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インテリアと白い壁の魔力
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私が初めて部屋に絵画を飾りたくなったきっかけは、広々とした真っ白な壁に囲まれた新居に引っ越した時でした。
学生時代の初めての一人暮らしは、新鮮でわくわくするものです。
当時、流行していた「ミニマリスト」のようなシンプルでおしゃれな空間に憧れ、必要最小限のもので生活していました。そのため、部屋は引っ越し直後のように常に空っぽでした。
しかし、物が少ないためか、部屋は体育館のように音が反響し、冷たい印象を受けるようになり、しばらくすると、部屋の冷たさを感じ始め、無意識のうちに明るい色を求めるようになりました。
タオルを赤にしたり、カーペットをオレンジにしたりして、原色を取り入れることで部屋に活気を与えようとしていたように感じます。
同時に、外出する機会も増えていったような気がします。(汗)
要するに、家にいると落ち着かないのです。
白い壁が部屋を締め付けるような緊張感を与えるように感じられたのです。
今、考えると、白い壁を連想させるものは、病院や学校です。特殊な環境だからこそ緊張感があって良いので、リラックスする部屋には不向きです。
人の好みはそれぞれですし、そういう環境を好む人が居るのも当然です。
ですが、私にはミニマミストのような環境は、緊張してしまい合いませんでした。
最終的に、原色の布地を、壁にカーテンのように取り付けた所、何ともおしゃれな空間に変わりました。
そして、今度は逆に、白い壁が大好きになりました。
カラフルな原色と白い壁は、とても「清潔感のある空間」を作る組み合わせです。部屋を一瞬で蘇らせます。
この時以降、私が作る作品は全て、派手でカラフルな作品へと変貌する事となりました。(笑)
また、制作する上でも、見た方に出来るだけ「温かさ、温感」を感じられるように制作しています。
話しは戻りますが、白い壁は、「魔法の壁」です。
生かすも殺すも、使い方次第ではないかと思います。
そして、白い壁の魔力に打ち勝つには、原色を「差し色」で取り入れる事です。
「一瞬」で部屋の空気を変えてしまう事でしょう。
そして、皆様を居心地の良い空間へと誘います。(笑)