【読書感想文】友情を哲学する

いや神本きたこれ。
みんな読んで！
ばりおすすめ。

もういい！本題いく！

こんな人、読んで

• 親友いて、かつ親友のこと最高の人間だと思ってる人

• 交友関係に悩んでる人

• タイトルだけで興味あるなって人

• 愛とは何か？とか考える人

親友とは何か

これ、みんな考えたことあると思うんだけど、
アリストテレスはもうギリシャの時点で答え出してるらしい。すごすぎ。

簡単にいうと、友人っていうのは3種類あって、
①快楽の友
　一緒にいて楽しい友達。話してて楽しい。
②有用の友
　役に立つ友達。過去問くれたり、金持ちだからおごってくれるやつとかここ。
③善良の友
　魂が好きってやつ。その人のその人らしさを最高だなって思って一緒にいるやつ。

アリストテレスは、①,②は長期の仲になれない一時的なものだと言う。真の友は③のみだよ、完全な友情とは③のみである、って言ってる。
そんで③は、自律した人間同士でのみ成立するらしい。
そして③は、もう一人の自分である。と。

それな。

①を親友だって思ってる人多いけど、違うよね！
いやまじ、まじ、、アリ(ストテレス)ちゃん！！！！

それな。(グータッチ)

①は、私的に人類全員って思ってて、
一緒にいて楽しくない人間はいない！と思っている。ちゃんと話せば、人間なんだからみんな面白いと私は思っていたから！

アリストテレスみたいなすごい哲学者が「①は友達だけど真の友達じゃないよ！」ってちゃんと文書に残してくれたの助かるんだけどー！！
そうそうそうそう！親友っていうのは③だけ！私が考えたことになんねーかな？私も気づいてたんですけど？？？？

でもアリストテレスは①も②も不要なわけじゃないよってちゃんと言ってるよ。親友じゃないけど、友達だから必要だって言ってる。うんうん！こういう友達、大事なんだよ。教科書忘れちゃった時、寝ててレジュメ取れなかった時、試験の過去問ほしい時、飲み会行って騒ぐ時、どこかに遊びに行く時、、、親友じゃない。でも大事な友人だ。これらは両立するし、愛があるかないかの0-100じゃないんだ。

この本では、このアリストテレスの「③の友情を真の友人のあり方だという考え」が正しいとしたときに、アリストテレスより後に生まれた哲学者たちがこれについて展開する友人観をみていく。
しかも、現代の漫画の中の友情も織り交ぜながら。なんで漫画？それは、若者の理想の友情のあり方は漫画の中に存在するから、ということらしい。

面白くないわけなくない？？？？？？

なんで私は真面目やってんの？の解

以前友人(男)と遊んだ時に、
こういう質問をされたことがあった。
このあとクラブ行こって言われて断った時。

「お前はさ、なんでそんなに真面目に生きてるわけ？通知表つけられてるわけじゃないんだから、もっと自由にやりたい放題やればいいのに。男遊びして、勉強もやめて、飲み会でベロベロに酔っ払えばいいのに。俺と一緒に笑」

サタンの囁き

安心して〜！
こいつとはもう友達やめてるよ〜ん！！！
なんだ！こいつは！！

でも確かにこいつの言い分もわかる。
こういうエンタメをしない選択をするって、人生の幅狭まっちゃうけど大丈夫そ？？？？ってことよね。
確かに自分でもわからない。
私はなんで真面目やってんの？
天国に行きたいとかないし、真面目に生きてることを誰かに褒められたいとかないし。

でもこの本読んで、この問いに対する解を言語化できた。

私はいわゆる夜遊びってものをしなくて、お酒を飲まないしあらゆる2次会に行かない。楽しいことや刺激的なことは大大大〜〜好き！！なんだけど…
でもなんか、性に乱れた飲み会とか、ドラッグとか、泥酔とか、そういった場所に行きたくないのだ。見たくない。確かに刺激的なんだけど…私無能だから、せめて悪いことしないで清く優しく正しく生きていようと思ってるとこある。

でもこれ、一人で勝手に人生縛りプレイしてるだけだから、全部解禁しても別に誰にも迷惑はかからないんだよね。不倫とか嘘つきとかいじめとか、みんなに黙ってやっちゃえばいいじゃん。

いや絶対にダメ！！！！！
それはなぜか！？

例えば、私が既婚者と不倫したとする。←はいゴミ

不倫とか浮気とかってさ、ほんとはダメなことだから脳内麻薬物質ドバドバ出るから絶対超楽しいし気持ちいいじゃん。
しかもこれ、友達に飲み会とかディナーの場で話したらそれはもうバカ盛り上がると思う。話のネタとして面白すぎる。

