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映画館で見るために作られた映画(映画『キングダム 運命の炎』感想)

山田裕貴?? 小栗旬?? え、どこに?
エンディングを見て、思わず動揺しました。これマジで。だって好きな俳優さんなのに全く気付かなかった。そんなことある??
後で確認したら万極と李牧だった。これは楽しみ。
というより、万極よ。原作から出てきたんか??って言いたくなるくらい本物だった。立ち居振る舞いだけでなくて、あの狂気そのものがそこにあった。だから余計に合従軍編が今から楽しみすぎる。あの万極vs信をどう演じてくれるんだろう。だって天下の山田裕貴だよ。アクションに信頼しかない。
……個人的には山田裕貴の顔が好きなので、蒙恬をしてほしかったなぁ…あのチャラくてふざけてるのに芯のある男。蒙恬と王賁、誰にするんだろう。山崎賢人と年齢合わせてくるんだろうしな…

紫夏のシーンがどこも印象的だったな。杏の演技が上手い。
今回は本当に、主人公組よりも助演組の方が印象に残ってる。
逃げ出した政を追いかけて、壊れてるって言う政に私が痛みを感じますって抱きしめてるシーン。あそこが本当にすき。
……泣きそうだったのに、隣のおばちゃんが号泣してるせいでちょっと冷静になったのよ。勿体ないことしたな。

紫夏のシーンってこれから先の物語に大きくかかわってくるわけじゃないじゃん。だから口頭でさらっと言うだけでも話は進む。
だけど、政にそういう過去があって、今は王座に座っていて、でもそういう普通の市井で生きる普通の大人を知っている、ただの一般人の善良に救われた過去がある。それを信と観客が知ることで、政という人物に厚みができた。政の目指す先にあるものが何となく見えて、だから応援したいって思わせる。
そういう意味で、必要不可欠な話で、しっかりやる意味があって、そんでちゃんとそこに乗せられて感動してしまったの、本当に制作チームの手のひらの上だったな。

紫夏にとって、政は王族でも依頼人でもなくて、ただいつか自分がそうされたように、救われるべき子どもでしかなかった。政にとって、一環としてそういう大人でしかなかった。
それが徹底していて、本当に気持ちよく感動したのよ。子どもを救うって当たり前のことが当たり前にできる人が好きなので。

全体を通して、これは映画館で見るために作られてる映画なんだなって思った。
馬の音が合わさって空気が揺れる、暗闇の中で揺れる火に照らされたり見えなくなる表情。そんな微細なものが見えるからこそ、臨場感があって、怖くなる。
趙軍が襲ってきたとき、本当に怖いと思った。何も持ってない自分が殺されるんだって、それが目の前にあって、本当に怖かった。

スタッフロールを見ると、本当に壮大なスケールで作ってるんだなぁってしみじみと思った。本当に関わる人が多い。だからこそ、これだけのクオリティのものが提供できるんだろうな。
映画でキングダムをやろうって決めたのが誰か分からないけど、これは映画でするのが正解だったと思う。でないとこれだけのものが作れないから。で、あの世界観はこれだけのものでないと表現できないから。

原作を考えたら、この先もめちゃくちゃ長くて、でもカットできるところなんてほとんどないじゃん。年月と共に役者も年をとるんだから、いつまで信や政や河了貂、羌瘣は青年期のままではいられない。だけどこの話は信の青臭さや政の若さ故の強い夢が物語を引っ張っていくから、若さって結構重要なパーツ。ここをどうするつもりなんだろう。でも、原作の最後まで撮り続けてほしいな。合従軍なんて映画3話分は必要だろうけど。ここまできたら最後まで見たいって気持ちしかない。少なくとも信が将軍になるところまでは見たい。

とにかく、キングダムって話が好きだし、続く限り、この映画を追いかけ続けるんだろうなって確信してる。


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