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今年の梅仕事 その3/梅干し(天日干し)編

梅と塩、赤紫蘇で梅漬けをして約一ヶ月。梅雨も明け強い日差しの連日となったので早速天日干しです。目安は3日です。

母が言うには、祖父母の時代には「三日三晩、夜露にもさらす」と言って夜もそのまま庭先に置いていたようです。でも、現在はあまりの暑さと、それに伴う大気の不安定さでいつ雨が降るかも分からないので晩は室内に入れます。濡らすわけにいきません。

天日干しの様子


三日目で取り込み、梅酢に戻します。
因みに、梅酢は、私の場合軽く濾して煮沸し、冷ましたところへ梅を入れています。ここまでする必要はないかもしれませんが、食べきるまでは少々月日が掛かり、保存期間が長くなるので。

最近は1キロなので
少量です

ここで、紫蘇の扱いですが、私の実家でもこの紫蘇は何となく残りがちだった印象があります。今はこのセミドライになった紫蘇をフードプロセッサーで細かくし<自家製ゆかり>にしています。

天日干し後の紫蘇
自家製のゆかり

そのまま梅と一緒にしておくと除けられて残りがちな紫蘇が、ゆかりにすると家族は喜んでご飯にかけて食べ、あっという間になくなります。

また、梅については、これもフードプロセッサーでペースト状にし日々の料理にちょくちょく使います。

前年の梅のペースト

因みに、除けた種は種だけで瓶に保存し、おにぎりに入れたりして消費。

梅干しは和のハーブです。ペーストを煮切りみりんで伸ばしてソースにしてお肉などに掛けてもいいし、焼き飯に入れてもいいし、炊き立てのご飯に混ぜ込んでも美味しい。ペーストにしておくことで色々と使え、この季節、梅の香りと酸味、塩気が減退気味の食欲に働きかけてくれます。

梅とシラスと青紫蘇のご飯

おにぎりに梅を入れると腐りにくいというのは知られていることですが、実は真ん中に具として入れるよりご飯に混ぜ、つまり梅ご飯で握った方がその効果が高まります。

こうして梅と塩、紫蘇だけで作られる昔ながらの梅干しは保存が効くもので、実家でも漬け込んだ器のまま納戸などに置き、母は必要分を取り出しては使っていました。

ここで梅干しに関する小さなエピソードを三つ。

  1. 一人暮らしのとき、友人がコンビニで買った梅干しを冷蔵庫に入れるので思わず「梅干しをなんで冷蔵庫に入れるの?」と言ってしまいました。「え?」と怪訝そうな友人。「だって梅干しって腐るものじゃないでしょ?」と私。 認識の違いが色濃く漂う瞬間でした。

  2. 別の友人に小瓶に入れてお裾分けをしたとき、「一個ポンと口に入れたらビックリしたわよ~っ!」と。そのお宅では近年梅干しは買っていて、最近のは優しい塩分と味付けがしてあり一個まるごと口に入れて食べる習慣になっていたのだとか。昔ながらのすっぱ、しょっぱの梅干しをそんな食べ方したら大変です。

  3. 三つ目はこれ ☟

初めて漬けたときのものです ❣

梅干しを漬けるようになってもう二十数年ですが、最初に漬けたときのものをなぜか三粒、保存しているのです。深く考えもせず、小さな瀬戸物に入れていたせいで完全にミイラ化。密閉保存していたらもうちょっと違ってたと思います。これは、もう食すことはなく、このまま取っておくことになるんでしょう・・・思い出に。

わざわざ湿気の多いジメジメした、モノが腐りやすり季節に、この優れた保存食を作るという不思議。そしてその季節を<梅雨>と呼ぶ妙。「誰がこんなスゴイものを考えたんだろう」などと毎年同じことを思いながら梅仕事と向き合っています。

2024年度の梅仕事 終わり ❣


※関連記事です(その1とその2) ☟




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