シリーズ山で死にかけた話(其の2 里山編)
ネタ切れですぐに終わるであろうこのシリーズ。死にかけたなんてのは大袈裟だが、しかし下手をすると本当に死んでしまうのが、山。
某年某日
秩父御岳山
単独
1080メートルの低山であり、いわゆる里山というやつ。北アルプスの槍穂や剱岳とか登ってたから、完全に舐めきっていたと思われる。こんな里山、ぽんぽこタヌキが出てきちまうわな。だはは!ちょっとハイキングに行ってくるか。サクッと登ってサクッと帰って温泉にでもつかろうと。天罰と思われ。
御岳山自体はすぐに登れた。んが、なんか歩き足りねーなと。地図を眺めると、少し歩くと猪狩山というのがあるから、ちょっと遅くなるが、ここを経由して帰ることにする。
登山者の多いアルプスと違い、極めてマイナーで地元チックな山で、訪れる人少なく、踏み跡の少ない不明瞭な登山道だったが、たいして気にもせず、帰りは回転寿司にするかラーメンにするかとか考えながら歩く。慎重にルートファインディングするべきところ、どんどん歩く。
これがいかんかった。
あれ、この先どう見ても登山道ないんだが、登山道外れたか?戻ってみたが、景色がどこも同じで方角を完全に失った…。ん?あれ、あれれれ❓
時すでにお寿司
トキすでにあべし
さだすでにまさし
やべ迷った‼️
登山道に復帰すべく色々試みるがいっこうに見つからない。登山道って、いったん外して迷ったら見つかるもんじゃない。しかもアルプスみたいな立派な登山道じゃなく、極めて不明瞭なのだから。これが里山の怖いところ。
そうこうするうちに、辺りが暗くなり始める。コウモリが舞う。フクロウが鳴く。里山だからと、ライトなんて持ってきてない。しかも翌日は勤務ときたもんだ。完全に暗くなったらアウトだ。わずかな明かりで地図を見ると、迷ったであろう箇所の下方に林道が横に走っている。ここから地図上を縦に下れば、横に走る林道とは必ずどこかで十字にぶつかる。
これしかねーな。しかも暗くなる前にやらねばならない。即断即行。まったく人の手の入ってない、道なき道を切り開き強引に下へ降る。大量の笹が行手を阻むが、掻き分けながら。蜘蛛の巣やらわけのわからん虫がいっぱいいて難儀する。スズメバチの巣とかあったらアウトだなとか思ったりする。途中鹿と出くわす。一瞬目が合う。ワイより向こう様がびっくりしてたがね(笑)
強引に降ること30分くらいだったか。なんとか林道にぶつかる。助かった。もう辺りはほぼ夜。間一髪だった。
山域自体が小さいので、30分ですんだが、大きい山域であればこうはいくまい。途中で谷になっていたり色々な障害が考えられるし、長く歩いていれば、心理的にも不安になってきて、何より日が暮れちまう。里に近い里山なればできたことだった。
(教訓)
山というのは、異界であり、本来人が気軽に立ち入るべきではない
それが低山であっても
まあ何事も勉強と経験だな。今から思えば何事もなく帰るよりも、経験値的にはよかったのかもしれない。はぐれメタル並みの経験値は得られたか。
そして帰りの晩飯はラーメンだった…。味噌ラーメン。登山後はなぜか味噌ラーメンが食いたくなる。
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