第34回 提供価値という味わい
ー PROLOGUE ー
2024年11月マンスリーゲストは、株式会社菓匠Shimizu 代表取締役社長 オーナーパティシエ 清水慎一さん。長野県伊那市上牧地区へ、逢いにいってきました。
伊那市は長野県南部にあり、東には南アルプス、西には中央アルプス、その間を流れる天竜川や三峰川沿いには豊かな平地が広がっています。なかでも上牧地区は、段丘に位置する里山が美しい地区です。そんな伊那市上牧地区にお店を構える菓匠Shimizuに伺いました。
今回も特別インタビュアーとして、鎌倉投信株式会社 代表取締役社長の鎌田恭幸さんにもご一緒いただき、スペシャルな対談をお届けします。
ー INTERVIEW ー
鎌倉投信プレゼンツ「Finding the GOOD」今回のマンスリーゲストは、株式会社菓匠Shimizu 代表取締役社長 オーナーパティシエ 清水慎一さんです。清水さん、よろしくお願いします。
(清水さん:以下、清)はい。宜しくお願い致します。
また、今回もインタビュアーとして、鎌倉投信株式会社 代表取締役社長の鎌田恭幸さんにもご一緒いただきます。鎌田さんも引き続き宜しくお願いします。
(鎌田さん:鎌)宜しくお願いします。
ここまで、菓匠Shimizuの取り組みや、『夢ケーキ』に込めた想いなど伺ってきました。匠好きの鎌田さんから見て、お菓子の匠たちの取り組みをどのように感じられましたか。
(鎌)やはり「想い」という名の熱量が、世の中を幸せにするのだと感じました。ケーキを見て、幸福を感じない人はいないと思うんですよね。ショーウィンドウに並んだケーキたちが何より美しい。まずそこに匠の技を感じます。さらに強く感じるのは、ケーキを作ることで人の夢を育もうとする、すなわち「提供価値」です。商品やサービスを提供することで生まれる、その先にある世界。これをしっかりと見つめていらっしゃいますよね。この世界観をどう創るかというところに、ケーキの味わいを持たせる。そこへのこだわりを強く感じました。
単にケーキを作って売るということだけであれば、このショーウィンドウの中で完結する世界かもしれません。ケーキを通じて夢を広げようとしたり、ケーキを通じていい社会を創ろうとする。そうすることで世界は広がるのだと思います。
(清)技術を磨くことはとても素晴らしいことです。ただ、私の中の喜びとして、ものを作る喜びももちろん感じますが、それを人に提供する喜びの方が大きいように感じます。同業の仲間にもよく言われますね。お前は職人ではない、と。ものづくりを極めていく途中で、どんどん外れていくんですよ。
「ものづくり」から、「ことづくり」になっていってしまうんですか。
(清)そうですそうです。
菓匠Shimizuの菓子職人の皆さんが、日々、切磋琢磨して技術を磨いてくださっているからこその実現力なのでしょうね。
(清)そうですね。ただ、職人たちには「職人で終わったらつまらんぞ」と伝えています。職人であるからこそできることがたくさんあると思っています。
確かに、技術を持っているものにしか実現できないことはたくさんありますね。その能力を自覚できているかどうかがポイントになりますね。今後も、お菓子の匠「菓匠Shimizu」として、日々お菓子づくりに取り組み、提供価値を創り続けていかれるかと思います。今後チャレンジしていきたいことを教えてください。
(清)はい。実は、2025年の春、タイのバンコクに出店が決まっています。海外でいつかお店をやりたいとずっと思っていました。これまで日本国内でやってきたことや、これまでに培ってきた技術が、海外でどこまで通用するかチャレンジしていきたいと思っています。
すでにもう、新たな「提供価値」創りに奔走されることが決まっていますね。今、ワクワクされていますか。
(清)ワクワクしますね。予想以上に大変なことが多いですが、その先のことを想像すると、とても楽しみです。
ここから先、ケーキを通じて、どんな未来をもたらしていきたいでしょうか。
(清)『菓子創りは夢創り』という想いを、日本国内だけでなく、世界中に広めていきたいです。この理念をつくった時から「世界中の子どもたちに夢を与えられるケーキ屋になる」と掲げていました。少しずつ、これを実現していきたいです。
世界中の子どもたちに夢を与えるケーキ屋さんが、長野県伊那市の和菓子職人にルーツあり。このストーリーがまた、夢がありますよね。「どこからでも夢を描けるんだよ」ということを身をもって体現されていますよね。
(鎌)そうですね。清水さんご自身が、夢を描き、世界観を広げてこられていますが、そのルーツは、昭和22年に、先代がお餅を餡子で包んでご近所に配ったことからでした。世の中の変化って、経営者の思考の広さによって生まれるんですよね。目の前の商品やサービスを通じて、世の中をどう変えていくのか。その思考の広さ、つまり「提供価値」に全てが込められるんだと改めて感じました。商品やサービスにどんな想いを込めるのか。そこが本当に大事ですね。今回お話を聞かせていただき、小さな試みが世界に広がっていくのを感じられて、深く感動しています。私たち自身、鎌倉投信が運用している投資信託にどういう想いを込めていくのか。今一度、思いを深めたいと思いました。
「傍(はた)を楽(らく)にする」。すぐ横にいる人を想い、楽にしてあげようとすることが、その先の未来をつくっていくのですね。ありがとうございます。最後に、清水さんからリスナーの皆さんにメッセージをお願いします。
(清)私は子どもたちが大好きです。何かに打ち込んでいる姿をずっと応援していきたいと思っています。私はお菓子づくりを通じて応援することができますが、誰にでも自分にできることがあるはずです。どんなに些細なことでも、子どもたちの力や勇気に必ずなると思っています。一緒に、頑張りましょう。
(完)
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ー CONCEPT ー
〜これからの社会に本当に必要な「いい会社」に投資する〜
鎌倉投信が提供するラジオ番組『Finding the GOOD』
全国を飛び回りゲストとクロストーク。
ものごとの「よさ」とはどこにあるのか。
さぁ。「いい」を探す旅に出よう。
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写真家モロイユウダイ撮り下ろしインタビューショット
イラストレーターほりはる描き下ろし線画など
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