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今年の梅仕事 その2/梅干し(漬け)編

いよいよ梅仕事第二弾、梅干しに入りました。

我家では梅漬けではなく、途中で赤紫蘇を足し、最後に天日干しする、いわゆる昔ながらの赤い梅干しです。

最初に塩漬けしてから天日干しまでは、やはり青梅で作る梅シロップと同様、ポイントの処理をしたら時間経過に委ねるのみ。梅シロップは10日前後ですが梅干しは完成まで1ヶ月以上。なので、<漬け編>と<干し編>の前後編に分けてアップしようと思います。今回は〈漬け編〉です。

こちらももう20と数回のキャリアです!(梅干しのキャリア?)初めてトライしたときのこと、しっかり覚えています。腐らせたらいけない、と神妙な気持ちで、少々緊張して、レシピに忠実に、一つ一つの工程を今にしてみれば恐ろしく丁寧に行っていました。そのときの塩分はレシピ通り梅に対して18%。この塩分であればまず失敗がないとされているものです。以降、どこまで塩分が減らせるか自分なりにチャレンジもしましたが、結局安心の13%で定着しています。11%まで落としたこともありますが、ちょっとドキドキしました。

洗ってヘタを取った梅
グラニュー糖6%
塩13%
消毒用焼酎
焼酎を振った梅に分量一部のグラニュー糖と塩をまぶす
ホーロー容器に移し
残りのグラニュー糖と塩を加える
重石
このまま数日梅酢があがるまで待つ

ここまでが工程1。
塩だけでなくグラニュー糖も加えるのは塩味を柔らかくするためです。というのは、大昔、たまたま観たNHKの「今日の料理」で故奥村彪夫さんが紹介していたレシピです。煮沸消毒は大がかりだから焼酎やホワイトリカーでとか、馴染みやすいように予め一つ一つに絡めるように砂糖と塩をまぶすなど、そのときに知ったやり方をずっと通しています。因みに奥村さんによるとこの場合の砂糖は上白糖ではなく精製されたグラニュー糖が適している、と仰っていたので、そこも忠実に守っています。(お好みだと思う。多分私の母は塩だけ。)

数日経て梅酢が上がります。

一昨年辺りから、それまでずっと2㎏漬けていたものを1㎏にしました。前の年のものが残り気味になっていたので、今年も1㎏です。対してホーロー容器が大きく、何だか底面に張り付いている状態ですが。本来なら2㎏くらいが作りやすく適量かと思います。

さて、ここで赤紫蘇を加えます。赤紫蘇はアクが強くそのままでは使えません。梅と同様に、紫蘇の分量の13%の塩を赤紫蘇にまぶし、よくよく揉んでアク抜きをします。

洗って 水気をとる
塩をまぶす
よく揉む
ダークな紫の汁が出始める
紫蘇はグッとかさが減る
紫蘇を固く絞り取り出す
汁は一見シックな紫色だが
これがアク
アク出しした紫蘇を
梅の入った容器に加え
再び重石

と、今回はここまでの作業でした。
このまま小一ヶ月、梅雨明けの快晴(昔は梅雨の晴れ間に「3日3晩」干す、と言われたよう)に数日日干しして完成となります。


梅仕事をやられる方はお気づきでしょうが、今年は梅が不作で大変高額でしたね。私はノートに毎年メモを取っているのですが、お安いときは紀州の南高梅を6~700円で調達したこともありました。なのに今年はなんと2700円で、ビックリしました。思わず二度見・・・。群馬県産の梅がまぁまぁの価格だったので助かりました。

梅漬けのポイントは腐らせないという一点です。そのための高塩分であり、消毒です。でも、忠実にやったつもりでも、慣れていないが故に途中でカビが発生することもあります。実は、私も一度か二度、梅酢にカビが浮いたことがありました。しかし、ここで失敗というわけではありません。カビの部分を清潔なスプーンで取り除いてあげれば大丈夫。それでは追い付かない程カビさせてしまったら、一度容器から出し、梅を一つずつ焼酎で洗い、梅酢もカビを除去し、濾すなどした上で煮沸して再トライすることができます。どうか捨てないでください。

私がカビさせてしまったときは、不思議なことにその年は最初から妙に気になり、胸騒ぎがしたのでした。「なんかイヤな感じがするな~」と。それでちょくちょく容器の中を覗いてチェックしていたのです。そうしたら数日経て案の定・・・。本能が「今年はヤバいよ」と察知していたようで。

よりによって、一年で最もモノが腐りやすい、高温多湿のこの季節になぜ、梅は収穫されこんな保存食が作られるのかと不思議な気持ちになります。梅干しは酸っぱいですが、これもまた不思議なことにアルカリ食品なのです。以前、職場に発酵を勉強しているリケジョさんがいて、この事実に驚いていました。最初は「酸性ですよ~」と言い張っていましたが、私は子供の頃から母がそう言っているのを聞いていたので、「それがアルカリ食品なのよ」と確信の意を伝え、更にネットで調べてみると間違いなく。「オオクマさんは物知りです~」と、日ごろ縁遠い<尊敬の眼差し>を得たのでした。


それでは、梅雨明けの夏の日干しを経た頃に、再びその様子を続編としてアップしたいと思います。

因みに、昨年の様子がこちらです。

3日程夏の強い日差しに当てる
干し終えて梅酢に戻し保管


また、梅シロップ作りの様子<今年の梅仕事 その1/青梅編>もよろしかったらご覧ください。

~ 追記 ~ 後日、予定通り干し作業をした際の記事<その3/日干し編>です。



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