赤川アリス

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赤川アリス

週末ライター|電子書籍出版者| 本名のアルファベットを並び替えたら「赤川アリス」になりました。この名前のイメージとは違うサラリーマンのおじさんです。 元々はエンジニア系なのですが、書くことにチャレンジしています。

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    関西人の星野ひかりと東北人の赤川アリスのコラボでお届けする、 ひーちゃんのヒサンでオモロイ人生。 毎週土曜日更新

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第1回 幼少期の記憶

私(星野ひかり)は幼少期、ばあちゃんに育てられた。 ばあちゃんとじいちゃん、私の三人で暮らしていた。 ばあちゃんはすごく優しかった。じいちゃんは最悪だった。 海に面した河口近くの大きな橋のそばに、 同じ作りの平家が密接して長屋のようになっているところがある。 私たちはその端に住んでいた。 目の前には田んぼがあり、季節を感じさせてくれた。 私の中に残っている最初の記憶は、幼稚園の頃のもの。 その頃ばあちゃんは、家の横の通りを挟んだ、県道に面したところにある次男のおっちゃん夫

    • 今週の「ろくなもんじゃない日常・捨てたもんじゃない人情」はお休みをいただきます。次回から主人公のひかりが中学生になり、新らたな展開でスタートします。 お楽しみに!

      • 第21回 ヤンキー と 不良

        六年生の頃仲がよかった女の子は、 「中学校に行ったらヤンキーになります」みたいな子たちだったが、 私は彼女たちとの違いを感じていた。 私はヤンキーではなく「不良」なのだ。 私の中でのヤンキーと不良の違いはこうだ。 ヤンキーはチャラチャラしてて、軽くて奔放 弱いものイジメしたり、怖くない先生には反抗して怖い先生にはへつらったり、 相手によって態度を変える 打たれ弱い ズルイ 反則技を使う 不良は硬派で身持ちが硬い、一途 相手が誰でも関係ない 物差しは自分 喧嘩が強い 打

        • 第20回 おっちゃんとパターゴルフ

          お正月にばあちゃんの家に里帰りした時のことを懐かしく思い出す。 狭い狭いばあちゃんの家に、おっちゃんたちと集まった。 おっちゃんたち三人は、車から出してきたゴルフボールとパターで、茶筒の中ぶたに当てるパターゴルフをやって遊んでいた。 なかなか当たらないようだったので、私が行って、 「当たったら五百円な」 おっちゃんたちは自分らが当たらなかったから、 「やるよ、やるよ」と気軽に言う。 私は「よーし」と本気で集中し、茶筒の中蓋をめがけてボールを打った。 おっちゃんたち

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        第1回 幼少期の記憶

        • 今週の「ろくなもんじゃない日常・捨てたもんじゃない人情」はお休みをいただきます。次回から主人公のひかりが中学生になり、新らたな展開でスタートします。 お楽しみに!

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          22本

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          第19回 通学路と たっちゃん

          たっちゃんは、近所に住んでいる同い年の幼馴染みの男の子。 私たちは小学校から遠いところに住んでいた。 距離にすると1.2kmほどなのだけれど、 小学生の頃の私にとってはすごく遠く感じていた。 この辺りには他に小学生がいなかったので、他のみんなと一緒に帰っても最後に必ず二人っきりになる。 帰り道はいつも一緒だった。 何年生頃からだっただろうか、仲がいいことを冷やかされるようになった。 それが嫌だったので、みんなの前では離れて歩いて、もう誰も居なくなったぐらいに二人で喋り

          第19回 通学路と たっちゃん

          第18回 女だから

          なぜこんなことをしなければならないのだろう。 学校から帰ると犬の散歩に行って、家中の掃除をして、 お風呂を洗ってお湯を入れて、お茶碗を洗ってご飯を炊く。 まるでシンデレラのようなこの日常。 四年生の時に背負ったバレーボールの借金の返済のために、毎日やっていた。 いったい借金はいくらだったのだろう。 私の1日の労働代価はいくらなのだろう。 分からないまま2年が過ぎたころ、 なぜ私にだけこんなことをさせるのか、お母さんに聞いたことがある。 ただ一言、 「あんたが女や

          第18回 女だから

          第17回 フランケン

          五年生にもなると、ちょっとイキった女の子らがランドセルをやめて、 普通のカバンを持ってくるようになった。 私はランドセルは卒業するまで使うもんだと思っていたのだが、 彼女たちとは仲良くしていたので、私もそうしたいな、と思うようになった。 私は超ちっちゃかったから、 「ランドセル背負ったら見えへん」とか、 「ランドセルから手と足が生えとる」とか、 よく言われていたぐらいで、ランドセルが重くてしんどかったというのもある。 私も普通のカバンにしたくて、 ランドセルが破け

          第17回 フランケン

          第16回 おめでたい?

