印象を受ける人がほとんどいません。
自国に対しては悲観的な人が多いフィンランドですが、こういった要素は自分の幸せを考える上でもヒントにできるなと思いました。



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