インタビューライティングに役立つ! AIの活用法【イベントレポート】
AIとライティング、と聞くと「ライターは仕事を取られるのでは…?」と不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、AIを上手く活用して、仕事の質をあげているライターもたくさんいます。
本イベントでは、インタビューライターとして活躍されている仲奈々さんから、実際にインタビュー記事執筆時に活用しているAIについてご紹介いただきました。また実演方式でAIの活用法について教えてくださったので理解しやすく、受講生である私もAIを使ってみたくなりました!
AIの台頭に漠然と不安を抱えている方も、AIをライティングに活かしてみたいと思っている方も、ぜひご一読くださいね。
インタビュー記事作成に使えるAI 5選
まず、仲奈々さんが普段使用されている5種類のAIについて、それぞれ簡単に紹介していきます。
①Perplexity
取材対象者のリサーチに便利なAI。後ほどの実演パートでも登場するので、詳しくはそちらで紹介します。
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②Claude
多くのライター達が使うAI。なんでもできるAIではありますが、仲奈々さんはよく誤字脱字や表記揺れのチェックといった簡単な編集や校正に使っているそうです。
綺麗な日本語を作ってくれることが特徴とのことで、こちらも後ほど詳しく紹介します。
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③Xaris
文字起こしから記事執筆までなんでもできるAI。②のClaudeのように、簡単な編集や校正で使っているライターが多いようです。XarisもClaudeも幅広い機能があるAIですが、使い勝手が異なるので自分にあった方を選ぶといいそうです。
②も③も無料トライアルがあるので、まだ使ったことのない方はぜひどちらもお試しください。
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④Notta
文字起こしがメインなものの、記事の要約や簡単な記事執筆までできるAI。基本有料ですが、たくさんインタビューをする人や、多機能な文字起こしAIを使ってみたい人にはおすすめです。1回3分までの制限付きですが、無料体験もできます。
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⑤CLOVA Note
LINEが出している、文字起こしのためのAI。1ヶ月600分まで無料で文字起こしができます。(2024年11月末にサービス名や利用時間が変わります)
無料なのに文字起こし精度が高く、仲奈々さんの体感では「8割くらいは読み取ってくれている」のだそう。LINEを使っている人なら簡単に会員登録ができるので、初めてAIを使う方におすすめです。
(利用はこちらから)
【実演】AIを活用したインタビューライティング
ではここから、インタビューライティングにAIを活用する方法について紹介します。
イベントでは、インタビュー対象を「仲奈々」さんと仮定して、インタビュー相手のリサーチや質問リスト作成、文字起こしや記事執筆まですべてAIのみで行う実演をしていただきました。
①AIを使ってリサーチをする
まずは、AIを使ってインタビュー対象のリサーチを行います。
使用するのは、先ほど紹介したPerplexity。「ライターの仲奈々について教えて下さい」と入力してみます。(ちなみに、仲奈々さんについて事前に情報を読み込ませたりはしていません)
すると……ものの数秒で以下のような画面が出てきました。
とにかくスピードが速いですし、情報源となるソースまで出してくれるのでありがたいですね。
ただ気を付けたい点として、古い情報や誤っている情報が出力されている可能性もあります。今回のリサーチでは、「仲奈々さんは、会社員として働きながら、フリーランスのライターとして…」と出力されていますが、現在仲奈々さんは会社員ではありません。この回答は、数年前の記事やSNSの投稿を参照したもののようです。
このようなケースもあるので、AIでリサーチした情報をそのまま使うのは避けたほうがよさそうです。
とはいえ、リサーチの第一段階としてはとても有効なツールですよね!noteやSNSをやっている方なら、自分の名前をPerplexityに入力するとリサーチ結果が出てくるはず。ぜひ自分についてリサーチして試してみてください。
②AIを使って質問リストを作る
次に先ほどのリサーチ結果を用いて、質問リストを作っていきます。使用するのは、先ほど紹介したClaudeです。
今回はインタビューの目的を「未経験からインタビューライターになる方法」と設定し、以下のように入力します。インタビュー相手のプロフィールや経歴は、Perplexityで出力された結果をそのままコピー&ペーストしたものです。
出てきた回答がこちら。
全部で15個の質問を瞬時に作り出してくれました!
