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【香料の話】#2 パチョリ
みなさんこんにちは。前回の投稿からだいぶ日があきました。
先月まではまだ気温が高く、秋らしい感じがあまりなかったですが今はすっかり朝晩冷え込み、ようやく冬が来た。
今回は香料シリーズ第2弾ということで、パチョリを取り上げていきたいと思います。
ひとことでいうとクセのあるスモーキーな墨のような香りがする植物である。
パチョリとはなんなのか?
東南アジア原産でシソ科の植物である。
花はあまり咲かない。葉から精油が採れる。
主に化粧品の香りづけに使われたり、お香の材料になったりする。
パチョリに含まれる香り成分が殺虫効果をもっているため、昔は虫除けに使われたことがあったほど
パチョリの香りを構成しているのは三つである。
①パチュロール(30-45%)
②α-ブルネセン(5-20%)
③α-パチュレン(5〜20%)
これが独特な香りを生み出しているのだ。
見た目 青シソに近い 但し葉っぱの厚さは青シソより分厚いのが特徴。
パチョリはどのように使われた?
①防虫剤として
パチョリアルコールとパチュレンの2つの成分が虫を寄せ付けない効果をもっている。そのため、防虫剤として使われるようになった。
先人たちはこの中に殺虫成分を含んでいるのを知っていたため、絨毯など大切なものを保護するために使ってきた。
インド 服の間にパチョリの葉を挟んで収納する。
中国 絹を扱う商人が、布に乾燥したパチョリの葉を添えていた。
国によって使い方が異なっているが、布製品などを害虫から守ることは共通しているのだとわかった。
②解毒薬としての使われ方
マレーシアでは虫刺され、ヘビに咬まれた時の解毒剤の役目をしていた。
③香水としての使われ方
パチョリ単体で使うよりラベンダーやイランイランなどフローラル系のものと組み合わせて使う。こうすると深みと渋みを合わせ持ち奥行きと色気がある香りに変わるのです。
パチョリってどんな香り?
大自然を思わせる少し苔むす岩があり木々に囲まれている森。川の上流をイメージさせる。
乾いた土でなく、雨が降ったあとの湿り気のある土。サラサラとした土でなく「泥」。持ってみたら手が汚れ、ベチャベチャしている。そんな匂いがする。
エキゾチックでスモーキー。墨を磨った時に感じる木の温もりがある。あったかい気持ちになれる。
感想
クセのある香りが特徴のパチョリ。この香りにハマる人が多い理由がわかった。
墨や土を思わせる匂いが好きで、香水にこれが使われているとつい手に取ってしまうくらいだ。土のザラザラ感、水に濡れた時の匂いがたまらない。パチョリが濡れた土に近いと知ってから好きになった。