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【ゲームレビュー】メタファー:リファンタジオは実質ペルソナ5.5だ(1月 トロコン後追記)
10月11日に発売したメタファーのクリア後感想レビューになります。
やっとクリアしました。
発売日に購入しましたが、今年後半はロマサガ2やドラクエ3等の骨太RPGが多く並行して遊んでいたら遅くなってしまいました。
本当はnote最初のレビューを本作にしたかったのですが、思いの外クリアに時間がかかってしまったので今回レビューします。
ストーリーの核心的なネタバレは含みませんが、スクリーンショットでの仲間キャラのネタバレ等はありますので未プレイの方、気になる方はご注意ください。
はじめに
まず初めに告白させていただくと、私はペルソナシリーズ、特にP5(ペルソナ5)が大好きな人間です。
このゲームを初めてプレイして以降、同じような体験を求めてアトラスのゲームを買い漁るようになりました。
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そのため、同シリーズのクリエイター達が開発したこのメタファーには色々な意味で言いたいことが多く、文章にした結果厄介ヲタク特有のかなり踏み込んだ長いレビューになりましたが、良ければお付き合いいただければと思います。
ゲーム概要
ペルソナ3、4、5を制作した橋野氏、副島氏、目黒氏が手掛ける新作RPGです。
アトラスブランド35周年の集大成という形で発売されました。
あらすじ
「ユークロニア連合王国」で世継きの王子が暗殺されてから10年余。 国王までもが凶刃に倒れ、王国は世継きがいないまま統治者を失って混乱に陥ってしまう。次の王は誰か? 国教である「惺教(せいきょう)」の教主か、隣国の領主たちか、あるいは軍部の指導者か・・・・・。 玉座を狙う有力者たちの思惑渦巻く中、 王の葬儀が執り行なわれるが、その国葬の場で、誰も予想し得なかった”魔法”が発動する。
きたる「英雄の日」 我が魂が真にこの世を離れるその日までに、 国民の信託を最も集めし者が
次なる王となる資格を得るものとする。
空に突如として響き渡る、死んだはずの王の声。 なんと王は、己の命と引き換えに、国民投票によって 全国民に王位争奪を競い合わせるという、壮大な魔法を仕組んでいたのだった。「民意で王が決まる」というかつてない出来事に混乱を極める人々。 だが主人公は、使命を果たすため、争奪戦に身を投じることを決意する。かくして始まる、王国全土を巻き込んだ王位争奪の大レース。その旅の中で、主人公のもとに集ってゆく多様な仲間たち。
壮大な世界変革の旅が、彼らを待ち受ける。
プレイ状況
クリア時間:約80時間
難易度:ノーマル
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良かった点
ストーリー
ストーリーは全体的に良かったと思います。
「幻想」というキーワードに沿って、最後まで芯のあるシナリオが描かれています。
過度なネタバレを避けるため詳しい言及は避けますが、特にP4やP5であった終盤のどんでん返しや怒涛の展開が健在だったため、本作も飽きることなくプレイできました。
シナリオの整合性がとれているから良い、というよりは引きが強く先が気になるストーリーといった感じです。
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バトル面について
一部のバトル要素が新鮮で面白かったです。
例えば二人以上で協力して打つジンテーゼという技は演出も派手ですし、考える要素も多くて良かったです。
特にペルソナシリーズでは弱点のない敵(特にボス)が多く、戦闘がジリ貧になりがちでしたが、今回はそのジンテーゼによって自分で弱点を付与して戦うことができたのが非常に良かったです。
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育成要素
今作の育成要素ははあらゆるRPGの要素のごった煮です。アトラス内の他作品をモチーフにしたと思われる要素や、一般的なRPGに備わっているものなど様々です。
それを一作で味わえるというのが非常に贅沢でした。
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キャラクター
今作は9つの種族が登場しますが、そのどれもが魅力的です。仲間キャラの掘り下げも十分にされていましたし、宿敵であるルイをはじめとした敵キャラの多くも魅力的に描かれていました。ただ、如何せん数が多いためあまり出番がないキャラクターもいたのは勿体なかったかも。
以下私のお気に入りキャラ達
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UI
ペルソナと比較すると管理する要素が煩雑になった分若干使いづらかったですが、やはり他社のゲームと比較すると抜群に良いです。
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BGM
目黒氏が今回手がけた戦闘BGMにはお経パートが含まれています。
正直最初聞いた時は正気を疑いましたが(中世ファンタジーにお経!?)、聞いていくごとにノっていき、素晴らしいと思うようになりました。それこそ初めてペルソナのボーカル付きBGMを聴いた時のような衝撃がありました。やはり天才か。
悪かった点
