六月の瞼
じきに良くなるよ、と白い手に言われて幼いころ瞼を閉じたのに、
いまだに帯電したまま、しめやかに発狂しています。
夜が来たら寝ることができると言い張る有権者たちを眺めて、
その声が届くたび「適合できているんですね。」と驚くふりをして、
良い子1人につき1本の樹木を予定表に植えるという慈善活動。
午前三時を握りしめて、そこから染み出した組織液は垂れ流したままでいいですか。
構成員は寡黙でなければならないと決めたのは私でしたか。
蛹化不全の背中、リボンで縫い合わせて、六月を後は括りつけるだけ。