注目すべきは、テーマから考えられる一般的な質問だけでなく、仲奈々さんの情報をもとに作られた質問が含まれていること。しっかりと情報を読み取って、回答を出していることが分かります。
このようにAIを掛け合わせて使うと、ベースとなる質問リストは作れてしまうんです!
ただリサーチのときにもお伝えしたように、情報に誤りがある可能性があるので、出来上がった質問リストは必ず人の目で確認する必要があります。
また自分で聞きたいと思った質問も追加していくと、人肌の感じられるインタビュー記事になります。記事を読むのも人なので、人の手で補完することで、よりよい記事になっていくはずですよ。
③AIを使って文字起こしをする
続いて、先ほどの質問リストに基づいて行ったインタビューの音源を、AIに読み込ませて文字起こしを作成していきます。
今回は、AIで作成した質問リストに沿って仲奈々さんが自分で質問も回答も行った“セルフインタビュー”の音源を使用しています。
使用するAIは、先ほど紹介したCLOVA Note。音源のデータをアップロードすると、以下のような画面が出てきます。
固有名詞が上手く反映されていないものの(この画面では「clikel」「シライク」となっているが本来は「SHElikes」)、大体の内容は分かる状態になっています。
少し正確性に欠けるものの、手入力と比べて圧倒的に速く文字起こしができるので、AIを活用してみるのはおすすめです!
ちなみに、同じ音源を違うAIで読み取った結果も見せていただきました。使用したのは、先ほど紹介したNotta。
Nottaの場合は、左側に記事全体の要約やチャプターごとの要約まで出してくれます!精度の高さや、文字起こし以外の機能の充実さは、さすが有料のAIといったところですね。
④AIを使ってインタビュー記事を作る
ではいよいよ、AIを使ったインタビュー記事の作成です。
先ほどCLOVA Noteで文字起こししたデータを、Claudeに読み込ませます。(文字起こしのデータは、誤字脱字などの修正はせずに使用しています)
また以下の画面のように、記事の文字数・インタビューのテーマ・記事の形式などを指定して、インタビュー記事の作成を依頼します。
出てきた回答はこちら。
左側が依頼への回答文、右側がインタビュー記事となっています。
記事はなんと2~3分で出来上がってしまいました。(AIを使わずにこの分量の記事を書くとしたら、仲奈々さんでも2時間はかかるとお話されていました…!)
作成されたインタビュー記事の、内容の一部がこちらです。
2〜3分でこれだけの内容を作ってしまうのはすごいですよね。
でも質問ごとにぶつ切りになっている印象で、記事に流れが感じられません。また、文章の書き方も機械的な感じがしてしまいます。
これがAIの限界か……と思いきや、なんと書き直しもしてくれるんです!
以下の画像のように「ぶつ切りのQ&A形式でなく、自然な会話の流れの形で書き直してもらえますか」と聞くと、即座に対応してくれます。
AIが書き直した記事の一部がこちら。
見出しがなかったり、流れがスムーズでない箇所もところどころありますが、先ほどの記事よりはかなり読みやすくなりました!AIって本当にすごいですね……。
⑤AIを使って更にできること
AIが作成した記事を、更にブラッシュアップすることができます。
先ほどはなかった見出しも、以下のように指示を入力すると、つけてもらうことが可能です。
タイトル案も、以下のように指示を入力すると、30秒ほどで複数個考えてくれます。
タイトルも見出しも、AIで出力されたものはなんとなく「機械感」があるので、そのまま記事に使うのは避けたいところ。しかし、瞬時にたくさんの候補をあげてくれるので、見出しやタイトル決めの参考に活用するのは良さそうです。
他にもAIを使って以下のようなこともできます。
記事を書いてもらう使い方だけでなく、記事の最終チェックなどに利用するのも、AIの活用法としておすすめです。
最後に、リサーチから執筆まで、すべてAIが行って完成した記事の一部をご覧ください。(仲奈々さんの手は一切加わっていません!)
おわりに
今回のイベントでAIができることを目の当たりにして、「AIすごいな」と感じると共に、「ライティングの質を上げたいときに有効に働いてくれそうだな」と思いました。
「ライターはいずれAIに仕事を取られるのでは?」と不安を抱きがちですが、まずはAIはどんなことができるのか、知ることが大切。知っていれば、逆にAIを利用して、自分の仕事を広げることもできそうです。
ぜひ、この記事を参考にして、インタビューライティングにAIを活用してみてくださいね。