26【硬派純情編】 めんどくさいヤンキー
中学校になると、六年生の時に私を無視していた子らが、ヤンキーのグループになっていた。
その中の一人、しおりと廊下で目が合うと、
「ちょっと顔貸して」とトイレにズルズルと引かれていく。
トイレにいた子たちは、しおりの顔を見るとスーっと出ていった。
「あんたが私から田島君とったんやろ!」
「いらんがな、とってへんがな、物ちゃうやん。
あんなん好きちゃうもん」
すると、しおりは半泣きで私を必死に蹴ってきた。
その姿を見ているとなんか可哀想に思えたけど、めんどくさいから返り討ちにして終わった。
それ以降、廊下で目が合うとトイレに呼ばれては返り討ちにする繰り返し。
あいつ(田島)のせいで酷い目にあった。
ヤンキーの子らって、ちょっと頭がおかしい。
自分が好きになったら、「俺の女」って言う。
ちょっと男の子と喋っていたら、
「俺の女に何してんねん」みたいに。
幼馴染みの子とか、仲良くしてた子たちが被害に遭っている。
(なんで勝手に言うねんやろう)
つづく