自分の「私は無能だからせめて善行を」っていう縛りに抵触する以外、楽しいことずくめじゃないか！しかし！しかしだ！！

私最高すぎる親友、つまり③の友人が複数人いるんだけど、この人たちに「私いま既婚者と不倫セックス中毒なうなんよ笑」って言ったら同じようにバカ盛り上がって爆笑するか？というと話は変わってくる。

私の最高大親友たちは、ドン引きと呆れの果てに確実に私との友情を解消する。
なんかもう多分とかおそらくとかじゃなくて絶対に友情終わる。一生会ってくれない。
書いてて泣きそうだ。。。(´；-；｀)

例では不倫出したけど、不倫だけじゃないよ！
いじめ、裏切り、悪意をもって人を傷つける、汚い酒の飲み方、男遊び、人を貶める行為、金を返さない、暴力、犯罪、怠惰、全部許さない。理由によっては許してくれるかも。理解しようとしてくれるかも。神だから。でも基本的には大きく失望されると思う。
私はこれが死ぬより怖い。

でもそれ言わなければ、ずっと親友でいられる。
言わなきゃいいじゃん？

いや、愚か者ーーー！！！！！
言わなくても親友たちにいずれバレるよそれは！

言わずに隠すことは単なる応急処置で、悪行をした時点でバレるバレない関係なく確実に私の人間としての善良さ、魅力が下がってるわけじゃん。下がった人間性は確実にどっかで気づかれるよね。人間性のレベルが噛み合わなくなって、言葉の節々や態度に出る。

アリストテレスは、「真の友とは、もう一人の自分である」って言ってるじゃん。
もう一人の自分に対して後ろめたくて隠し事するって、じわじわ後から自分を蝕んでって、自分で自分を信じられなくなる。

親友たちに共有できないことが増える
↓
親友たちに好かれていた私の「善良さ」「自分らしさ」が失われる。自分がどんどんなくなっていく。
↓
親友たちのことを、「この人たち、ちゃんと生きてて真面目すぎる、何も言えなーい」と考え始めた時、同じく「不倫してる人間」とか、「遊びまくっちゃう人間」、「悪意のある人間」と親しくなるようになる。こいつと傷を舐め合って魂共鳴しちゃって③の友人になる。

自分の魂の質下がったから、もう一人の自分である③の友人の質も下がってしまうというわけ。

または、不倫の話題でバカ笑いできる①②の短期的な友人たちしか構ってくれなくなる。
↓
悪行をするハードルが下がって、繰り返される。バカ笑いしてくれる奴らに囲まれてるけど、自分は真の意味で孤独だ。
かつての③の友人達はもう絶対に戻ってこない。

長くなったけど、
「なんで私は真面目やってんのよ？」の解は
「親友達に確実に見限られるから」。

最高の友人達にとっての最高の友人で居続けるためには、私の善良さ、自分らしさ、魂の部分を磨き続けないといけないのだ。だって親友達さ、今のままでも十分最高なのに、まだまだ人間性で上目指してるんだもん。ぼーっとしてる場合ちゃう！悪行してる場合ちゃうのよ！！

20代のうちに親友を1人以上作っておけ
っていろんなとこで言われてるけど、その理由はもうこれしかない。「正しく善く自分らしく生きる」を、自分だけでできるようになるからだ。

友人を見ればその人がわかるとか、夫婦は鏡って、今まであんまりピンとこないから信じてなかったけどこういうことなのよ！この本読んでから気づいちゃった！！！！！
私天才かも。。。

欲望のままに生きるのは不自由

えー？？？？？？
欲望のままに生きて自由💓ではなく？？？？

カントが言ってんのよ。これ。
おーい笑
間違ってんぞー笑
訂正印もってこーい笑

いやでもカントなめてた。
「欲望のままに生きるのは不自由」
これは正しい！！こういうことらしい↓

お腹空いてハンバーガー食べたいってなったとする。
食べたいから買いに行く。ハンバーガー食べる。または冷蔵庫で適当になんか漁って食べる。
これは自由な行動ではない、とカントは言う。
欲に突き動かされてした行動であるだけなので、自分が真にしたいことをしているわけではない。

本当に自分がしたいことって、欲とは切り離された自己から生まれるものだから、
欲から解放されて、自律した自己によってのみ行動するとき、人間は真に自由なのである。

めっちゃ頭いいなカント？？？？？
これ、男女の友情を説明する時非常にいい考え方だ。

男女の友情って、人間の三大欲求の一つである性欲が常に付きまとうから、めっちゃムズいらしい。
だからみんな失敗したり、中途半端になる。「そんなのはもともと存在しない」っていう人さえ出てくる。性欲を別のところに追いやって、その状態で異性であるお互いを尊重して愛する、なんて無理な人は絶対に無理だよね。

