ある日のこと。

大学へ、新品のものを身につけて行った時、
それ新しいやつ？と聞かれると、昔使ってたやつに戻したって、謎の言い訳をしてしまう。

「なんかわかるわー」と、彼女は言った。

彼女は、入学以来ほぼ授業を一緒に受けている。
一緒に受けようとは1度も言ったことは無いが、なんだかんだ一緒に居る。2人でいるのが結局心地いい。

ほぼ毎日一緒の彼女に、余計なことを言ったのが悪かった。

今持っているトートバッグは今月買ったものだ。
毎日一緒にいる彼女には新品かどうかばれてしまう。

おととい、「それ、新しいやつ？」と聞かれ、
前使ってたやつに戻した、ほら糸出てるよ。と変な言い訳をしたばかりだった。

まずい。発言が嘘だったことがバレてしまう。
トイレが長くて大便なことがばれるくらい恥ずかしい。

いっその事ほんとのことを言うか？
いや…このまま様子を見よう。
数秒の沈黙がえらく長く感じられた。

結果私は勝った。

彼女は、私たちがさっき買ったクレープ屋のキッチンカーに目をやり、前にたむろしている茶髪の大学生を見ている。
彼女の意識はもう私の発言には向いていない！

「最近初めて眉サロン行ってさー」

えーいいじゃん！どうだった？と返す。
完璧だ。私は勝ったぞ。
小さい賭けに勝ち続けることが人生大切なんだ。

トプ画
ただの自撮り。最近タコハイハマってます🐙