古典語で作文 その11
#国語教育 #入試 #高校生 次の文を古典語彙を用いて書き換えよ。
古典語で作文 その11
(現代日本語)
朝の7時頃に質問する場合 → 朝ご飯の時間帯に質問する。
この場合の「~た」は
完了の動作
と考えられる。
◎ 朝ご飯は食べましたか。
はい食べました。 → 「はい、もう食べました。」という言い方も出来る。
いいえ食べませんでした。→ 「いいえ、まだ食べていません。」という方が良い。
夕方の6時頃に質問する場合 → 朝ご飯でなく夕食の時間帯に質問する。
この場合の「~た」は
過去の動作
と考えられる。
○ 朝ご飯は食べましたか。
はい食べました。 → 「はい、もう食べました。」という言い方はしない。
いいえ食べませんでした。→ 「いいえ、まだ食べていません。」という言い方はしない。
①(夜に質問)朝ご飯は食べたか。食べた。過去
朝食(朝餉・あさがれひ・あさげ)
食べる(くふ・くらふ・けごとす・たぶ・はむ)
過去(き・けり)
②(朝に質問)朝ご飯は食べたか。もう食べた。完了
もう(いつしか・まだき)
すでに(かねて・かねてより・疾・とく・はや・はやく)
完了(つ・ぬ・たり・り)
③夕ご飯をもう食べたか。完了
夕ご飯・夕食(夕餉・ゆふけ・ゆふみけ)
④昨日、朝ご飯を食べたか。食べなかった。過去
昨日(きぞ・きのふ・さくじつ・前日・ぜんじつ)
食べない(くらふプラスず→くらはず)
くらはずプラスき→くらはざりき くらはずプラスけり→くらはざりけり
⑤朝ご飯をまだ食べていない。完了
くらはずプラスつ→くらはざりつ くらはずプラスぬ→くらはざりぬ
助動詞の並び(す・さす・しむ・る・らる)プラス(きこゆ・たてまつる・たまふ・はべり)プラス(つ・ぬ・たり・り・ざり・めり・べかり)プラス(推量・打ち消し・過去)
⑥長い間、酒を飲んでいない。継続
長い間(ひさ・ひさしく・まけながく・ももよ・ながらく)
酒(竹の葉・つくりざけ・き・くし)
飲む(のむ・乾杯す・挙白す)
飲んでいないなあ(詠嘆・のまざりけり)
(現代日本語)
完了
をあらわすには「~てしまう)を使う。
⑦簡単なので、短時間で出来てしまった。
簡単(容易なり・たはやすし・かやすし・たやすし)
簡単に(おほなおほな・ふと・やすやすと・あふさわに)
ので(已然形プラスば・容易なれば・たやすければ)
短い(みじかやかなり・かずなし・みじかし)
短い時間(かたとき・小間・こま・しばし・寸暇・露の間・ときのま・ひととき・しまらく・つかのま・ふしのま)
出来る(あたう・得・う・よくす・むすぶ)
仕上げる(おほす・成ず・じゃうず・しをふ・なす)
完了(つ・ぬ・たり・り)
出来てしまった(なしにけり・なすプラスぬプラスけり)
⑧直ぐにかたづけてしまうので、少し待て。
すぐに(あからさまに・ただちに・たちまちに・いまいま・~からに・きと・ただいま・たちどころに・とくとく・とみに・とりもあへず・ふと・やがて・~より・見る間に)
かたづく(済む・をさまる・らちがあく)
片づける(ととのふ・とりのく・とりをさむ・をさむ・とりおく・とりやる)
かたづけてしまうので(をさむプラスぬプラスけりプラス已然形→をさめにければ)
すこし(いささ・はつはつ・やや・いささか・若干・すこしく・ちりばかり・つゆばかり・はつかなり・ほのか・まれまれ・わづか)
⑨花瓶を落として割ってしまった。
花瓶(花がめ・はないけ・はないれ・くゎへい)
落とす(とりおとす・うちおとす・うちこぼす・こぼす)
割る(こはす・くだく・破損す・損壊・そんゑ・破壊・はゑ)
(現代日本語)
経験
