サブミッション・エスケープ(2) ーアームバー編 ー
1 私がBJJを初めて2年くらいの間は先達から「パスガード」した事がなかった。パスガード・テクニックについては、基本ドリルに入っている「ニーカット・パス」しか知らなかったのだから、当然と言えば当然だろう。
当時の私は先達が各種「オープンガード」のテクニックを覚えるための実験台として重宝されていたと思うが、「オープンガード」からのアタックを防いでいると、今度は「クローズドガード」に閉じ込められる。基本ドリルに「クローズドガード」を割るテクニックは存在するが、これも相手は先刻承知なので、全くと言っていい程通用せず、姿勢を崩されて、腕十字や三角締めでタップを量産し続けていた。
ただ、さすがに入会してから1年以上毎日毎日同じような状況が続いていれば私も対処法を考える。
とりえあず、腕十字や三角締めにエントリーされるのは仕方がないので、そこから担いで下からのサブミッションを潰そうと考えたのである。
この動画を参考にしたわけではないが、2:59~で紹介されている「スタック・エスケープ(パス)」を徹底してやった。
面白いもので、先達の「クローズドガード」を割る事は出来なくても、腕十字や三角締めに対するカウンターとしての「スタック・パス」は、打ち込みを繰り返せば繰り返すほど精度が上がり、いつしか私が先達を「パスガード」出来る数少ないテクニックの一つになっていった。
私が「サブミッション・エスケープ」の面白さに目覚めたのは、この「スタック・エスケープ」の成功体験があったからで、当時はまだサウロ・ヒベイロの『柔術大学』を購入する前の段階だったから、私は「フレームディフェンス」よりも先に「サブミッション・エスケープ」からテクニックを習得し始めたのである。
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