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雁かガンか?

渡り鳥の中でも日本人は
特に雁が好きなようで、
俳句の季語になったり
和歌などに盛んに
歌われています。
 
 
ところで、雁と呼ぶか
ガンと呼ぶか?

どちらが正式なのか
ご存知ですか?

雁が”ガン“と
呼ばれるように
なったのは室町時代で、
いずれも飛ぶときに鳴く
その鳴き声、
カリカリカリと、
ガーン、ガーンに
由来しているとされます。

何故、呼び名が
変わったのか?
諸説ありますが、
時代の変化とともに
ガーン、ガーンと鳴く
マガンの数が
急激に増え、
カリカリと鳴く
カリガネが
減少したからと
云われています。

以来、ガンが正式な
呼び名となって
「カリ」は異名と
なったのです。
 
このマガンが描かれている
浮世絵として
一番有名なものは
切手マニアに人気、
歌川広重の「月に雁」です。


広重の「月に雁」文化遺産オンラインより
切手となったもの

ところでガンという
呼び名から生まれたのが
「がんもどき」です。

本来、精進料理として
寺社などで食されて
いましたが、その味が、
雁の肉に似ていることから
名づけられたという
説があります。

戒律の厳しい
当時の僧侶たちの
肉食への憧れが
想像されます。

 また「雁首を揃える」
という慣用句が
ありますが、
雁はその言葉通り
群れで行動します。

渡りの春、
翼を骨折したり
体調が悪くて
出発できない雁がいると、
元気になるまで
なんと仲間の雁たちも
一緒に居残ります。 

そして雁は
家族の絆も深く、
夫婦の片方が死ぬと、
がっくりうなだれて
しばらくそばを
離れないことも
あるようです。 

マガンは大人になるのに
2年から3年かかるため、
その間はずっと
親が付き添い、
世話しながら
渡りのコースや
飛び方、
どんな危険があるか?
ということを
徹底的に教えます。

飛ぶときも、田んぼで
食事をしているときも、
常に家族いっしょ。

子どもが食事を
していると、
親は交代でじっと周囲を
警戒しています。
子どもはずっと
親の温もりに守られて
生活しているのです。


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