出不精旅日記(台湾) 2024.11.28 意外的幸福
今日は台北のホテルをチェックアウトして台南、そして恒春に。
チェックアウトは11時なので、ぎりぎりまで部屋にいることにします。
私はいつも通り5時55分に目覚め、ご機嫌で仕事をしていました。
店があると「洗濯機をまわし」ながら「洗濯物を干し」ながら「朝ごはんを食べ」「店のブログを更新し」ながら「ゴミ出しをし」ながら…というながら書きなのですが、台湾ではそういう心配はありません。しかも時間は10時半くらいまでとたっぷりある(≧▽≦)
しかしそういう恵まれた状態になると、
「さぁ、思う存分お書きなさい!」
と言われると、逆にもやもやし出すのも人の常。
うーん、そんなに時間があるならたまにはちょこっと遊びたいというか…
ちょっとでいいから欲しいなあ…
30分くらいでもいいんだけど…
あれ、無いかな…あれ…
そう、私は昔から中毒しているのです、活字に(つまんないオチでごめんなささい)。
でも今回は本当に一冊も持ってこれなかったから、辛いな…。
仕事のために読みたい本もあったのにな…。
などとぼやいていたら、もそもそと起きてきた夫が
「本? 『族長の秋』以外もあるよ?」
と言い出すではありませんか!
え?! あなたは私に駄菓子やラーメンを持たせて自分は2冊も持ってきたんですか?!
「それは悪かったけど…これこれ…」
えっ…嘘…
「これ(アート・スピリット )、ついこの間、編集者さんから『今度の仕事の参考になりそうだから読んでみては?』って言われて、でも私は持ってないから『わかりました、図書館で借りて読みますね)』って返事した本なんだけど…うちにあったの?!」
「うちにあったし、持ってきたよ」
こんなマニアックな本が何であるんだよ、という気持ちと、で、読んだの? という疑惑と、この厚めの単行本の分のラーメンを私が持ってるのかというトホホ感、旅のお供にこれと「族長の秋」って濃すぎるだろう、一冊にしぼっても多分ゴールできないし…
「あのさ…ありがとう」
「俺ってちょっと凄いよね(^_-)-☆」
世に流通している本が何冊あるのか知らないけれど、その中で今私が一番読みたい本を持ってくるなんて…
「俺、どうでもいいところで使っちゃうよね(笑)」
「まあ『ここ一番』ではない時に使いがちかもね(笑)」
この先、私はこの本とともに旅をすることになります。
台北駅に行き
台南に着くとBくんとお友達が来てくれました。
「久しぶり!! 車を借りたから、ご飯を食べに行こう!」
島裕之さんが記事になさっていますね。
私が嬉しかったのは店頭に柴犬が沢山いたこと(≧▽≦)。これは「ノラネコぐんだん」ならぬしばいぬぐんだん。
先ほどの犬のイラストはそういうことでしたか。
犬が苦手な方はちょっと怖いかもしれませんが、繋いであるし、全員とても大人しく機嫌よく日向ぼっこしています。
Bくんは
「恒春のホテルまで送るよ。でもその前に海を通って夕陽を見よう」
と海辺に連れて来てくれました。
ここは特に夕陽の名所というわけでもないそうで、実際近所の人がちらほらいるくらい。
でも…だからかもしれないけれど…私はものすごくホッとして、そしてあまり心が彷徨わず、何も考えずにただただ静かな海と視界からゆっくり消えていく太陽を眺めていました。
こんなに穏やかな気持ち…久しぶりかも。
「ねえねえ、あいつら付き合ってるのかな?」
彷徨っているひともいました。
Bくんのお友達は女の子なのです。
「朋友って言ってたよ。あなたも女友達いるでしょ?」
「それはそうとしてもな~」
もし付き合っていたとしても、2人で楽しく海に来れるところにわざわざおじさんとおばさんを混ぜてくれたの。その気持ちを汲んで海に集中して下さいよ。
「気になるな~」
Bくんは恒春のホテルまで送ってくれました。
「どうせ来週また会うから、要らない荷物があったら台南に運んどくよ?」
とも言ってくれましたが、大した荷物ではないので有難く辞退して…
「海がすごく良かった。思いがけなく心が癒されて…本当にありがとう」
と言いたいけれど、これはどう言うのでしょう?
やっぱり中国語を勉強しようと思いました。
袋いっぱいのお菓子とラーメンを渡して
「下週見(また来週)!!」
あちこち行ってくたびれましたが、お夕飯は食べないと…ということではじめてのまち、恒春を歩きます。
ホテルで買ってきた鶏肉の揚げ物(鶏排)やおこわ(米糕)を頂いていたら、私はうとうとと眠くなってきました。
今日は「アートスピリット」といい、予期せぬ柴犬ぐんだん、そして海…
serendipityって中国語で何ていうのかしら?
よく分からないけど…
おやすみなさい…
(つづく)