外国に行くために3世代の年月がかかった
この言葉の持つインパクトは大きい。
何よりも目の前の32歳の彼が彼自身の人生として語ってくれた。
彼の祖父母はインドの田舎の村で生まれ、育ち、その生涯を終えた。
その父は祖父母による教育機会提供と彼自身の圧倒的な努力を持ってその村で少しずつお金を貯めることができた。
そして彼の教育に全力を注いだ。
その結果彼は質の高い教育を受けることができ、彼自身の才能と努力もあってインド最高峰の大学、インド工科大学へと進学し、卒業後日系企業で就職をした。
そこでの努力、実績、人柄が認められてか彼は日本に行く機会を得た。
それは彼の家族で初めての外国へ行く機会を得た人間であった。
世界は不公平で、彼自身にお金があっても日本人のように気軽に観光で行ける国は圧倒的に少ない。
彼は日本行きのチケットを手にし、日本で仕事をすることができた。
外国で仕事をするということはもちろん日本人にとってもハードルが高いことではある。
ただ、純粋に「外国に行くために3世代の努力と運が必要」であるという彼の言葉には世界が世界のあり方を、自由を享受する人間として果たすべき責任とは何かを考え直す機会となるように思えた。
今私が活動している目の前の村の子どもたち1,300人の中で、現在の条件のままであれば、生涯外国に行けるこどもは1人もいないのではないかと思う方が自然だ。
1日許されて2時間の勉強
5人家族が4畳ほどの部屋に身を寄せ合って眠っている
月の収入は5千円程度
人身売買、詐欺被害、汚職、強姦、虐待、違法薬物、違法飲酒などが蔓延
さらに夏場は45度、冬は10度を下回るという気候
医療、教育、電気、水道等の基礎的なインフラの欠如
このような状況に生まれ育つ私たちと全く同じ人類を果たして私たちは等価な命を持つ人間であると言えるのだろうか。
私は経済政治が世界的に繋がっている今日において、この人たちが同じ人間であるが、人権を持っていない人間であり、同時に多くの私たちが放置している人間であると捉えている。
そして私の感情は放置を許さない。
だから私は活動する。
当然現場に来て、インドに来て、また他の近しい状況の地域に来て活動を継続的にすることができない(したくはない)という自己の人生の尊重は個人の生を全うする上では非常に大切なものだとも考えている。
決して非難されるようなものではない。
先進国の”普通の生活”は経済物質文明的には”目指すもの”として存在しているものでそれを否定する機はなく、私は極端なマルクス信者でもない。
(資本論を読んでいない大学生には驚きを隠せないが。まぁ勉強するよりもなんでもいいから行動することを是とする社会なら仕方がない。私はその社会が嫌なのでその社会にいなければいいというに過ぎない)
製造も資源開発もエンターテイメントもサービスもそうであるが当然ながら先進国と類される国の私も含めた人間は、その日常生活の中で当たり前に多少なりとも搾取構造その先の人権侵害の渦中にある。もちろんそのようなことを一才認識しない方がラクで楽しい。
ただ繋がっている以上、自由を手にした以上、責任というものが人間社会にはあるのではないかと妄想に近い想像を抱く。
その責任を果たすため、放置しないため私が活動をする。
そのような活動がインドの現地の方に受け入れられて現在は広く大きく活動することができ始めている。
子供だけで1,300人。毎日私たちの活動を通じて勉強する機会を得ている。ほか女性の自立支援やコミュニティ自立支援を実施している。
しかし残念ながら私のビジネスの拡大等による資金確保がもはや追いつかず、お金がなくて”放置せざるを得ない”状況が差し迫っている。
”あの村も教育ゼロだと思うから一緒に行ってみよう”
”あの先はこの村よりもまず強い状況の村がたくさんある”
”僕たちが活動しないと誰もが”遠い”という理由で放置する”
そのような会話が当たり前に日々行われている。
今は一言で言えば”お金があれば機会を提供できる人が目の前にいるがお金がないのでできていない”という非常に悔しく心臓を抉られるような状況にある。
毎月500円で1人の子供が勉強できる。
毎月500円から始められる支援があります。
ここまで読んでいただき、ともに外部環境が原因でどんなに小さな努力すらすることができず絶望の中で生きる人々に機会を提供する活動をしていただける方に支援を、応援を寄付をいただけると大変ありがたく思います。
活動の拡大と同時に私や共に現場で社会活動をする同志の精神的な支えに、”私たちは孤独ではない””支えてくださる方がいる”そう現場の仲間に伝えられるきっかけをいただけますと幸いです。
日本円での寄付はこちらからお願いします。
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インド法人の設立、銀行口座開設が済んでおり、インドルピーでの寄付もこちらにてお受けさせていただけます。
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こちらは私が趣味で執筆している小説というかエッセイの過去作です。
日曜日の昼下がりに宜しければ。
明るい内容ではないです。自分のことベタ褒めしていて気持ち悪い描写もありますが私は自分のこと堂々ととても好きなので許してください笑
読んで良かったと思う方はぜひそのような意味での寄付も個人的にはありがたいです。
尊敬する三島由紀夫のような文才があれば活動資金も調達できるのにとないものねだりをしたくなりますが、取りVS三島はまずは肉体から挑みます。
https://note.com/fine_clover120/n/ncd7f0559c325