俗ドラマ 泣きの力演 つい続き
ちょっと前までGYAO!で視聴していた中国ドラマ『鎮魂』。チートでチープで、無理矢理展開もありなのに、ハマっちまった。
もうGYAO!では視聴できなくなっちゃうので、公式サイトのリンクを貼っときます。
最初に絵面を見て、中国版『相棒』みたいなのだろうと信じて、調べ魔が調べもせずにさっさと動画再生して見始めちゃった。
以前に『ダイイングアンサー法医泰明』という文字通り鑑定医が主人公の中国ドラマが意外と面白くって、似たようなドラマを探していたのである。そこで、ワイルドガイと銀縁インテリのコンビ刑事物ぽっいのを発見。こういうのは、きっとわかりやすいだろうし、サクッと見るにはいいだろうと思ってんだけど……。
開けて見れば……なんじゃこりゃ? なんちゃってSFファンタジー、でも現代風。何とも定義づけののしようのないドラマであった。困惑。
後からよーく説明書きを読んで、元がBL小説と書いてあって、ちょっと引く。おっさんずラブがダメだった人なので。LGBTに偏見はないものの、あのドラマの乙女オッサンの奥さんがかわいそうで……彼女には何の積みも落ち度もないのに。いきなり信じていた人に断崖絶壁から突き落とされたような気持ちだろうなと、見るに堪えなかった。あくまで個人的な感覚から来ているものなので、ドラマ自体をディスる積もりはないです。あしからず。
なのに、なぜ最後まで見続けたのだろう。自分でも「?」なんだけれど、そういうことってないですか?
このドラマの自分的感想を簡単に列挙すると以下のごとくになる。
① 1、2話の李茜ちゃんとお婆ちゃんの話がすごく良かった。
それが見続けることになった発端である。茜ちゃんの泣きの演技がまた素晴らしくて、きっと茜ちゃん、また出てくると思って、見続けちゃった。
ところがなかなか出てこなくて、後半過ぎてから再登場したので喜んだら、すごーく、ストーリーのご都合主義的役割で、ちっとも茜ちゃん(役の人)の演技力が活かせていない。憤慨。おまけに最後には意味不明ミニスカ何ちゃら研究所所長になってる……。
② 昭和世代には角刈り強面の楚先輩アニキの能力がドツボだった。
必殺仕掛け人の紐屋のなんちゃらみたいで、ドツボ。アクションを期待した。結果、それほどではなかった……。
楚アニキが倒したモンスターを蹴飛ばすシーンがあるんだけど、空気抜けたゴムボールみたいに軽々とすっ飛んで、如何にも中身スカスカの人形ですってわかって、がっくり。
③ ツンデレ蛇娘が健気で、つい応援したくなってきた。
④ お坊ちゃまヘタレ新人君があざとい感じがして、若干、引っ掛かった。
まあ、水戸黄門のうっかり八兵衛的な存在かと思えば何となく納得。
でも、ブラコン楚先輩アニキと新人ヘタレ君の関係は、くさすぎというか、狙いすぎというか……正直、イラッとした。
⑤ 茜ちゃんといい、楚アニキといい、蛇娘といい、泣きの演技がすごい。
泣きの演技に力はいっていて――楚アニキはオーバー過ぎかとは思ったが――引き込まれてしまった。
⑥ この世界の行政システムがよくわからんまま終った。
少なくとも地上も地下も、選挙で民が為政者を選ぶシステムはないようである。ある意味、中国的。中国人的感覚。
⑦ 主人公の一人である所長が「鎮魂令主」という呼称があるが、それが何を意味し、なぜそう呼ばれているのか最後まで全くわからないままに終わった。
⑧ ラスト、所長の親父に寄宿してた人格(魂といった方がいいのか)が○○○(ここはネタバレなので伏せとく)が意表をついていて、うまく設定が活かされていて良かった。
⑨ 教授と所長の関係が保護者と子供。
原作BLとか言ってたけれど、ドラマではあんまり感じなかった。所長と教授の関係は、BLだとか固い友情の親友だとかいうより、子供とママに見え仕方がなかった。教授が所長に、ご飯作って、ちゃんとした食事をしろと説教し、布団をかけ直してあげたりで、もはやママ。お母さん。そりゃあ、蛇娘が教授には勝てんとか言うわけだよ。所長はちっとばかし、潜在的にマザコン入ってるし、ママには勝てませんって。
⑩ 所長が「民衆には知る権利がある」と突然、演説ぶつが、これ、中国で放映したんだよね?「当局」のなんちゃらに引っ掛からなかったんだ。まあ本音と建前、現実と表向きが違うのは、どこの国でもある程度あるしな。
以上、長いくせに中身のない感想ですみません。
そ う言えば、昔、コロンビアの『カサンドラ』って如何にもなソープオペラにハマったことがあったなぁ……あれも強引なストーリー展開だったのに、不思議。
なぜ、粗だらけのドラマや漫画や小説に、時として人はハマっちまうのだろう。それが何より不思議。