おいおい

俺の語る一言で あなたの陰に日を落として
徒然なるままに あなたの日陰になれたら

あなたの身を苛む綻びは 目が眩むほど綺麗で
火照る夏の夕に溶けた あなたの首飾り

海を眺めていた 夏に照る遠い海を
あなたが居ない街から
遠いあなたの背をなぞった
かんかん照りの街路の奥
陽炎が揺らめいた それがあなたなのなら

おいおいと嗄れる声が
あの凛々しくも澄んだ雨を似て
何処か遠くのあなたを
苦しめてはいないだろうか
あなたの居ない夏の終わり
また酷くはにかんだ顔で
海の向こうを眺めたまま

忘れないででと仰いだ空は
燦々とするまま晴れていて
寂しく笑うあなたを似て
また赤らんだ頬を濡らす


何も語らないままで いつまでもあなたの側で
降り注ぐ憂いから 黙って傘を挿せたら

俺の身に祟る不甲斐なさは
あなたはきっと知らないまま
遠く灯る灯火に 何か思いを馳せたまま

おいおいと嗄れる声が
何も語らぬあなたの頬を濡らすなら
変わらぬ俺のことなど
どうか忘れ去ってくれ
あなたの居ない街で独り
また酷くはにかんだ顔で
仄明かりを見つめたまま


忘れないででと仰いだ空は
燦々とするまま晴れていて
寂しく笑うあなたに似て
また赤らんだ頬を濡らす


おいおいと嗄れる声が
あの凛々しくも澄んだ雨を似て
何処か遠くのあなたを
苦しめてはいないだろうか
あなたの居ない夏の終わり
また酷くはにかんだ顔で
海の向こうを眺めたまま

忘れないででと仰いだ空は
燦々とするまま晴れていて
寂しく笑うあなたに似て
また赤らんだ頬を濡らす

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