でもできるんだよ！
双方が善であり、諦めなければ！

逆に、欲に突き動かされて一線越えることって簡単なんだよね。欲のまま動くだけ。ただし友情は絶対に戻らない。欲を切り離してお互いに友情を選ぶならば、二人は自律した人間同士だけが行える③善の友情を育むことができる。

でも善の人ってレアキャラじゃん。(涙)
世間では激難しいと言われてるだけあって成立する確率ってすごく低いから、むやみやたらにみんなに「男女の友情がんばればできるよ、みんなやろ！」って言えない。そりゃ無責任というものだ。
でもレアキャラ同士でお互いの善のみを見て友情が成立するのは、お互いの選択を誇りに思える最高の体験だ。

しかし欲に対処する方法は「欲を自分から切り離して考える」だけではないと思う。
「自分は異性を異性として見てしまうよ」という自分を理解した上で律してる人もまた、自律した人間だと思う！「欲は切り離せないのでやめる」も方法の一つだよね。

そういう選択をしている人を知っている。
思い出したけどめちゃめちゃいいやつ！
自律にはいろんな形があるね。

ニーチェ、意外とアツい漢

ニーチェは逆張りオタクで超現実主義者だから、こいつの友人論を読んでる途中まじで「こいつは友人いるんか？いないからこんなに冷たいこと書けるんだな。。。」とか思ってたんだけど、読み進めたら意外と違う。

『ライバルのように、互いに理想に向かって高めあい、相手が苦悩しているのを「同情」したりせず苦悩を乗り越えるところを励ますのが友情だ』
『高めあう過程で友人との決別することは、むしろ決別する前より崇高な関係になれる。』

だって。

かっっっっっっっっっこよ。。。。。。。
アツい。少年漫画片っ端から読んだのか？ニーチェ。。。あんたにとっては、理想のライバルこそが親友なのね。正しい。。。

嫌なことが起こった時に、よく
男性は「一人にして」と言い
女性は「一人にしないで」と言う
みたいなこと言われるよね。それでいうと、
ニーチェは「一人にすべき」と主張しているね。
なるほど…一人にした方が確かにいいね。

今までのアリストテレスとカントは、友人とは同質性(つまりもう一人の自分自身)によって成り立つ、ってのと毛色が違う考え方なんだ。
この同質性の親友と、ニーチェのライバルの親友は、どちらも違うものだけど、確かにどちらも親友と言えるな。

でもさーーこれってさ出会う難易度高くない？
いやアリちゃんとカントの友情も難しいよ普通に。でも、現代社会において「互いに高めあうライバル」って成人したらあんまり現れない。
部活とかでは現れるけど、ほぼみんな大人になったらスポーツやめちゃうし。
ナルトとかワンピースみたいな世界だったらあるかもだけど、崇高だ、崇高すぎるよその関係。。。

私はこういう友人がいない(親友と決別とか無理)んだけど、思い出したのはララランドの二人とか、犬王の二人とか。ハガレンのキンブリー。←愛してんぞ
もう条件として、自律した人間どうし、とかよりもっともっと、『自己の生きる目的がハッキリした人間』どうしの友情でしか成り立たんなと思った。未熟者はまずこの友情を得られないだろう。私も含めて。。。もっと精進しよう。出会えるといいな〜。

ニーチェ理想高いなぁ。。いや、褒めてる！
こんな友人がいたらどんなにいいか…

誤解と恋する力💖

ニーチェは、
「人間は自分のことを正しく認識できない。当然、他人のことも正しく認識できない。私たちは自分のことを誤解し、他人を誤解しているのだ。」みたいなことを言ってる。

まあーーーそうだよね。
友人って言ったって他人だもんね。
ニーチェさん鋭いね。。。😭ナイフのようだ…
でも！
友人のことを誤解しまくっていてもいいんじゃないか？と思ったんだよ！！！

これみて↓

第8章 恋のセリフ

恋をする力って、相手を美化する力なんです。
相手をとことん美しく、素敵で、神秘的な存在として思い込む力なんです。
それを、たぶん、愛と呼ぶんです。
愛された人は、自分がそんな美しく神秘的な存在じゃないと知っています。
だけど、その思い込みは、愛された人にも愛した人にも勇気をくれるんです。
だから、愛は人を変えるんです。
それが、愛の力なんです。

鴻上尚史『恋愛戯曲』

これ私のめっちゃ好きな言葉！
私はたぶん美化する力がすごい強い。
友人のMちゃんに「あんたは私を美化しすぎてる。私はもっとやばい女なのに！」って言われたことがある。
私はMちゃんが大好きだ。酒癖悪いって妹たちから聞いて知ってるけど、家族思いで友達思いで、バッサリした性格だけどすごく思いやりがあってあったかくて優しいから！