冒険感のなさ
プロローグで王都にトラディア砂漠を通って入って行った時、今回はこんな感じで広いフィールドを走り回って冒険できるのかと思っていましたがそうではありませんでした。
実際はエリア選択制であり、冒頭部分も王都と砂漠が繋がっているというだけでした。
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今作のキャラクターはペルソナと違い、学生ではありません。カレンダーに縛られることにリアリティや説得力がそれほどないのが痛いです。
折角の新路線であるファンタジー作品なので、もっと冒険の楽しさを感じたかったですね。
ただもちろん今作も冒険感を出そうとする努力は伝わりましたが、やはりカレンダーに縛られてしまい、どこか閉塞感を感じてしまいます。
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バトルシステム(特にアクション)
今作のバトルシステムは敵をアクション戦闘で倒す、もしくは怯ませてコマンド戦闘に移行という流れになっていますが、このアクション戦闘に問題があります。
今回は難易度ノーマルでプレイしましたが、ゲームバランスがアクションでの先制攻撃を前提としているように感じました。(そうでないとまともにダメージが通らない&敵に先制されるとボコボコにされる)
しかし、格上もしくは同等の相手と対峙した時、攻撃をしても一定の頻度で相手に謎のバリアが発生し、妨害されます。そのため、強敵相手には逃げるのが最適解になってしまいます。
アクションとコマンドの融合、というと聞こえはいいですが、メガテン5やペルソナにあった後ろから先制攻撃すると戦闘が有利になるというシステムの延長でしかありません。
確かに本作はそれらと比較して全滅のペナルティが少ない(というかほぼない)作品ではありますが、正直言ってバランスは悪いです。
アーキタイプの自由度
今回はアーキタイプ(ジョブ)の付け替えや技の付け替えにMAGというお金とは別のコストを支払う必要があります。そのコストを払う必要がある以上、想像よりジョブの自由度は低いです。
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その他にも、上位ジョブを習得するために違うジョブを習得する必要がある…といったようにどちらかというと流れ作業的なジョブ習得になります。
また、ステータスの伸びがキャラごと(主人公以外)固定であることもあり、キャラごとのジョブの選択肢もそれ程広くないです。
ソフトリセット不可
今作は、準備の重要性が光る作品です。
メンバーや装備だけでなくアーキタイプや技を相手ごとに組み替えて戦っていきます。
そこを間違えると何もできずにゲームオーバーになることもしばしば。
戦闘のリセット機能もついていますが、それだとできることは限られてます。
そうじゃなくて戦闘中にロードしたりタイトルに戻る機能が欲しかった。
ダンジョンのコピペ感
主にクエスト消化のため、ストーリーとは関係ないダンジョンに赴く必要がありますが、主なレパートリーとしては塔、洞窟、森というこの3つで、なおかつ内装や構造も似通ってます。
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正直ちょっと飽きましたね。
小言みたいなこと
以下は良い悪いという話ではなく、完全に私のお気持ち表明です。
このゲームの目指すところについて
今作が初めて発表されたのは、2016年の12月、つまりP5が発売された後になります。(発売まで約8年)
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当初はPROJECT Re FANTASYという名前であり、ディレクターの橋野氏はインタビューで以下のように答えていました。
まず,アトラスが持つ長年の課題に,“新規タイトルを作らなければいけない”というものがありました。
ここ最近,おかげさまでアトラスのゲームは好評をいただいており,「最近アトラスは元気いいね」と言ってもらえることが多いのですが,それでも近年を振り返ってみると「真・女神転生」や「ペルソナ」,それに「世界樹の迷宮」というシリーズ作品がほとんどなんですね。
橋野氏は、アトラスの人気IPが固定化されていることを危惧しており、インタビュー記事ではアトラスの新たな挑戦という言葉がキーワードになっていました。
しかし2024年、いざ発売してみると『挑戦』という方向性ではなく、『アトラスブランド35年の集大成』という方向性にいつのまにか切り替わっていました。
これに関して賛否あるとは思いますが、個人的には折角の新規IPなのでもっと挑戦して欲しかったというのが正直なところです。
ペルソナの新作が出ていない弊害
突然ですが皆さんはペルソナの新作が何年出てないかご存知ですか?正解は2024年現在で8年です。(他にも世界樹の迷宮シリーズも長年胎動したままだったりします)
個人的にはペルソナシリーズの新作が今よりも早いスパンで出ている中で今作が発売されれば、もっと評価できたと思います。
というのも、長らく新作が出ていないペルソナファンとしては決して少なくない社内のリソースを割いて作ったこのゲームに約8年の価値はあったのか?という穿った見方をしてしまうんですよね。
つまり、本来ペルソナや他作品に割かれるはずだった社内のリソースを用いて作ったであろう本作に対して、厳しい見方をしてしまうわけです。(私だけかな?)
