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モーツァルトのレクイエムを歌う 6

本番当日。12時半集合。
まず発声練習をするが、マエストロから本番会場で発声をやってほしいと要望があったらしく、発声練習の場所が本番のホールへと変更になる。確かに昨日オケ合わせでホールで歌った際には、これまでとだいぶ響きが違ったので、そのほうがいいかもしれない。前日と同様、並びの練習をして、軍隊みたいにみんなでそのまま会場の舞台まで移動して、そこで発声練習を行う。

それが終わると、もとの待機場所に戻って、前日のオケ合わせのダメ出しと、確認が行われる。確かに、先週のマエストロによる合唱稽古の時と、テンポや強弱など、かなり異なっていた箇所があるので、確認が必要だ。個人的には、Hostiasのテンポがものすごく早くなっていたように感じて驚いたのだが、合唱指揮者からはその箇所に関する指摘はなかったので、私の気のせいだろうか。
時間がないのでここでは、実際に音は出さず、譜面上で言葉のみでの確認になる。

2時から公開ゲネプロで、1時50分に各自舞台袖に集合となる。並びの練習はさんざんやったので、さすがにもうやらないらしい。そして並び順は、さすがにもう動かさないようだ。
とはいえ、昨晩のオケ合わせで、並び順こそ動かさなかったものの、アルトが聞こえにくいらしく、一人ぶんずれて、アルトを客席寄りに寄せた。そしてソプラノも、アルトが客席寄りにずれた一人ぶん、中央寄りに移動したのを、最終的に半歩だけ客席寄りに戻した。そんな細かなことでも音のバランスが変わるようだし、その調整は、合唱指揮者がやっていたので、やはりプロの音楽関係者は耳がよい。
ちなみにマエストロの指示で、オケの配置も前日より舞台の前の方に移動していた。

以前にも、別のマエストロで公開ゲネプロをやったことがあるが、公開ゲネプロはあくまでもゲネプロなので、結構容赦なくダメが出され、演奏も止められる。素人からすると今更直すのか、と思わないでもないが、マエストロと稽古するのは、本番までにゲネプロを入れても計3回しかないので、貴重な機会なのだ。それにプロは、きっちりと本番に照準を合わせてくる(合唱団は今回アマチュアだが)。

私も夜の本番に向けて、ゲネプロでは喉を温める程度にしか声を出さないで温存した。ソリストたちもそんな感じだった。私は11月末に酷い風邪を引いて、なんとか治ったものの、喉が本調子とまでは行かないのだ。しかし、喉に負担をかけない歌い方がよかったようなので、本番もその感じで臨もうと思った。

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