でもニーチェ的には、『他人についてなんてわからない』から、わたしはMちゃんを誤解してることになる。
でもこれは、私がMちゃんに恋をしてMちゃんを美化しているのだ！
Mちゃんにとってこれは誤解だ。
私にとってもそうかもね。
でも本当のところどうなのか？って、そんなのどうでもいいよね！

Mちゃんも私のことが大好きだって言ってた。
ニーチェは、誤解が悪いことである、っ言ってたわけじゃないもんね。

疑問におもったこと

1.こいつらどこカテゴリ❓

いろんな哲学者が友人の定義してくれたけど、この辺の人たちはどんな友人なんだろ？と思った奴らがいる。地元のコミュニティの友人たちとか、幼馴染とかだ。

幼い頃からの仲なので、お互いがどんな人間かを知っている。親兄弟つながっているからお互いの行動に嘘や見栄がない。やってもバレるから意味ない。
自己の性格が形作られる過程で友達だったので、みんな自然体だ。お互いの黒歴史も知ってるし、お互いのすごかったところも覚えてる。

尊敬しているかどうかというと、どちらでもない。でもみんなして勝手に生きて、勝手に何かを頑張っている。一緒にいると楽しいから快楽の友かしら？でも別にいいやつらではあるから善良な友か？
うーん。
親友か？って言われると迷うんだよな。でも人生の進捗報告は適当にし合ってる。

0%か100%かで考えなくてもいいのかもね。
ゆるっと応援してるし、ゆるっと気にかける。裏切られることもなければ、急激にこれ以上仲良くなることもない。
でも人生のエンドロールにはお前らの名前かくよ！

2.自律人間のモテモテはどう解決するの❓

自律してる人間ってめちゃめちゃ魅力的じゃん❓
人間性の成熟度に関わらず、自分の軸があって誠実な、善良な人のことはみーーんな大好きなはず。

自律した人間に、誰も彼もが寄ってくる！
親友になりたいな、お近づきになりたいなって！
自律した人間だけでなく、悪人も寄ってくるんじゃないか。。。？悪人から見ても、自律した人間って眩しく映るよね？？？
この需要と供給のアンバランスはどう説明したらいいんだろうか。

例えば私の元友人には、とんでもない女好きの男がいる。でも女遊びしていると、ふと自分の孤独が怖くなり最近結婚したくなってきたらしい。(は？)
結婚相手の条件は「男友達が一人もいない、男遊びなんて絶対にしない、話してて面白いし知性があって正義感が強い、俺の浮気を許してくれる美女」らしい。お前と真逆やんけ！

そんな奇跡的な女性は存在しないというツッコミはさておき！もし存在したとしてこんな自律した魅力的な女性はこの元友人を人生の伴侶にしたいのだろうか？

これは高望みの典型例だけど、この話聞いて、『遊びまくってる人もそうでない人も等しく魅力的に感じるのは、自律した人間なんだな』と思った。

アリストテレスの「善良の同質性」において真の友人関係が成り立つという言説が正しいならば、この元友人の高望みは現実になることはない。

でも友情と恋愛を切り離して考える人もいるから、女性側が目がハートになってしまったら、この元友人の高望みが現実になることもあるのか。。。
または、この元友人が本当の自分を隠して相手に近づくと。。。同質に見えてしまって騙される！なんてことも。。。

禁止カードじゃん！販売中止！！
これが恋愛の落とし穴か！！！！

この落とし穴にひっかからないようにするために、恋愛は頭がパーになるということを踏まえ、「親友になれるか？」という観点で恋人選びをするのがある種賢いのかもしれん。自分の頭で判断するために性欲を切り出す、という行為は、カントがいう自律した自己に他ならないね。

なんかずれたけど、つまりは

自律した人間めっちゃ魅力的だからみんな好き

自律した人間には、自律した人間しか寄ってこないとは限らない

自律した人間に人を見る目があるとは限らない

ってことだ！

人を見る目って、どうやって養うんだろう…
学校とかで教えてくれたらいいのにね！
ちょっとしゃべったらなんとなくわかる、っていう人いるよね、なんでなの？すごいなぁ。。。
あと、私の最高の親友たちって最高に自律してるんだけど、この人たちって誰かに嫌われたりしてるの？？？絶対人類にモテモテだよね？？？私なんかと遊んでくれてありがとーーーっ！！！！

あとがき

私の最高の親友たちは自律しててめっちゃかっこいいけどさ、私自身はよく生きようとしてはいるもののまだまだで、親友たちに遅れをとっていると思っている。
私ももっともっと自律した人間になれるよう、精進し続けよう。悪行してる場合じゃない。はやく親友たちに追いつかなければ！

でも何すればいいんだろ？
とりあえず睡眠欲に抗い、早起きを始めるぞ！