ホストシスター
ホストファミリーの中で一番下の妹は
中学2年生くらいで歌がうまくて、顔がかわいくて、
カーリーヘアでいつもケータイを手放さず、メールが来るたびに笑っていて次男と充電器を取り合い、ビートルズやthe70's show をずーっとみていた。
そういった年代のものが好きで、彼女なりのこだわりもあった。
ボーイフレンドや少し上のちょっと悪い友達に夢中なまさにteenagerだった。
兄妹関係において驚いたことは
私があめりかであった兄妹のお互いの呼び方は「お兄ちゃん、お姉ちゃん」という表現がなく名前だった。
国が違えば私が自分の妹に対してお姉ちゃん呼びではなく名前呼びが
いいということは全然まちがいじゃなかったんだ!とてもうれしく思った。
お姉ちゃん呼びをさせない私はおかしいといっていた親族のみなさま、
ざまあみろです。
普通ってなんだ?ここでは通用しない私が教えられてきた普通がたくさんある。
妹は家にいるときは常にリビングにおり、シンプソンズとか
ファミリーガイも見ることがあったので仲良くなろうと一緒にみていたけど
落ちのないたまにホラーなアメリカのアニメにショックを受けたのも
また思い出だなと思う。
チャンネル権は妹にあり、
私がみたかったプラダを着た悪魔を時々つけてくれるのだけど、
興味がないのかリビングから離れていくのが寂しかった。
どこにスイッチがあるのか情緒不安定なところもあったけど、
なんだかんだ待ってくれたり一緒に高校のミュージカル
「ル・ミゼラブル」の歌に二人ではまり歌いながら(もちろん私はハミング)仲良く話せるときあったし、彼女がステージに立ち「Fly me to the moon」を歌った時はジャズについて一緒に話したり、口ずさんだりした。
長男のことが大好きで、ママのことがなんだかんだ大好きで、
好きな人にはとにかくひっつきもっつき妹がかわいかったし、
仲良くなりたいな~とも思っていた。
ただ日にちがたっても英語がまったく成長しない私に
いらだちもあったようで苦笑いされたり、ストレートに
言われたりと苦い思い出もたくさんあったけど、
ストレスを与えてしまっている自覚もあったので
迷惑にならないように頑張っていた。
うん、よく耐えていたなお互い。
次男が日本へ行ってしまってからは
ママの私が引きこもりになっていくの心配に拍車がかかり、
妹が外出するたびに「私を連れて行くなら外出をしてもいい」
というお互いに無理難題をつけられ、20分ほど歩いた妹の友達の家の前でひたすら数人の中学生たちと妹が話すのをみていたり、時間が早く
過ぎてくれないかな~なんてつれていってもらっておいて大変失礼だけど
退屈だった。(今気づいたけど私が父に言われていた無理難題と一緒だ)
友だちたちも最初はびっくりしていたけど、
二人ほど私にも話しかけてくれた。ほんとありがとう。
そこから見える恋愛事情的な物もあったけど、そっと見守ることに。
申し訳ないくらい思春期の妹の生活に踏みこんでしまった。
最初は一緒の部屋だったけど、途中から妹はリビングで寝るように。
それさえも申し訳なさと何か相当私が嫌われるようなことをしたわと
関係の修復に取り組みたくてしかたなかった。
ホストファミリーは週末に外出することはなく
モールとかにもいったことがない私は、どうしてもモールに
いきたい!と妹にお願いしてバスにのって一緒に行ってもらった。
1時間くらいバスに乗り大きなモールにたどり着いた。
久々に服を買い(これも留学団体にあまり買い物をしすぎるなというルールを破ってしまった)わたしが見ている間、文句ひとつ言わずずっと待ってくれた彼女には本当に感謝。
帰りはママが迎えにきてくれ、車にのって帰った。
2人での大冒険だった。
なんだかんだ優しい妹のおかげで、次男がいなくとも
さいごまで根をあげずやりきることができたと本当に思う。
私もほんと帰ってたまるか!とう意地があった。
私が帰国する数週間前、初めて家族での外出をした。
自由の女神を観にいった。
あいにくの雨だったけど、妹と写真をとり、一緒に回って楽しかった。
(私はこの時にだいぶマイペースでママとパパを待たせてしまうという
大失態もしている・・・怒られなかったけど)
別の日に朝ごはんを食べにダイナーにいった。
”チキンフィンガー”を進められて頼んでフォークで食べる私に
「チキンフィンガーをなんでフォークでたべるのww」と
いわれて、やられた!と学んだ。指でつまんで食べるから
”チキンフィンガー”というメニューなのだそう。
ママが「自由にさせてあげなさい!知らないんだから!」っていっていたけど知らないんだからあらかじめ教えてよ!って感じだった。
本当の妹のようにかかわっていたんだなといまでは 思う。
社会人になって私は一度会いに行ったのだけど、
妹に会えたのは本当にうれしかった。
あれだけ笑われていた英語も
「前より上手になってる~!!」といってもらえて
うれしかった。