          五年生の頃、生理が始まった。 お母さんに言うと、必要なものをいろいろ用意してくれた。 お母さんは、ばあちゃんに報告の電話をすると、 「え、そんな早い、病気なんちゃうの?」なんて言われたからか、 「病気ちゃうわ! 祝って欲しくて電話したのに!」と、 なぜか泣きながら怒っていた。 私のために怒っていたのかどうか、よくわからないけれど。 今になって思えば、 お母さんが生理になった頃は祝ってもらったりする状況ではなかったのだろう。 ばあちゃんは仕事で忙しくて、何もかも1人で

          第16回 おめでたい?

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          Viduで画像をアニメ化してみました

          ChatGPTで生成した画像をViduでアニメ化 元となる画像をアップロードして、その画像から始まるアニメを生成してくれます。 (写真から実写の動画も生成できます) 無料アカウントでは4秒まで生成できます。 日本語には対応していませんが、簡単な指示でもやってくれました。 入力したのはこれだけ。 the girl eating. Do not move the background. Movement of the spoon in the hand to the mouth. スプーンがちょっと変だけど、許せるレベル。 これ、おもしろい!

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          AIを使って動画を作ってみました

          連載集の「ろくなもんじゃない日常・捨てたもんじゃない人情」の1話目を動画にしてみました。 タイトル文字の動きはCanvaで作成 画像はChatGPTで生成 字幕と音声はVrewで作成 興味を持っていただけたましたら再生してみてください。

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          第15回 バレーボール事件

          一年生から四年生までは、家で私のお誕生会をやってくれていた。 近所の友達を呼んで、ちゃんとやってますよアピールだったのだろう。 四年生のお誕生会の時の出来事が、その後の私を苦しめることになる。 友達が庭にあったバレーボールで遊んでいた。 このボールは、亡くなった犬のハリーが遊んでいたもので、 もうズタボロで、庭で朽ちていた。 友達がこれを空き地に持っていって遊んでいたのだが、 無くしてしまったと帰ってきた。 友達がいるうちはお咎めがなかったのだが、帰った後、 「

          第15回 バレーボール事件

          第14回 女の子やで

          ある日、同級生の子と遊ぶことになって、私は自転車に乗って結構遠くに住んでいる彼女の家のあたりまで遊びに行った。 そのときにすごく怪我をしている仔犬を見つけた。 傷口が膿んでいて痛々しかった。 私たちは二人で手当をしてあげようということになって、彼女の家に連れて帰った。 二人で消毒したり包帯を巻いたりしたところで、私は帰らなければならない時間であることに気付いた。 小学校のときは五時を過ぎたらもうボコボコにされていたから、 「ヤバい、急いで帰らなあかん」と私は身の危機

          第14回 女の子やで

          第13回 外面の学童保育

          お母さんが学童保育の先生を始めた。 嬉しそうに生き生きしていた。 毎月お誕生会などがあるようで、学童保育にくる子どもたちのために、 ケーキやマドレーヌなど、いろいろ美味しいお菓子を何十個も作っていた。 お兄ちゃんは勝手に奪って食べていたが、私はそんなことはできなかった。 私は失敗したものがないと貰えなかった。 甘くて良い匂いがするのに、それはよその子のためのもの。 寂しかった。 (今思えば、一つ余分に焼くくらい出来たやろうに) 「学童保育に入る?」と聞かれたけ

          第13回 外面の学童保育

          第12回 ハリー と セブン

          私が来る前からこの家ではコリー犬の「ハリー」を飼っていた。 家を建てた大工さんに譲ってもらったらしい。 外で飼っていて走れる庭はあるけど、マダニだらけで苦しんでいた。 ある夜、私がお風呂に入ろうとしていると外に放り出された。 しかも雪が降る中、シミーズとパンツだけの状態で。 もう何があってそうなったかは覚えていないが、よくそんなことがあった。 ハリーの犬小屋は人が入れるぐらいとっても大きかったので、 入れてもらって一緒に寝た。 ハリーはなんか困った様子だったが一緒

          第12回 ハリー と セブン

          第11回 ピーコ と ビーコ

          庭には二羽ニワトリがいる。 早口言葉みたいだけど、ホントにいた。 縁日で買ってきたひよこが大きくなった、ピーコとビーコ。 夏休みにばあちゃんの家にお母さんが帰るとき、私も下のお兄ちゃんもついていくことになったが、上のお兄ちゃんは一人で家に残ることになった。 帰る前の日から、お母さんは犬のハリーやピーコとビーコのことをお兄ちゃんに何回も頼んでいて、当日玄関を出る時も念を押してから出かけた。 数日後、帰ってきたらビーコが死んでいた。 お兄ちゃんが水とか餌とかをあげるの

          第11回 ピーコ と ビーコ

          第10回 レンちゃんにそっくり

          私はこの頃から、ママと呼べなくなっていた。 お母さんとも呼べず、なんて呼んだらいいかわからなくて「なあ」とか「ちょお」とか呼んでいた。 本当のお母さんのことを知ってしまったからなのか、よくわからない。 学校に行く日は毎朝、お母さん(便宜上こう書く)が髪を結んでくれた。 「この髪はレンちゃんにそっくり」 「あんたのお母さんにそっくりやわ」とよく言われた。 関係が悪化してからは、この言葉に憎しみのようなものが込められているように感じた。 「固くて多くて、言うことを聞

          第10回 レンちゃんにそっくり