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「ドラクエⅢ的な授業」をしていこう
地方で公立小学校教員をしています。
最近は(子育てを始めてから)めっきりゲームをする時間が減りました。
全盛期の10分の1ぐらいにはなったのではないでしょうか。
それでも年に1、2回程度新しいゲームソフトを買ってはゆっくりと楽しんでいます。
最近では『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ・・・【HD-2D版】』を最後までやり込みました。
私は、小学生の時にファミコン版(発売当初ではない)と、スーファミ版をやりました。
そして、中学生ぐらいの時にゲームボーイカラー版でリメイクされたものが一番やり込んだ(メダル・・・)ドラクエⅢです。
さて、本題です。
「ドラクエⅢ的な授業」というよくわからない例えについて言語化します。
ゲームを授業に例えてみると
まず、そもそもの前提として一つの単元を一つのゲームとして考えてみます。
ここでは比較のためにRPG(ロールプレイングゲーム)で話を進めます。
私が思うRPGゲームの楽しさは「発見」と「成長」です。
新しい街やダンジョンで何かを発見したり、自分なりの戦い方を発見したりすることが大きな楽しみです。
また、敵と戦ったり新しい武器防具や呪文などでキャラクターが成長していくのも楽しいです。
これはそのまま授業にも当てはめることができる要素だと考えています。
授業の中で新しい知識を発見したり、友達の新たな一面を発見したりすることと同じです。
また、自分が学びによって成長したり学級全体で成長したりすることともつながっていると思います。
一本道RPG
大前提として、私はストーリーが重厚ないわゆる一本道のRPGも大好きです。
これを授業に当てはめて考えた時に
制作者→授業者
プレーヤー→子どもたち
とすると、プレーヤーである子どもたちは授業者のガイドラインに沿って学びを進めていきます。
知識伝達の場面では効果的なのでしょうが、この形式では、ゲームでいうところのストーリーや仕掛けがとても大事になってきます。
一本道であるが故に、一回ドロップアウトしてしまうとなかなか戻ってくることが難しいです。
オープンワールドRPG
では、最近流行りのオープンワールドはどうでしょう。
ちなみに私はあまり得意ではありません・・・。
こちらも授業として考えた時に、子どもたちが迷子になる可能性が高いです。
また、目的が一人一人違えば(違いすぎれば)授業者のファシリテートスキルはとんでもなく高いレベルを求められます。
そして、目的(授業で言うとめあて)を忘れてずっと遊んでしまうかもしれません。
そこでドラクエⅢ
ドラクエⅢは、この両者のバランスが非常に良いと思います。
また、授業のメタファーとしてとても多くのものを含んでいます。
まず、目的です。
プレーヤーの目的は魔王バラモスを倒すことです。
しかし、制作者の設定したラスボスは大魔王ゾーマです。
子どもたちからすると、目の前の目的に向かって冒険を進めていくうちに実は更に続きがあることを知ります。
そしてほとんどの場合、バラモスまで倒して「よし、やめた」とはならないでしょう。
続きが気になるので、物語を進めるとなんと・・・
ここの感覚は、「あ〜去年学習した◯◯と繋がっていたのか」と言う驚きへと繋がっていくと思います。
また、ゲーム性自体も実は中盤以降は冒険の順序はプレーヤーに委ねられます。
一人で冒険しようが、パーティを組んで冒険しようが自由です。
途中、強制的に一人になるところなんかも学びの中では効果的です。
ここまでをまとめると、
ある単元の始めは一斉授業で学習。
中盤は自由進度的に学習。
最後は再び同じ目的に向かって揃って学習。
クリア後もまだ続けたい人はどうぞ。
このようなスタイルがちょうどいいなぁとドラクエをしながら考えていました。
令和版として
また、過去のドラクエⅢにはなかった要素ですが、物語の進行状況に応じて大まかなガイドラインが表示されるようになりました。
確かにファミコン版の仕様では授業として考えると不親切です。
新たな職業として「魔物使い」も登場しました。
新しいことを入れると色々とテストやデバッグ作業など大変だと思いますが、その挑戦が素晴らしいと思いました。
学校現場でも生成AIを取り入れたりすることと似ている・・・?
とまぁ色々と述べてみましたが、私のゲーム歴からいうとFFⅩで七曜の武器を揃えて全てを超えしものを力押しで倒したり、ゼルダのVoWで物語迷子になって一旦途中で投げ出したことも含めての「ちょうどいい」と言う感覚です。
話は全く変わりますが、20年以上の時を経て再びドラクエでこんなに熱くなれるなんて、本当に生まれたタイミング、生きているタイミングが良かったなぁとしみじみと浸っています。
ゲームをされないお方やドラクエⅢを知らない方にとっては???な内容だと思いますが、ご容赦ください。