子どもの心の健康管理:「心の健康観察」導入の背景。
各地の教育委員会で「心の健康観察」の導入が相次いでいる。
「心の健康観察」とは、子どものこころの健康(抑うつ・不安)を定期的に観察して支援ニーズのある子どもを早期発見、早期支援体制の構築をすることで、不登校やメンタルヘルスのさらなる悪化の予防を目的としたものだ。
令和5年の児童生徒の自殺者数は507 人(暫定値)と昨年と同様に高い水準であることが伝えられている。
文部科学省は、事態解消のために令和5年度補正予算にて、心の健康観察の導入に10億円を投じており、各地の動きはこれに準じたものといえる。
「心の健康観察」ツールは予兆監視的な要素が大きいが、日常的なアウトプットとして、自己の振り返りとしても効果がありそうだ。
私の職場でも、定期的にメンタルチェックはあるが、質問数が多いと適当に回答しがち。また回答結果の履歴が蓄積されないと自己の振り返りにも活用できない。一口に健康観察といっても、形骸化することなく効果を発揮するには、日々継続して自身の気持ちを素直に反映できるような、アンケート設計が重要そうだ。
1人1台端末を活用した健康観察_教育相談システム一覧(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/20230808-mxt_jidou02-000028870_11.pdf
上記ページでは、Googleフォームのような無償のサービスから、「LEBER」のような有償ツールまで、「心の健康観察」を実現できるツールが、料金・機能など一覧化されている。
「LEBER」の場合、毎朝子どもがタブレット端末を開いて、こころの状態を5段階で選ぶといった日常使いタイプ。
一方で「RAMPS」のように自殺リスクの可視化に特化したものなどそれぞれに特徴がある。
どのツールを使うかは、それぞれの地域の課題に合わせて、現場の声を反映しつつ見極めが重要そうだ。