総合的なお勧め度
私個人的にはお勧めしたいですが、カレンダーシステムである以上、万人受けはしないと思います。
まず指針となるのは上にも書いたようにペルソナシリーズ(3以降)が好きかどうかです。
気になる方は体験版を遊んでみてください。
で、結局ペルソナと何が違うの?
今作を知っていてもプレイしていない、という皆さんが気になる点はここだと思います。
結論から言うと、本作を構成する要素の半分以上はペルソナ由来です。
ゲームの根幹である人間ステータスを上げてコミュを進め、できるだけ最速でダンジョンを攻略するという一連の流れは、ほぼペルソナ5でやったことです。
そのため、ゲームシステムの大筋は同じだよ、というのがこの質問に対する答えなのですが、当然ながら細かいシステム面は異なるのでシリーズのナンバリングにしなかった理由も理解できます。
完全版について
皆さんが警戒しているであろう完全版ですが、出る可能性は正直高いと思います。(もちろんあくまで私の予想です)
というのも、例えば真・女神転生Vの完全版であるvengeanceでできるようになった主人公のステータス振り直しがこのメタファーではできません。
このように、完全版を出すために意図的に外したのでは?と考えられるような要素がこのメタファーには多いです。(12月の存在もあります)
特に今回任天堂機向けに出ていないので、噂されるswitch後継機に移植するタイミングでの完全版が怪しいと予想しています。
おわりに
粗も多い印象はありますが、ゲーム体験としてはP5に勝るとも劣らない、満足できる作品でした。
GOTYのベストRPG部門のノミネートも頷ける完成度です。
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ここで本記事のタイトルについて説明します。
巷で実質ペルソナ6だ!と呼ばれることも多い本作ですが、私は実質ペルソナ5.5だと思います。
というのも小言に書きましたがやはりナンバリング新作になるような目新しいシステムやゲーム要素といった方向性があまり存在しないからです。
そういう意味でもこれから遊ばれる方は過度な期待や不安を持たずに遊んでいただきたいと思います。
今作はアトラス内でもペルソナを制作してるチームではなく、スタジオゼロという橋野氏をはじめとしたメンバーが独立した新たなチームで開発されています。
製作する作品が決まっていないチームのため、次回作をどのように展開するのか非常に気になります。
今後の動向に期待しましょう。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
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追記:トロコン、及び二周目で考えたこと
年が明けてしまいましたが、ようやくトロコンまで漕ぎ着けたので追記します。内容的にネタバレが避けられないのでご注意ください。
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所要時間:約120時間
二周目:約40時間
難易度:king of kings
まず新たに気づいた点から。
遺都シンジュクは世界樹の迷宮のオマージュだったそうです。知識浅くてすみません。
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バトルシステムについて
ガードの頻度が高く理不尽感があるという話をしましたが、見方を変えれば広義のコマンドバトルなのかもしれないと思うようになりました。
というのも、このガードがあることにより武器で殴る→敵の攻撃を受けるor躱す→武器で殴るといったような流れが成立しているためです。そのためターン制バトルのような戦い方をすることを想定していたのかもしれない、ということです。
そこを考えて制作したならば見事ですが、それがユーザー側に伝わってないことと、それがゲームの面白さにつながるかといえば別ですよね。
二周目の必要性について
私は微妙だと思いました。理由は要素が少ない&強制引き継ぎの二点に尽きます。
二周目限定で、KING OF KINGSという最高難度が追加されますが、一周目の要素がほぼ全て引き継がれるので、終盤までかなりヌルいです。
これなら最初から選択可もしくは引き継ぎなしモードがあった方が良かったのは間違い無いかと。
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もう一つ、二周目限定の強ボスがこの黙示録の赤き竜です。
こいつは二周目開始時点から戦えますが、結局レベルを上げたりアーキタイプを解放しないことには倒せないので二周目もかなりやり込む必要があります。
尚且つ二周目の要素がこれ以外にないのでかなり単調で作業的になってしまいます。(女神転生のようなルート分岐もない)
そして弱い。ペルソナ3のエリザベスレベルの強さを想定すると肩透かしを喰らいます。(というより一部アーキタイプと料理がぶっ壊れすぎるのかも)
トロコンについて
既に詳しく解説してくださっている方がいらっしゃるので、内容や攻略法は割愛しますが、主人公のアーキタイプを全て最大にするのが一番面倒でした。
それ以外の要素はそこまで大変なものはなかったです。二周目自体がしんどいのは置いといて。
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ここまで多くのことを語ってきましたが、再三申し上げたように満足度が高い作品であることに間違いはありません。
どうやらもうセールも開始されているようなので気になった方は是非。
改めまして、ここまでご覧いただきありがとうございました。
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