をあらわすには「~たことがある」を使う。
⑩彼は中国に行ったことがある。
彼(か・あのひと・あれ・さ・かれ・そのひと)
中国(唐・から・震旦・しんたん・中華・人の国・唐国・からくに・もろこし)
行く(ゆく)
行ったことがある(見知る・経る・遊学す・入唐す)
したことがある(~たることあり)
⑪私は風邪を引いたことがない。
わたくし(あ・あれ・あこ・おの・おのれ・われ)
風邪(咳気・がいき・しはぶきやみ・風邪・ふうじゃ・ふびょう・みだりかぜ)
風邪を引く(ひきかぜす・ひきこむ)
したことがない(~たることなし)
⑫大雨が降ったことがある。
雨が降る(おつ・そぼふる・ふりしく・うちそそぐ・かきたる・しぐる・そそく・そぼつ)
激しく雨が降る(ふぶく・ふりまさる・そそぐ・ふりしきる・ふりしく)
経験する(為知・ししる・しる・ならふ・めをみる・経・ふ)
大雨(ひさめ・車軸・篠突・しのをつく)
したことがある(~たることあり)
(現代日本語)
動作や出来事の起こる可能性
を「~ことがある」で表すことがある。
⑬友人と酒をのむことがある。
友達・友人(おもふどち・朋友・ぼういう・とも・かたらひびと・親朋・善知識)
一緒に(あはせて・あひともに・ともども・もろともに・ともに)
酒(竹の葉・つくりざけ・き・くし)
飲む(のむ・乾杯す・挙白す)
したことがある(~たることあり)
⑭突然いなくなることがある。
突然(うちつけに・たちまちに・きふに・卒然・唐突・とみに・にはかに・ふいに)
いなくなる・消える(うす・きえうす・けぬ・たゆ・きえいる・とだゆ)
姿を消す(くもがくれす・ちくでんす・跡を暗くす・身を隠す)
したことがある(~たることあり)
Bグループ ①から㉙まで 瞬間的に意味がわかると良いなあ。
①姫 大学に 行か せたまふ
②サクラが枝
③夕日のさして
④雪と散る
⑤サクラ咲かば
⑥サクラ咲けば
⑦行けど
⑧心細くとも
⑨多くして
⑩取りつつ
⑪咲かぬを(ぬ は「ず」と同じ)
⑫咲かぬに
⑬咲かぬものから・咲かぬものの・咲かぬものを
⑭咲かずして 咲かずて 咲かで
⑮花ぞ咲きける
⑯花なむ咲きける
⑰花こそ咲きけれ。
⑰花か咲きける
⑱花や咲きける
⑲水だに無し
⑳風すら吹かず
㉑風さへ吹く
㉒サクラ ひとつ し 咲く
㉓ひとり 行けかし
㉔な 行き そ
㉕あやまちすな
㉖サクラ 咲か ばや・咲か なむ
㉗サクラ見てしか
㉘都へもがな
㉙海を 深み
略解
①姫 大学に 行か せたまふ(行きなさる)②サクラが枝(桜の枝)③夕日のさして (夕日がさして)④雪と散る(雪のように)⑤サクラ咲かば(もし咲くならば)⑥サクラ咲けば(咲くので・咲くと)⑦行けど(行くけれども)⑧心細くとも(たとえ心細くても)⑨多くして(多くて)⑩取りつつ(何度も取りながら)⑪咲かぬを(咲かないのに・咲かないので・咲かないと)(ぬ は「ず」と同じ)⑫咲かぬに(咲かないのに・咲かないので・咲かないと)⑬咲かぬものから・咲かぬものの・咲かぬものを(咲かないのになぁ)⑭咲かずして 咲かずて 咲かで(咲かないで)⑮花ぞ咲きける⑯花なむ咲きける⑰花こそ咲きけれ。⑰花か咲きける(花が咲いたか)⑱花や咲きける(花が咲いたか)⑲水だに無し(水さえ)⑳風すら吹かず(風さえ)㉑風さへ吹く(その上、風までも)㉒サクラ ひとつ し 咲く(たった一輪が)㉓ひとり 行けかし(行きなさいよ)㉔な 行き そ(どうか行かないでくれ)㉕あやまちすな(するな)㉖サクラ 咲か ばや・咲か なむ(咲いてほしい)㉗サクラ見てしか(見たい)㉘都へもがな(都行きたい)㉙海を 深み(海が深いので)