見出し画像

宿泊学習を通して考えたこと

私は、ある地方の公立小学校教員です。
今回は、「宿泊学習」について考えたことを書こうと思います。

長くなりそうなので目次付きにしました。
興味のあるところだけでも読んでいただけると幸いです。


私は、教員人生は十数年ですが、今回の宿泊学習が7回目となります。約2年に1回ぐらいの頻度で参加をしています。
複数校での経験を踏まえて、今回の記事を書いています。

日数

まず、日数についてです。
私はこれまで1泊2日と2泊3日の2パターンの宿泊学習に参加をしました。

教員側と子ども側、保護者側で意見は分かれると思いますが、私は2泊3日が良いと思っています。

理由は、大きく2つあって、1つ目は、2日目の朝から寝るまでまる1日家族と離れる経験が大きいと思うからです。

もう1つは、子どもが初日に失敗をしたとして、2日目、3日目と取り戻すチャンスがあるからです。
例えば風呂の入り方などは1泊であればチャンスは1度ですが、2泊すれば、初日を生かして2回目は上手に行うことができるようになるからです。

ただ、教員の負担は1泊から2泊になることで、大きく増加します。
このあたりのバランスは大事かもしれません。

スタンツ

全国的なことはわかりませんが、私の住んでいる県では多くの学校でキャンプファイヤーかキャンドルサービスが行われます。
最近ではキャンドルが多いかもしれません。

その中で、いわゆる出し物の時間があります。
通称スタンツです。

私は、キャンプ協会主催のキャンプなどに参加をしていたこともあり、即興劇としてのスタンツこそが正しいスタンツだと思っていました。

学校で行うスタンツは、時間をかけて準備をし、時には小道具を使ったりするので、本当の意味のスタンツではないとも思っていました。

しかし、今まで勤務したどの学校でも伝統的に行っているスタンツの形を変えることは、若手だった自分にはできずにもがいていました。

しかし、最近これはこれでよいのではないかと思うようになりました。
いわゆる即興劇を行っていたときは、一期一会のメンバーでのスタンツですが、学校では十分な時間がとれます。
意義や目的をはっきりとさせた上で、取り組むのであれば「学校型スタンツ」として、もはや一つの文化とも呼べるのではないかと思います。

とはいえ、授業時間を使って準備をガチガチにしていくのも違うなと思うので、このあたりもこれから変わっていくのだろうと思います。

参考までに、今回子ども達はロイロノートの共有ノートを使って台本のような物を共有し、休み時間に練習をしていました。

部屋での過ごし方

修学旅行と違って、宿泊学習は大人数で泊まることが多いです。
まさに「一つ屋根の下」で寝泊まりをします。

この部屋での過ごし方が見過ごされがちですが、事前指導が必要です。
どんな目的で行く宿泊学習なので、どんな過ごし方をしたいのか。
事前に子どもと確認をしておく必要があります。

みんなでできるゲームをしたり、テーマを決めてみんなで話合ったり(先生も入って)、意外と多いこの部屋での時間の充実が大切だと思います。

「令和型」

昔はこの宿泊学習は、「宿泊訓練」と呼ばれていたらしいです。
なんとなく昭和なイメージです。
私が自分の小学校時代に行ったのは「宿泊学習」でした。
今も名前は変わっていませんが、私は今の令和の宿泊は「宿泊体験」ではないかと思います。

例えば、風呂の入り方、薪の割り方、火の付け方など多くの活動が子ども達にとって初めてということが多かったです。

体験格差という言葉もネガティブな意味で出回っていますが、そもそも親以外と宿泊をすることが初めてという子が大多数です。

もはや宿泊を通して何かを学ぶというよりは、宿泊するとは何かを学ぶことの割合が大きいように思います。

昨今、行事の見直しが叫ばれています。
この宿泊学習は担当になると負担の大きい活動ではあります。
しかし、一つの貴重な体験ができる場として持続可能な形で続けていくことが大切だと思います。

それが1泊にすることなのか、中身の精選なのかはわかりません。
また、若手教員が増えたことにより教員間で伝えることができずに形だけの宿泊を行っているようなケースもちらほら見聞きします。

行動制限のなくなった今年度か来年度あたりが見直しの大きなチャンスだと思います。

もう一度意義・目的をしっかりと見直していきたいと思います。

自分の家庭

私は子どもが生まれてから二度宿泊にいきました。
前回は妻が育休中だったこともあり、大きな負担増にはならなかったようですが、今回は我が家的には大ダメージでした。

朝の準備、送り迎え、お風呂、寝かしつけ全て妻一人に任せることになりました。

私は宿泊学習は好きで5年生を受け持つことに抵抗感はあまりないのですが、家族がいることで後ろ髪を引かれるような思いにもなりました。

おまけ【ICT】

宿泊学習とICT、全くなじまないようですが、以外と親和性は高いです。

まず、事前準備で使えます。
・スタンツの台本【共有ノート】
・持ち物の確認【写真の投影】

宿泊学習中
・しおり→iPadのGoodnotesで管理
・音源iPadからBluetoothスピーカーで流す。
・写真撮影もiPad
→頑張れば、Canvaなんかを使って宿泊中に思い出ムービーができる?

事後
今年度の流れや写真をロイロノートに集約しようと頑張っています。
写真だけでなく反省や気付きをロイロノートなどクラウド上で残すことによって、意味ある引き継ぎができるのではないかと思っています。

長々と書いた上にまとまりきらない内容になってしまいました。
しかし、現時点での自分自身の考えとして言語化しておくことは、後々の自分(来年の自分?)の参考になるのではないかと思っています。

また、読まれた方の何か考えるきっかけになっていただけたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?