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超短編・即興小説

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時間は永遠の動く影 人生は短い
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記事一覧

【超短編小説】私を食べたこともないくせに

 君からラインが来た。  どうやら私の母が、誕生日プレゼントで白米を贈ったらしい。君の感…

誰でもいいから救ってくれよ

 僕は虐められている。虐めといっても大したことは無い。僕の話や挨拶をわざとらしく無視され…

ちょっとシニカルで絶望的なこういうの小説が好き

短編ミステリー「教会にて」

 それから、不思議な人を見た。夕暮れ、教会のステンドグラスに差す斜陽、眩しい。だがその人…

蜘蛛の夢

 仔細は忘れたが、蜘蛛の夢を見た。その日、僕は二匹の蜘蛛を家の中で見つけ、殺した。  次…

永遠と停滞と月明かり

 休もうとして休めるなら、それは幸福だ。それが出来ずに終わりの無い思考に延々と磨り潰され…

生活

 生活がにじり寄って居た。僕は眠れもせず、温かく朧げな小さな光をつけて、カフカを読んでいた。  ほとんど世捨て人の生活を送っていた。時々世間を思い出しては、ベッドで転がって泣くことがあった。カーテンは閉め切っていた。それでも足りないので。真っ黒な遮光カーテンを買って、元の遮光カーテンと二重にした。随分マシになった。だがまだ足りない。  のっぴきならない事情で、僕は世間に出て行かなければならなくなった。人には会いたくなかった。人は好きだが、この上なく苦手だった。人とかかわった後