モモ の 時間の花 の最後の花びらがちったかと思うと、にわかに嵐のようなものがまきおこりました。雲と見まごうほどの 時間の花 が モモ のまわりでうずをまいてとびながら、とおりすぎてゆきます。あたたかな春の嵐のようです。でもそれは、自由となった時間の嵐なのです
(中略)
それからお祝いがはじまりました。モモ の友だちだけが祝い方を知っている、とてもとても たのしい お祝いです。それは、空に おおむかしの星 のきらめくころまでつづきました
そして歓声と、握手と、笑いと、さわがしいおしゃべりがおさまると、みんなは草のしげった石段にぐるりと腰かけました。あたりはひっそりとしずまりました
モモ は下の丸い空地のまんなかに立ちました。そしてあの星の声と時間の花に、じっと思いをひそめました