PMFできない理由は"企画力"よりも"組織力"だった
「これは顧客にウケるぞ」そう感じながら、プロダクトの開発がスタート。
開発中は苦しい思いをしながらも明るい未来を想像して、紆余曲折を経たプロダクトがいよいよリリース!!
「やった!ついに市場が求めるプロダクトを生み出したぞ!!これで顧客は大喜びだ。」
そう思ったプロダクトが予想に反してなかなか売れない。
顧客からフィードバックをもらい、機能を追加拡張するも売れない。
「もしかして、このプロダクトはニーズがなかったのではないか?」
「企画が悪かったのではないか?」
こんな悩みを抱えているプロダクトマネージャーはたくさんいるのではないでしょうか。
自分もこの悩みを長い間抱えてきて、一度は事業の縮小、プロダクトの開発をストップするという苦境に立たされました。
そんな中、組織の体制変更をきっかけに少しづつプロダクトマーケットフィット(以下:PMF)の兆しが見えはじめるようになってきたので、その気付きをnoteに書くことにしました。
あらためまして、株式会社FiNC Technologies (以下、「FiNC」) のクラウドビジネス事業本部でプロダクトマネージャをしている外山です。
私達は「はたらくを、けんこうに。」というビジョンを実現するために「FiNC for BUSINESS」というB to B のSaaSを提供しています。
先に触れた苦境については、執行役員 クラウドビジネス事業本部長の長田が生々しくnoteに書いているので、是非こちらの記事も読んでみてください。
それでは、どのようにして苦境からPMFの兆しが見えるようになったか振り返っていきます。
プロダクトのフェーズと組織体制が合っていなかった
プロダクトマネジャーは「顧客」「ビジネス」「開発」これら3つの重なり合う部分に配置され、これらプロダクトマネジメントトライアングルのバランスを取り機能させることが重要と言われています。
今振り返ると、私自身このバランスを上手く取ることができておらず、この3つが機能していなかったため、顧客のニーズはあるのにそれに応えることができていないプロダクトになっていました。
では、なぜバランスが上手くとれなかったかと言うと、組織体制がプロダクトのフェーズに合っていない職種毎の部署になっていた事が大きな原因でした。
この組織体制は各プロジェクトにそれぞれの部署からメンバーを配置するため、効率的で柔軟にチームを構成できます。
また同じ職種の人が集まることによる、スキルの向上、評価の平等性、キャリアパスの明確化などのメリットがあります。
プロダクトのライフサイクルが成長期から成熟期のフェーズではこのような職域に特化した組織体制が適していると言えます。
しかし、当時の「FiNC for BUSINESS」は導入期でありプロダクトの機能も販売方法やオペレーションも常に流動的であったため、このような課題が頻繁におきていました。
プロダクトの価値ではなく、コネや営業のチカラだけで売っている。
標準機能にないカスタマイズが必要な条件で受注をし、一部の顧客しか使わない機能を実装する。
顧客の不満はカスタマーサービス部門が全て受け止め、プロダクト開発に十分に届かない。
プロダクトの管理システムの不具合をオペレーターが力技で運用回避し続けている。
これらは、それぞれの本部が設定しているOKR(弊社では目標設定・管理にOKRを採用しています)が異なるため、ステークホルダーの意識がバラバラとなり、自身の領域の目標達成にのみ注力することで引き起こされていました。結果として顧客のニーズに応えることができていない状態でした。
組織力の向上がプロダクトの成長を加速させる
今年度より本事業に注力することが会社として決定し、組織も事業部化することとなりました。営業やCSやプロダクト企画が製販一体となり、事業部内はThe Model型の組織になっています。
社内のステークホルダーが同じ事業部のメンバーとなり、事業部のOKRに沿って同じ方向に進めるようになったため、組織力が向上しプロダクトマネジャーである私も開発者よりの立ち位置から自然とトライアングルの中心へと吸い寄せられるようになり、それぞれが機能するようになりました。
気が付かないうちに、バランスの悪いところにいた私を、いい感じに中心に引き寄せてくれた事業部のメンバーには感謝をしています。
そうして、「顧客」「ビジネス」「開発」の3つが上手く機能し始めることで、
営業やカスタマーサクセスが顧客から受けたフィードバックを素早く開発に共有し対応できるようになった。
顧客の導入に向けたボトルネックを発見しやすくなった。
販売戦略に合わせたプロダクトの開発計画が立てやすくなった。
このような改善点が見られるようになりました。そして顧客からの反応もあきらかに良くなり、PMFに近づいている手応えを感じながら、日々開発を行うことができるようになりました。
プロダクトマネージャーは判断が難しい局面でも最終的な意思決定をしてチームに伝える役割です。私自身プロダクトが成果をあげられない時期は「企画力がないのでは?」「判断が間違っていたのでは?」と一人で悩んでいましたが、頼れる仲間が増えたことで、意思決定の理由や判断しやくすくなり開発の推進力も上げることができるようになりました。
おわりに
手前味噌ではありますが、FiNCには多種多様なそれぞれの分野でのプロフェッショナル が集まっています。そのメンバーの力を集結し素晴らしいチームができた時には、自分の能力や想像を超えたプロダクトが生み出されるという体験を現在進行系で味わうことができています。
しかし、これからさらに組織もプロダクトも成長させるには、まだまだ開発しなければいけないこと、開発したいことが山程あります。
開発だけでなくプロダクトを顧客に届ける、顧客を成功に導く仲間がまだまだ必要です。
もしちょっとでも興味を持っていただけたら、気軽にお話しましょう。下記ページから連絡いただけると幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?