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『芋』のまえは『梨』

梨の美味しい季節ですね。

うちのワンコも大好きで、
食べやすいように切つてやると
“シャリシャリシャリ”と
本当に美味しい音を立てて
食べます。

さて、本題の『梨』のお話。

梨という漢字を分解すると
「利益」の「利」と
「木」に分かれます。


この「利」とむいう漢字には、
“鋭い”とか、“すばやい”という
意味があるそうです。

梨を齧ったときに、
シャリシャリという音と
果実の歯切れ良さにから
この文字が充てられたと
考えられています。
 
日本人が古くから梨を
食べていた痕跡を見る事が
出来る証拠は、
弥生時代後期の登呂遺跡から
梨の種が発掘されています。


静岡市の国指定特別史跡 登呂遺跡より


 


しかし、この頃食べられていた梨は
山の中などで自生していた
「ヤマナシ」と呼ばれる
野性の梨で、持ち込まれた
中国梨とは違う種類でした。

その後、時代を経て「ヤマナシ」は
品種改良藻を重ね
日本オリジナルの
“和梨”として、いまに至ります。
 
ちなみに古代の梨は飢饉の時に
人を救う「救荒作物」と
されていました。


それを裏付けるのが、
『日本書紀』にある
持統天皇の詔です。

その中で主要な5つの穀物、
五穀とは
稲・麦・粟・稗・豆とされ
梨については
「栗、梨を五穀の助けとする」と、
穀物が取れない時の
食料となり得る果実として
認識されていたようです。
 
梨は水分が多く、
日持ちの目安は収穫から
半月程度ですが
梨には系統によっては
長く保存できるものがあり、
それらが飢饉の時に
使われたようです。
 
現在でも、長持ちする梨は、
11月頃に収穫される種類の物で
「囲い梨」とも呼ばれるもので、
上手く保存すれば
半年程もつ事も可能です。
 
ちなみに江戸時代後期に入ると
因幡、三河、相模、美濃、甲斐,
信濃、越後など
全国と云えるほど各地で
盛んに栽培され、
この時代で、その種類は
100品種以上も作られています。

最後にこんなチャートがあるので
ご紹介。


JA南信州・味のチャートより


 
スーパーで見て色が
少し違うことに
気が付くこともあります。

梨は皮の色が赤っぽい「赤梨」と、
黄緑色っぽい「青梨」に分かれます。

赤梨の代表例が幸水、
青梨の代表例が二十世紀です。

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