【絵の鑑賞】① 山口華楊 白鷺
新年明けましておめでとうございます🌅。本年もどうぞよろしくお願いします。
久しぶりに記事を更新します。
今回は、香水の感想ではなく憧れの画家である山口華楊氏の「白鷺」を観て感じたことを書いていこうと思います。
感じたこと
5羽の白鷺が一つの画面に集まっている。
3羽の鳥がえさをくちばしでついばんでいる様子が絵の中から伝わってくる。
お腹がすいていて、草むらの中に餌が混じっているのかなぁと必死で探している仕草がわかる。
うち1羽は視線の先に何かあると思ってボーっと前を見ているのだろうなぁ。それともただ何となく外の景色を見ているだけなのかもしれない。
もう一羽は草むらの中にくちばしを突っ込む仕草をしておらず、周りの鳥の様子を伺う仕草をしていた。表情も硬く警戒している感じだった。
5羽の白鷺の表情が異なって描かれており、それぞれの特徴を捉え絵にしている。
ある鳥は餌をついばんで時は視線を地面に向け、じっとしてるものは集中して何かを見る様子を絵の中で表現している。そして、「視線の先に何があるのだろう?」と考えてしまう。
気づいたこと
背景について
深緑一色
ただ一色で塗ってしまうのではなく、モチーフ(ここでは白鷺)が地面についているところは濃い目にしている。
主役である白鷺の周りは白を用いて色味を薄くしている。そうすることで空気感と遠近感を表そうとしていると考えられる。
色の深みがある
緑一色でも草原の広がりと光に照らされた草のまぶしさを明るい色で表現している。若葉色のフレッシュさ、深緑の奥行きが濁りのない美しい緑色を生み出していると思う。
彼はなぜ、夏の白鷺を描こうと思ったのか?
夏の時期は子孫を増やすための大切な期間であることを彼は知っていた。
繁殖期は白い羽が際立って美しいからだ。翼を広げた優雅な姿を絵にしたかったのだろう。そして鳥のいちばん美しく見える時期を見計らって描いていた。
感想
無駄のない構成、単色の背景の中にも彼なりのこだわりがあったかもしれない。
何かを描き足すより色の濃さや筆使いで草むらの茂みを表そうとしていた。
何でも書き足せばいいものではなく、必要なところそうでない場面を見極めて描くことの大切さを学べた。
生き物の美しい瞬間を捉え、羽の生え方、表情などを時間かけて観察しているからこそ絵の中で白鷺が集まってえさを探し、休憩している様子などそれぞれの鳥たちの情景が再現されている。シンプルな構成でありながら、見る人の想像を掻き立ててくれる絵だ。
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